ツアーAD、スピーダー、ディアマナ、アッタス 大手4社徹底比較

（上から）XC、エボ6、ZF、アッタス11。すべて9月発売

グラファイトデザイン、藤倉コンポジット、三菱ケミカル、USTマミヤ。シャフトメーカー大手4社の最新モデルが出そろった。すでに特徴や対象ユーザーを紹介する雑誌やウェブ記事を見かけるが、より明確に選ぶポイントを知りたいっ！ ということで、クラブフィッター筒康博氏に試打&解説をお願いした。

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試打結果はわずかの差…飛距離No1は『ツアーAD XC』

同じ環境&条件で一気に4モデルを試打計測

モデルはグラファイトデザイン「ツアーAD XC」（※以下XC）、藤倉コンポジット「スピーダー エボリューション 6」（※以下エボ6）、三菱ケミカル「ディアマナ ZF」（※以下ZF）、USTマミヤ「アッタス 11(ジャック)」。ヘッドはテーラーメイド「M6 ドライバー」（ロフト角9.0度）を使用。硬さはSで重量は60g台で統一。弾道測定器トラックマンで計測し、ボールは「ロッテ葛西ゴルフ」の練習ボール（ツーピース）で打ち比べを行った。

5球ずつの平均値を算出

結果は4モデルとも飛距離が240yd前後。ヘッドスピードは41m/s前後でほぼ同じだった。「XC」が初速60.3m/sを記録し、飛距離も一番飛んだものの、数値としてはそれほど大きな差は生まれなかった。 この結果について、筒氏は「あくまでもこの数値は、僕のスイングで、『M6』に合うか合わないかという個人的なものです」と前置きした上で、「それよりもシャフトの特性について説明します。シャフトのパフォーマンスをより高めるための、相性の良い組み合わせについて解説したいと思います」と、参考になるポイントについて切りだした。

■ツアーAD史上もっとも運動量が大きい『XC』

「『ツアーAD MT』以来のヘッドスピードを増すシャフト」という筒氏

「『XC』は全体の動きが大きく、先端も走ります。これまでの『ツアーAD』シリーズの中でも、一番運動量の大きいモデル。運動量が大きいということは、操作しやすいヘッドと合うということ。国産メーカーの重心が深くないヘッド との相性が良いと思います。フェースローテーションで飛ばしたい人向けではないでしょうか」

■“粘り”があるスピーダー『エボ6』

バランス型にシフトした新スピーダー

「“走り”のイメージが強い『スピーダー』シリーズですが、今回の『エボ6』はあえて走りは強調せず、当たりに強いとか振り心地とか、他の要素も多く含んでいる印象を持ちました。しなり、走り、粘りも全てある感じ。結果、ヘッドの慣性を邪魔しないので、慣性モーメントの高い深重心ヘッド と相性が良いと思います」

■“走り”があるディアマナ『ZF』

ディアマナ初の40g台が登場した「ZF」

「本来“粘り系”と言われてきた『ディアマナ』ですが、『ZF』では“走り系”にシフトした印象を受けます。ただ、『ディアマナ』はやはり『ディアマナ』。操作性はしっかり残しつつ軽快感を持たせています。クラブの軽量化を考えている人に合うモデル。ヘッドスピードを重視した最新ヘッド に合うと思われます」

■クセのない微動シャフト『アッタス 11』

「ヘッドとの組み合わせで球筋が大きく変わる」と筒氏

「『アッタス 11』は『アッタス』シリーズで一番クセのないモデルと言えます。前作『ジ・アッタス』もクセはありませんでしたが、全体の動きは存在していました。『アッタス11』はその運動量も抑えられた動きの少ないモデル。中間剛性が高く、ハイロフト系のヘッドでないと球が上がりにくいように感じました」

“走り系”と“粘り系”のカテゴリーが微妙に…

属性の差がなく真ん中に集まっている

筒氏の解説を踏まえて弾道の高さを縦軸、特性を横軸として表を作成。4モデルの特徴をひと目で把握できるように分布してみた。“走り系”のイメージが強かったスピーダーシリーズの「エボ6」が“粘り系”寄り。逆に“粘り系”のディアマナの「ZF」が“走り系”に寄っている。これまでの印象とは異なる図となっている。

好相性のヘッドはどれ！？ コレを見れば一目瞭然

ヘッドはすべて2019年モデル

特性の違いをもとに、相性の良い最新モデルのヘッドを筒氏にピックアップしてもらった。

「XC」は重心がそれほど深くないブリヂストン「ツアーB JGR ドライバー」、ミズノ「ミズノプロ モデル-E ドライバー」、テーラーメイド「M5 ドライバー」。「エボ6」は慣性モーメントの高いピン「G410 PLUS ドライバー」、ヤマハ「RMX 120 ドライバー」。「ZF」も同じく「G410」「RMX」と合うが、ほかにテーラーメイド「M6 ドライバー」やキャロウェイ「エピック フラッシュ ドライバー」といった外国産ブランドとの相性も良いとのこと。「アッタス 11」はハイロフトでつかまりの良いプロギア「NEW egg 5500 ドライバー」、ヤマハ「RMX 220 ドライバー」などと合わせると面白いのではと提案してくれた。

上記は特に相性が良いと推測した最新ヘッドモデル。こちらを参考に他にも自身のスイングに合う組み合わせがあるかどうか、まずは試打して探してみよう。

撮影協力／トラックマンジャパン株式会社、ロッテ葛西ゴルフ