これぞレイアップ向き「曲がらないフェアウェイウッド」中古名作劇場
2024/12/13
ティイングエリアに立ってみると、なんだか構えにくい…。ドライバーに苦手意識があるゴルファーなら、まずフェアウェイウッドで刻むことを考えるだろう。今回は「真っすぐ飛びやすい」ことに特化した中古のフェアウェイウッドを紹介。選び方の基本から解説しよう。
「サイドスピン」の誤解をしてないかい?
そもそも、球はなぜ曲がってしまうのか。初心者の多くが「スライスの原因は“アウトサイドイン”」と口酸っぱく言われるからか、ボールが曲がる原因をスイング軌道の一点に求めてしまうゴルファーはとても多い。間違いではないが、そこにはインパクト時のフェース向きも絡み、それによって生まれるサイドスピンも影響する。
サイドスピンとはスピン軸の傾きのことを表す。「スピン量が少ないと、サイドスピンの量も少なくなる」というのは誤解。バックスピン量が増えると、スピン軸が傾きにくくなるというのが本来の意味だ。ドライバーショットに比べて、スピン量が増えるウェッジで打つ方がボールは曲がりにくいことを考えれば、理解できるだろう。フェアウェイウッドがドライバーよりも曲がりにくいのも、それと同じようにロフト角とともにスピン量が増えるからだ。
構造的にはミスヒットへの強さの指標である慣性モーメントはフェアウェイウッドよりも、ドライバーのほうが大きい。それ以上のメリットを感じて、我々は狭いホールで不安になるとフェアウェイウッドを手にする。
ショットを曲げないクラブ選びのコツは、「ロフト角は大きめ」「クラブ長は長すぎない」「ヘッドは大きめ(慣性モーメント大きめ)」となる。自分の技術レベルを考えてチョイスしよう。筆者も100切りを目指した時、1Wではスライスするのでティショットで4Wを多用した。現実的に考えると、全てのホールでボギーオンできれば100切りは難しくない。4Wどころか、150ydの距離を安定して打てればボギーオンできる。OB、チョロ、ペナルティにならない確率を上げるのだ。
飛距離よりも安定性 地面からのショットもやさしいモデルは
安定感に優れ、ミスヒットに強い高慣性モーメントモデルとして真っ先に思い浮かぶのがピンのフェアウェイウッド。「G400」(2017年)から「G430 MAX」(2022年)まで同じコンセプトで作られている。中でも「G425 MAX」(2020年)は、「G410」(2019年)と同じ2万円台と中古ショップでの価格差が小さくコスパの良さを感じる。
テーラーメイド「SIM2 MAX」(2021年)もメタルながらヘッドサイズが大きく、推薦したい。1万円台後半から見つかる。コブラのフェアウェイウッドは松山英樹が5Wを長らく愛用。今回はアスリート向けではない「エアロジェット」(2023年)をサイズ感、ボールの上がりやすさ、コスパの良さからチョイスした。2万円台前半から見つかる。
レイアップしながらも飛ばしたい欲張りなアナタへ
飛距離に特化したフェアウェイウッド(3W)として、タイガー・ウッズや松山が使っていたテーラーメイド「SIM」(2020年)が挙がる。低重心に特化しており、同社のチタンヘッドモデルのフェアウェイウッドの中では最もヘッドサイズが大きい。2万円以下で見つかるようになった。
同じ理由でオススメしたいのがヤマハ「RMX VD」(2021年)。こちらは女子ツアーを中心に人気があった。2万円台前半が相場。チタンではないが低スピンで飛ばせるのがプロギア「RS JUST」(2022年)で、こちらは1万5000円前後でゲットしよう。
プロも愛用する操作性重視モデルたち
テーラーメイド「ロケットボールズ」(2012年)は飛距離性能の高さで大ヒットした。ヘッドサイズが197ccと大きく安心感もある。
この大ヒットを受けて“300ydヤードスプーン”というキャッチコピーで登場したキャロウェイ「X HOT」(2013年)も懐かしの名器と言える。上田桃子が手放せなかった「X HOT PRO」(2013年)という操作性を重視した派生モデルも5000円前後で見つかるだろう。
片山晋呉は2008年「日本オープン」でドライバーを一切使わず、プロギア「eggスプーン」(2008年)を使用して永久シード選手になった。大ヒットしたが、独特の打音を敬遠するゴルファーも。見つけられたらレアものだが、2021年に「egg スプーン ブラック」として同じコンセプトで復活している。超低重心で飛距離性能が高い。凝った構造がおもしろいのだが、1万円台中盤から見つかる。実は筆者も愛用している。
ショットの飛距離を優先すれば、曲がる要素は増える。「飛んで曲がらない」というのは幻想に近い。しかし「曲がらない」と信じることで、ゴルファーは思い切り振ることができる。スコアを良くするために実は必要なのは、「ティショットで最低限、何ヤード飛ばせばいいのか」ということ。その距離を確実に打てるクラブがフェアウェイウッドだとしたら、この記事を参考にしてほしい。(文・田島基晴)
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