「キメ細かい極上の赤砂…ムズいけどクセになる」片山津GC白山C/ゴルフ場Gメンが行く♯2

「キメ細かい極上の赤砂…ムズいけどクセになる」片山津GC白山C/ゴルフ場Gメンが行く♯2
16番ホール。アリソンバンカーが“大きな口”を開けて待っている

全国に散らばるゴルフ場営業のスペシャリスト、通称「ゴルフ場Gメン」(GGM)たちによる新企画がスタート。全国各地のゴルフ場に潜入し、コース攻略のポイントやグリーンの特徴、ラウンドに必要なマル秘情報を徹底調査する。その詳細なレポートを、ラウンド前の予習に、もしくは予約のきっかけに役立てて欲しい。第2回目は北陸最古のゴルフコース石川県「片山津ゴルフ倶楽部白山コース」(調査Gメン/バンG)。

泣く子も黙る競技ゴルファー御用達コース

「極上の砂を試さでおくべきかっ!」片山津GC白山C/ゴルフ場Gメンが行く♯2
アウトの1番ホール 打ち下ろしのパー5からスタート

まいどさん!北陸営業担当のバンGメンです。今回は北陸エリアで人気の高い「片山津ゴルフ倶楽部」を調査してきました。片山津と言えば、泣く子も黙る競技ゴルファーの登竜門。過去にナショナルオープンや、アマチュア競技など数多くの試合が行われてきました(まいどさんは金沢の方言で「こんにちは」に近い意味)。

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開場は北陸3県のゴルフ場で最古の1957年。オープン当初から半世紀以上を経た今に至るまで、ほとんど造成を行っていないそうです。ホール間を巧みにセパレートする松の本数はなんと1万超。眼下には日本海が広がり、振り返れば霊峰「白山」の姿。コースの至るところに雄大な“自然美”があります。

シーサイドコースらしく海風が吹き付け、さらに起伏のある小松砂丘の地形をうまく活かしたコースデザインは、とっても回りがいがあります。アウトコースは緩やかなスロープが特徴的で、インコースは比較的フラット。アウト・イン、どっちからスタートするかで一日の流れはだいぶ変わります。白山以外にも日本海コース、加賀コースとそれぞれ18ホールあり、計54ホールを楽しむことができます。北陸最大規模のゴルフ場に、みんないっぺん来まっしね(~しまっしねは金沢の方言で~しなさい)。

片山津まで来て砂をためさでおくべきか

「極上の砂を試さでおくべきかっ!」片山津GC白山C/ゴルフ場Gメンが行く♯2
8番ホールのグリーン周り。バンカー横にある松がさらに難度を上げる

ご存じの方も多いと思いますが、白山コースと言えばやはり、アゴの高いガードバンカー(アリソンバンカー)が有名です。井上誠一、上田治に並ぶ、昭和のゴルフ設計家三傑のひとり・佐藤儀一が手がけた初めてのコースとしても知られています。6番、8番、12番、15番、18番など、印象深いガードバンカーが無数にあります。もっとも深い8番ホール左奥のガードバンカーは、その高さなんと5.8m。だいたい大谷翔平3人分です(ちょっとイメージしづらいかな!?)。

果敢にピンを狙うか、はたまたピンとは違う方向に出すか。スコアの傷を広げないためにも、ときに一歩下がる“勇気ある撤退”も求められるまさにガードバンカーです。今回話を聞いた小竹由則総支配人も「バンカーの深さもそうですが、さらに松の枝が行く手を阻むシチュエーションも多くあります。バンカーに入れること自体が1+1ペナなんです(アゴ+松)」と、痺れるコメント。さらにいえば、日本海から吹き付けるアゲンストの風で球が落とされるケースが多く、そうなると目玉になることが必至。ん~、話を聞いているだけでゾクゾクしてきますね。

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砂の話をもうひとつ。問題は「砂質」…

「極上の砂を試さでおくべきかっ!」片山津GC白山C/ゴルフ場Gメンが行く♯2
2番ホールのガードバンカー。早速、「大目玉を食らった」

片山津のバンカーの難しさは、アゴの高さ、松の枝、アゲンストの風だけではないんです。小竹総支配人の話を聞いていると、もう一つの理由が見えてきました。それはバンカーの「砂質」。そもそも全国のほとんどのゴルフ場が、バンカーの砂を“仕入れている”ことをご存じでしょうか。種類は海砂・山砂・川砂など。つまりその土地にバンカー用の砂があるわけじゃないんです。

一方、片山津GCは違います。もともとが「小松砂丘」という砂地にあるため、バンカーの砂が“自前”で取れるそうです。「地下25mまで掘っても同じ砂が取れます。やや赤みがかった褐色をしていて、その砂質はかなりキメ細かいんです」(小竹総支配人)。確かに取材時のラウンドを思い返すと、グリーンを狙ったショットがガードバンカーに着弾すると“目玉”になることが多く、砂にスポッと埋まっていました。ここのメンバーさんは目玉の打ち方上手いんだろうなと想像が膨らみました。

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6番ホールのガードバンカー。脱出に精一杯…

…と、片山津の砂がいかに難しいかを紹介しましたが、これだけの名物バンカー。せっかく来たのなら、ぜひ“砂遊び”を経験して帰ってほしい。敢えて入れろとは言いません。でも、もしバンカーに入ったのなら、そのサラサラな砂質を体感するだけでも土産話にはなるはずです。難しい状況からパーセーブでもした日には、向こう半年ぐらい周りに自慢できること請け合いですよ。

片山津の砂は他のゴルフ場から「売ってほしい」と言われるほどの上質らしく、法律の関係上で販売できないようですが、それほどの砂なら体感してみたいですよね。持って帰りたいって?甲子園の砂じゃないんだから、テイクアウトは厳禁ですよ~。

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旗の揺れを見るなど風のジャッジも求められる
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8番ホールからは白山の姿も見える
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6番ホールグリーン左のアリソンバンカーは入れたらやっかい

ドラマが生まれやすい上がり3ホールはやっぱり難しい

18ホールのうちのHC1は4番ですが、取材を進めてみるとやはり手ごわかったのは、16番からの上がり3ホール。バンカーだけではない、難攻不落である片山津の難しさを解説しますね。16番(531yd)は、グリーン周りに花道が無く、さらにアリソンバンカーに囲まれているため、そもそも2オンが厳しいパー5。2打目のレイアップも右OBが浅く、確実にフェアウェイに置かねばならないため神経を使います。3打目はグリーンに直接落とす正確なショットが求められ、少しでも当たりが悪いと、“砂堀”につかまります。

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16番ホールの3打目地点からの見た目。簡単ではない

17番(176yd)は、日本海に向かって打ち下ろしていく名物パー3。左の大きな池と右の3つのバンカーが効いていて、視覚的にプレッシャーがかかります。さらにやっかいなのが海風。ティイングエリアで風を感じなくても、松林の上空は必ずと言っていいほどアゲンスト。番手のジャッジが非常に難しい。左右どちらに外すのも嫌ですが、メンバーさんの多くは右のバンカーを特に嫌うそうです…(次打でバンカーから池に入れてしまいやすいから)。

最終18番(431yd )は比較的距離のあるパー4で、ティイングエリアからはバンカーが無数にあるように見え、視覚的なプレッシャーを感じます。ティショットの落とし所が難しく、2打目も距離がある上にバンカーが効いてくるのでとってもやっかい。ところが、不思議なことにグリーンに上がってからコースを振り返ると、あれだけたくさんあったバンカーが“無い”んです(巧妙に隠されて見えないようになっている)。このコースレイアウトの妙はぜひ体感してほしい。ホールアウト後、落ち着いたら、ティ方向を見るがやぞ(~がやぞは金沢弁で~しなさいよ)。

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18番ホールの2打目地点から。無数のバンかーが目に入る
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18番グリーンからティ方向を振り返ると…バンカーが消えた!

まさに要塞!の砲台グリーン ピンポイントで狙うスキルが必要

さて、片山津のグリーンはどんな特徴なのか。どのホールも基本は砲台で、左右どちらかのサイドはアリソンバンカーが待ち受けていて、その様はまさに要塞。ピン位置によって、球筋のシェイプも自ずと決まってくる印象です。

救いはグリーン上。奇をてらうようなウネウネ傾斜はなく、天然のアンジュレーションが特徴で、どちらかというと素直なライン。傾斜をしっかりと読み、タッチを合わせることができれば、きっと良い結果になるはずです。

「極上の砂を試さでおくべきかっ!」片山津GC白山C/ゴルフ場Gメンが行く♯2
18番ホールのグリーン上。素直なグリーンで朝からタッチが合えば結果はいいはず

バンGメンの「これは伝えたい!」ゴルフ場のプチ情報

白山コースは原則カート無しの歩き18Hラウンド。カート乗り入れOKなコースが増える中で、なかなか味があっていいですよね。まさに「芝質>利便性」、僕は好きです。思わずフェアウェイの芝をハムハムしちゃいたくなります~。なぜハムハムかですって?僕の特技は利き芝。芝を口に含むと芝質が分かるんですよ。以降お見知りおきを。

取材日の歩行距離はなんと12km!とっても健康的じゃないですか。歩くのはちょっと…という方でも、希望すれば天候次第で乗り入れカートも可能だそうです。

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11番ホール。フラットなフェアウェイを歩く
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18番ホール。ティイングエリアからのビューもバンカーが無数に
「キメ細かい極上の赤砂…ムズいけどクセになる」片山津GC白山C/ゴルフ場Gメンが行く♯2
いつ回っても芝質の良さに感動

・1室8名まで利用可能なVIPルームがある。ロッカー、ダイニングテーブル、お風呂があり、朝のスタート前の談話から、昼食時の利用、ホールアウト後のお風呂まですべてを過ごすことが可能
・駐車場からは2階建て、コース側からは4階建て。コース同様造成を行わず、地形に合わせてクラブハウスを建てたためこうなった。VIPルームや、専門の先生によるリラクゼーションルーム、会議室、託児所(改装中)など多くの部屋があるので、案内がないと迷子必至
・小松空港から抜群のアクセスを誇る一方、コース上空を飛行機が手に取るような高度で飛ぶのは見もの。時に小松基地に離着陸する航空自衛隊の戦闘機が飛ぶことも
・石川名物の金沢カレーを鍋焼きにしたカレーうどんが名物。おつまみにはバイ貝のうま煮がオススメです
・お風呂にサウナ付き
・日本海&加賀コースは乗用カートあり、日本海はセルフも可
・26年に日本女子プロ選手権開催予定
・姉妹コースが離れた場所にあり、クラブの宅配にはご注意を
・シャツの裾はINしまっしね

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名物の「金沢カレーなべ焼きうどん」
「極上の砂を試さでおくべきかっ!」片山津GC白山C/ゴルフ場Gメンが行く♯2
酒のあてに人気な「バイ貝のうま煮」

最後はバンGメンが切りとった片山津の写真をお楽しみください

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スタート前の練習グリーン
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VIPルームの浴室
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リラクゼーションルームも併設されている
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ウェルアウト!
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片山津はカモで有名な地。コースのロゴもカモ

さあ、プレーしてみたくなったかな?コース情報はこちらをCheck!

片山津ゴルフ倶楽部 白山コース

・18ホール パー72/7118yd(OUT・IN)/コースレート75.7
・設計者:佐藤儀一/丘陵コース/練習場あり:250yd/原則歩き
・グリーン:1グリーン/ベント(ペンクロス)/平均スピード9ft*9~11月の晴天時
・フェアウェイ芝:コーライ/ラフ芝:野芝
・バンカー数:220
・アクセス:北陸自動車道 片山津IC 約3分
・住所:石川県加賀市新保町ト1-1/TEL:0761-74-0810

GDO予約総合評価 ★★★ 3.3

「キメ細かい極上の赤砂…ムズいけどクセになる」片山津GC白山C/ゴルフ場Gメンが行く♯2
katayamazucb
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