ゴルフ日和

大人のわがままをかなえたい~筑波国際CC

2024/07/10 15:00
貸し切りサウナを備えたグランピング施設

ゴルファーは良くも悪くも、わがままな生き物だ。コースに出れば、自然という思うようにいかないものを相手にしているだけに、どうにかなるものはどうにかしたい、どうにかしてほしいという願いが強くなるのだろう。今年、開場50周年を迎える筑波国際カントリークラブ(茨城)はそんなゴルファーのわがままをかなえることをテーマに変貌を遂げている真っ最中。これまでにない新たなゴルフライフを提案している。

国定公園内に作られたダイナミックなコース

都心から1時間15分という好アクセスの筑波国際CCは筑波国定公園内に位置するゴルフ場。インコースはパワースポットとして知られる筑波山を臨み、アウトコースからは関東平野を一望できる。以前から首都圏のゴルファーには知名度の高いコースのひとつだったが、近年、20代の若さでオーナーとなった山本丈善氏のもと、大幅なリニューアルが進められている。

改革が進むコースを預かる中村好雄支配人

その中心となるのが昨年7月にオープンした貸し切りサウナを備えたグランピング施設「HOLE37」だ。中村好雄支配人は「18ホールを2回プレーしたら36ホール。その一つ先の37ホール目に究極の“ととのい”が待っている。そんなコンセプトを込めたネーミングです」とオーナーの思いを代弁する。最大で6人が宿泊できるトレーラーハウス型のグランピング施設が2棟。それぞれに専用のサウナが用意されている。

サウナの窓から富士山が見えることも

サウナは機材にもこだわっており本場スウェーデン製の最新機種を採用。額縁をイメージしたサイズの窓からは「空気が澄んでいる日には富士山が見えます」。ドラム缶“水”風呂も非日常を感じさせる。本来は宿泊者のための施設だが、予約が埋まっていなければ、ラウンド後にサウナだけを利用するプランも用意している。

サウナ→水風呂→外気浴のフルコースを貸し切りで楽しめる

また、グランピングの大きな楽しみであるバーベキューは、常陸牛など地元茨城の食材がふんだんに使用される。ガスグリルはこれまたこだわりの「Weber」製。アウトドア好きならば、おそらく誰もが耳にしたことのある米国の人気ブランドだ。さらに締めには茨城の名産品のひとつである蕎麦をセレクト。贅沢な時間を過ごせるのは間違いないだろう。

ビールサーバーも備えたキッチン。オプションで飲み放題も

ちなみにラウンド時の昼食はバイキング形式で、以前から名物メニューだったトンテキが食べ放題。今春にはピザ窯を導入し、本格的なピザメニューも加わった。「バイキングとはいえ、ずっと同じ内容では飽きられてしまいますので、常に新しいものを考えています」。ここでもゴルファーのわがままをかなえる変化、変革が続けられている。

カート乗り入れで山岳コースも楽々プレー

宿泊時には午後3時から1時間30分、ゴルフ場を貸し切りでプレーすることもできる。「通常プレーの最終組がスタートした後なので、同じホールを繰り返しプレーしてもいいですし、ずっとグリーン周りで練習をしていただいても構いません。ファミリーの場合はゴルフをせずに、お子さんが芝生の上を駆け回っていたりもしますね」。いわゆる山岳コースのため、ホールの左右は谷になっているホールが多い。隣のホールからボールが飛んでくる心配がないため、子供を安心して遊ばせられるという思わぬメリットもある。

子供たちが喜ぶという2段ベッド。大人も童心に返れる?

前日はみっちりアプローチを磨いて、サウナで体調を整えて、翌日のラウンドに備える。ゴルファーならば、こんな1泊2日を思い浮かべるだろうが、実際にはそうした利用は多くないのだという。「お客さまに話を聞くと『“サウナ”“貸し切り”というキーワードで検索して見つけました』という方が多く、ほとんどの方がラウンドはされません。もちろん、そうしたお客様も大歓迎なのですが、我々はゴルフ場ですから、今後はもっとゴルファーの方にも利用していただきたいと考えています」

本来はゴルファーのわがままをかなえるために作られた施設。これをサウナ好きに独占されるのはなんとももったいない。筑波国際に限らず、近年は多くのゴルフ場がさまざまな新サービスを立ち上げている。あなたがいつもプレーしているコースにも、そんなもったいない話が転がっているのではないだろうか。