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【ゴルフ場毒虫シリーズ】夏の大敵・蚊は感染症も怖い…

2019/08/09 14:51
夏のゴルフは虫刺されに要注意! 今回は蚊について調査した

暦の上では立秋を過ぎたが、夏は真っ盛り。自然に囲まれたゴルフ場でのラウンドは気分が高まるもの。しかし、気を付けないといけないのが、虫。木陰に打ち込んでボールを探していたら、いつの間にか何かに刺され、かゆくて集中できなくなったなんてこともあるのでは? 兵法書の孫子には「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」としるされている。ゴルフ場によく出る虫について、あなたはどれだけご存知ですか?

刺されたくないならアルコールは控える

ゴルフ場にも多く出るヒトスジシマカ(画像提供:アース製薬)

夏の大敵と言えば蚊。知らぬ間に何カ所も刺されていたなんてことも多い。

蚊は水分があるところに卵を産んで、10日~20日ぐらいで成虫になる。代表的な種類としては、夜に耳元でブンブン飛び回ってくるアカイエカ、ビルが立ち並ぶオフィス街で年中飛び回っているチカイエカ。そしてゴルフ場にも多く、昼から夕方にかけて活動するヤブ蚊(ヒトスジシマカ)だ。

ヤブ蚊は体長4.5ミリ程度で、アカイエカ、チカイエカより1ミリ程度小さく、黒と白のシマシマ模様が特徴。害虫防除技術研究所の白井良和所長によると、「ヤブ蚊は青森以南に生息していて、東北地方やそれより北の北海道だとヤマトヤブカが森や林に住み着いています」とのこと。活発に活動するのが気温26度~32度ぐらいということだが、逆に35度を超えるような猛暑日になると、吸血しないという説もある。そのため、「ゴルフ場だと木陰や日陰に潜んでいるので、刺されやすいでしょう」となるわけだ。どうしても蚊が嫌なら、活動をしない炎天下にプレーするのが一番だが、一方で熱中症だけは十分に気を付けたい。

ご存じの方もいるかもしれないが、オスは人を刺さない。実はメスが、産卵の時期に吸血する習性があり、人にまとわりついてくる。その際、人が発する二酸化炭素、皮膚の臭い、温度に反応して寄ってくる。特にゴルフだと、ラウンド中にアルコールを飲んで、息が上がって、汗をかいて、体温も上がって…となると、格好の餌食になる。「蚊に刺されたくない」と思うなら、ラウンド中のアルコール摂取は控えた方が良いだろう。

体質でかゆみが変わってくる!?

ハエ、ハチと比べてみると、やぶ蚊の小ささが良く分かる

蚊に刺されてかゆみが生じるのは、蚊の唾液に含まれている成分によってアレルギー反応が起こるから。そのアレルギー反応は即時型と遅延型に分かれるが、刺されてすぐにプクッと患部が膨らむのが即時型。これは数時間でかゆみが収まるものが多い。

一方、数時間おいてから赤くなってかゆくなるのが遅延型。こちらは数日から1週間くらいかゆみが残る。アレルギー反応は年齢や体質によって変わってくるが、年齢を重ねると遅延型になったり、反応がなかったりする。若い人は即時型の反応が多いようだ。

白井所長は「(かゆみの度合いは)唾液の違いにより、その人のアレルギー反応が異なることがあります。この蚊がかゆいとか決められるものではなく、唾液は毒素でもありません」と指摘する。「ゴルフ場の蚊は家で刺されるよりかゆい」というようなことは絶対ではなく、体質による個人差があるようだ。

怖い感染症はほとんど蚊が媒介

蚊のアレルギー反応については時間が経てば治ることも多いが、それ以上に怖いのが感染症の恐れがあることだ。

2016年のリオデジャネイロ五輪の際に話題となったジカ熱、2014年に日本でも感染例が出たデング熱、昔から良く聞く日本脳炎は、蚊を介して重い症例が出たケース。厚生労働省に確認したところ、現在国内で注意しなければいけない感染症は発生していないとのことだが、海外ではアジアやアフリカ圏での感染症が見られる。感染症にかからないためにも、蚊に刺されない対策はしっかり立てると良いだろう。

効果的なのは、肌の露出が減るような服装にすること。虫は素肌を狙ってくるので、長袖のウェアや肌を隠すタイツなどで極力、露出を避けると良い。最近では虫よけになる生地を使ったウェアもあるので、探してみてはどうだろうか。また定番の虫よけスプレーや、虫よけ用のリストバンドなども効果があるようだ。