確実にカップインするゴルフボール!? 日産自動車が製作
どんなに長いパットでも「確実にカップインするゴルフボール」を日産自動車が製作し、29日(木)から横浜市西区の日産グローバル本社ギャラリーで一般向けの体験会を開催している。
ボールの名は「ProPILOT GOLF BALL」(プロパイロット ゴルフボール)。同社は4歳の子どもがボールをパターで軽く打つだけで次々とロングパットを沈める動画を22日に公開し、YouTubeでは1週間で20万回近く再生された。
このボールがモチーフにしたのは、9月に発売される新型スカイラインに搭載される自動運転システム「プロパイロット2.0」。高精細度地図データ、カメラやレーダーによる情報と連動し、高速道路の本線走行中に目的の出口までハンドル操作を不要にする技術だ。
ボールがカップインする仕組みとしては、グリーン上方に設置されたビデオカメラがボールとカップの位置を認識。3つの中継ポイントを通るルートが設定され、カップに向かって順番に通過するようにボールの内部に組み込まれたセンサーへ指示が送られるというものだ。
ゆらゆら転がりカップイン
パットをする際には「軽く、押し出すように打ってください」と言われた。パターのフェース面にはスポンジがついており、実際のゴルフのパッティングと状況は異なる。指示通り軽く打ち出すと、弧を描くようにゆっくりとユラユラ転がりながら、見事カップイン。10m以上の距離があったが、ワンパットでねじ込めた。
ただ、ゴルフボールのコアにあたる中央部分には、本物とは異なり、信号をキャッチするセンサーや駆動するための精密機械が搭載されている。パッティング前にルートが設定され、中継ポイントを必ず通るようにナビされるため、ボールはユラユラと目的地を探すような動きとなる。また、強い衝撃を与えると誤作動が生じることもあり、ラインを外れてカップに届かなかったり、カップの周りをクルクル周回してしまったりと、「軽く打つ」ということが絶対条件のようだ。
ゴルフとドライブの共通点
この試みは、車に興味がないユーザーに日産の技術を分かりやすく知ってもらうため、より身近なもので表現する「TECH for LIFE」の一環。担当の松村眞衣子さんは今回ゴルフを選んだ理由として、目的地をセットしてその場所に確実に到着することを支援する技術と、カップという目的地を確実に目指すことが求められるゴルフのイメージが一致したことを挙げた。
今後、実際のコースで使用できるような商品化は予定されていないが、機会があればこのシステムを使い、各地でイベントを実施したいという。
日産グローバル本社での体験会は9月1日(日)まで、各日午前10時~午後8時に参加費無料で開催される。