洗濯王子が解説!撥水性もこれでキープ【レインウェア編】
気に入って購入したゴルフウェアだから、大切に長く着用したい―そんな風に考えているアマチュアゴルファーは多いのではないでしょうか?全3回に渡り、自宅でできるゴルフウェアのクリーニング方法をご紹介します。解説してくれたのは、メディアや雑誌で人気の“洗濯王子”こと、洗濯家の中村祐一さん。今回は『レインウェア編』です。
――秋の長雨シーズンが到来します。レインウェアもアイテムとして洗濯を迷うところですが、撥水機能を保つケア方法はあるのでしょうか?
いかに耐水性能が高いゴルフ用のレインウェアであっても、着用・洗濯を繰り返せば、撥水効果は確実に弱まります。それでも、汚れの付着は機能低下の大きな要因となるので、洗濯は効果持続においてとても重要になってきます。レインウェアは家庭用洗濯機で洗うことはできますが、脱水時に振動が大きくなることがあるので注意します。柔軟剤は撥水効果を弱めてしまうため、使用を控えましょう。
洗濯の際に使用する洗剤は、粉末、液体、おしゃれ着洗剤(洗浄力の強い順)のいずれも使用できますが、レインウェアでは特に、洗濯タグを確認し、素材に適した洗濯方法を確認するべきです。
一般的に撥水性素材は、繊維に加工がされているものが多く、熱を与えてあげると、機能が戻ることがあります。表面が整っていない状況では水を弾きにくいため、付着した汚れを落とすだけでなく、ドライヤーなどの熱風を当てたり、アイロンを当てたりすることが効果を発揮するのです。ただし、合成繊維などの場合は、アイロンを当てる際に注意が必要。素材が熱によって溶けてしまうこともあるため、低温かつ、あて布をすることで生地の損傷を防ぐように気をつけましょう。
<メーカーの回答>
松山英樹選手が着用するスリクソンのレインウェア「MOVE MASTER」を開発したダンロップスポーツマーケティングの販売企画部の松川由花さん
「洗濯機を使用する場合、ファスナーやボタン部分はすべて閉じ、洗濯ネットに入れる。洗剤は家庭用中性洗剤を使用し、ぬるま湯で洗うと効果的です。洗濯後は、脱水はせずにタオルで水分をふき取り、ハンガーに吊るして保管します。洗濯機を使用しない場合は、タオルなどで水滴や汚れをふき取ると良いでしょう。汗や泥汚れは、ぬるま湯や薄めた洗剤液をつけて、よく絞ったタオルでふき取る。汚れを取り除いたあとは、市販の撥水スプレーなどを使用し、日の当たらないところで保管しましょう」
■ 洗濯家・中村祐一 プロフィール
長野県のクリーニング会社「芳洗舎」3代目。「洗濯王子」の愛称で、テレビ・雑誌など各種メディアに出演多数。「洗濯からセカイを変える」を合言葉に、洗濯から考える暮らし方の提案を行い、一般家庭をはじめ、住宅関連メーカー、家電メーカー、アパレルメーカーなどへもアドバイス。衣服と関わる様々な分野の改革に取り組む、日本を代表する洗濯家。洗濯家・中村祐一公式サイト