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洗濯王子が解説!保湿or乾燥を使い分けて効果的ケア【グローブ、キャップ、シューズ編】

2019/11/12 12:00

気に入って購入したゴルフウェアだから、大切に長く着用したい―そんな風に考えているアマチュアゴルファーの方は多いのではないでしょうか?全3回に渡って紹介してきたゴルフウェアの自宅でできるクリーニング方法。最終回は『グローブ、キャップ、シューズ編』をお届けします。メディアや雑誌で人気の“洗濯王子”こと、洗濯家の中村祐一さんが解説します。

――ゴルフグローブには天然皮革、人工皮革といった素材があります。黒ずみや、汚れ、雨で濡れてしまった時のケア方法、長持ちさせるコツはありますか?

天然皮革の場合は水に濡れると、油分が失われてしまうため、革用のオイルをつけて保湿してあげることが重要です。革用のオイルや肌につける化粧水を、濡れている状態の時に塗ってあげると柔らかくなります。洗濯の際も油分は必ず補ってあげることで長持ちします。また、天然皮革の製品は色移り、色落ちがしやすい上、きめに汚れが入り込んでしまうと落としにくいため注意が必要です。

一方、人工皮革のグローブは洗濯機で洗うことは可能です。ただしシワになりやすいため、脱水時間を短くしたり、形をきちんと整えて干すことが重要です。まれに樹脂加工されているものでは、劣化やひび割れが早まる可能性があるので、購入時期なども考慮してケアすることをおすすめします。洗剤は洗浄力が穏やかなおしゃれ着用がベストです。

――キャップ、サンバイザーは洗濯機に入れても大丈夫?

汗染みやファンデーション汚れは、洗剤を染み込ませて部分洗いをしてから洗濯機に入れることで、汚れを落としやすくします。キャップやサンバイザーなど、つばが折れてしまうことが懸念される場合は、洗濯機の「やさしく洗える」水流モードに切り替えてあげるか、脱水のみを洗濯機で行い、形を整えてから陰干ししてください。

――1日履いたゴルフシューズ、家に帰ってすぐに行った方が良いケア方法を教えてください。最近では洗濯機に入れてOKなゴルフシューズ(スパイクレス)もあるようで…。

基本的にシューズは丈夫にできているので、取り扱い説明書に洗濯機OKと書いてあれば、洗濯機に入れて洗うことができます。ただし、奥に入り込んだ泥汚れ、黒ずんだ汚れは落ちにくいので、靴用タワシなどで部分洗いしてあげると良いでしょう。

プレー後は水を含ませたタオルで汚れを落としてあげること、帰宅後は一般の靴同様、ブラシで汚れを取り除いてあげてください。それでも落としにくい汚れの場合は、おしゃれ着用洗剤を10倍程度に薄め、食器用スポンジで立てた泡で表面を洗ってあげると、水拭きだけでは落ちなかった汚れを落とすことができるので、ぜひ試してみてください。

また、帰宅後は必ずシューズケースから取り出し、風通しの良いところで、靴の中の湿気を確実に取り除いてください。そのまま放置するといやなニオイの原因にもなります。最近ではシューズドライヤーなども販売されていますが、扇風機を利用しても良いと思います。

――3回に渡ってご紹介してきたゴルフウェアの洗濯方法。洗濯のプロ・中村さんが教える、知っていると役立つ“裏技”を教えて下さい。

基本的に、紫外線は衣類にとって良いものではありません。繊維が傷んだり、色褪せを早めたりしますが、白いポロシャツに付けてしまったカレーやミートソースの染みには有効です。洗剤で軽く部分洗いしたあと、完全に染みが取り除けなくても、紫外線に当ててあげることで色素を分解してくれます。乾いたあとにまだ色が完全に抜けていない場合でも、時間の経過とともに、分解されていくはずです。

<メーカーの回答>

アクシネット ジャパン インク タイトリスト事業本部 マーケティング部の山下さん、フットジョイ事業本部 マーケティング部の清水さん

■ グローブ:

グローブを外したら、形を整え、親指部分をグローブの手の平側へ折り、平らに整えます。グローブが濡れている場合は、タオルの上に置き、乾かしてから形を整えます。最後に、パッケージに戻して型崩れしないように保管します。また、同じグローブをたて続けに使用すると、劣化が早まります。ラウンド中、またはラウンドごとに別のグローブを交互に使用することで、それぞれがより長持ちします。
※水洗いは変形・フィット感の変化につながるため、タイトリストでは推奨しておりません。

■ ヘッドウェア:

基本的に中性洗剤で手洗いによる水洗い可能。洗ったあとは水気を簡単に振り払って、陰干しするとシワになりにくいです。使用毎の水洗いを推奨します。

■ シューズ:

天然皮革のドロ汚れについては、シューズを水につけてよく湿らせてからレザー用のシューシャンプーで汚れを洗い落とします。洗った後、型崩れしないようシューズの中に紙や布を、形を整えながら詰め、風通しのよい日陰で乾かして下さい。乾燥後、シューズクリームで保革し、ツヤを出して下さい。人工皮革の簡単な汚れは、柔らかい白い布で水拭きをするだけで汚れが落ちますが、汚れのひどい場合はシューズを水につけてよく湿らせてからシューシャンプーをかけ、汚れを洗い流してください。

■ 洗濯家・中村祐一 プロフィール

長野県のクリーニング会社「芳洗舎」3代目。「洗濯王子」の愛称で、テレビ・雑誌など各種メディアに出演多数。「洗濯からセカイを変える」を合言葉に、洗濯から考える暮らし方の提案を行い、一般家庭をはじめ、住宅関連メーカー、家電メーカー、アパレルメーカーなどへもアドバイス。衣服と関わる様々な分野の改革に取り組む、日本を代表する洗濯家。洗濯家・中村祐一公式サイト