topics

洗濯王子が解説!ウール・カシミアを長持ちさせるには?【冬物衣替え・前編】

2020/03/09 11:30
大事なニットはしっかりケアして、長持ちさせよう※画像提供:芳洗舎

記録的な暖冬となった日本列島。この暖かさを利用して、例年よりも冬ゴルフを楽しんだという方も多いのではないでしょうか?本格的なベストシーズン到来の前に、そろそろ春物への衣替えを済ませておきたいところ。クローゼット入れ替え前に、自宅でできる冬物のクリーニング方法をご紹介します。解説するのは、メディアや雑誌で人気の“洗濯王子”こと、洗濯家の中村祐一さん。前編では、ニットを取り上げます。

ニットを入れる前に、洗剤はしっかりかき混ぜておくのがポイント※画像提供:芳洗舎

――ゴルファーがポロシャツの上に重ね着する冬の定番アイテムとしては、ニットが一般的です。最近ではさまざまな色柄や、素材で販売されています。お気に入りのニットを長く、気持ちよく着るためのポイントとは?

「ウール」や「カシミア」といった天然素材は、保温力に優れる一方で、型崩れや縮みが起こりやすい性質があります。逆にアクリルやナイロンは型崩れしにくく、縮みにくい性質のものもありますので、洗濯の際は素材による“洗い分け”が必要となってきます。手洗いなのか、洗濯機を使用できるかは、風合いを損なわないために、必ず洗濯表示を確認することをお勧めします。

――ニットの型崩れや色落ちを防ぐ洗濯方法を教えてください。柔軟剤は必ず使用したほうがいいのでしょうか?使用した場合はどういうメリットがあるのでしょうか?

ウールが縮むのは、水に濡れたときに繊維の表面が開き、それが絡み合うことで縮んだり、硬くなったりすることが原因です。風合いを変えないために、水の中ではできるだけ動かさず(洗剤液の中にいれたら軽く押す程度)つけておきましょう。

泡がなくなるまでしっかりとすすぐ※画像提供:芳洗舎

洗濯時間は5分くらいで。汚れがひどい場合でも10分が目安となります。つけすぎは繊維の広がりの原因となりますので注意してください。奥に入ったほこり(洋服ブラシでほこりをとる)、染みなどは下処理や部分洗いが必要ですが、汗などの汚れはつけておくだけで浮いてきます。また、全自動洗濯機を使用する場合は、“やさしいモード”を選択し、おしゃれ着用洗剤を使用してください。

柔軟剤は、着用時の着心地や静電気防止になりますが、必ずしも使用しなければいけないものではありません。おしゃれ着用洗剤には、繊維を保護する成分があり、それだけでも十分、柔らかく仕上がります。また、天然素材は急激に乾燥させると縮みやすい性質がありますので、乾燥機の使用は控えたほうがいいでしょう。

干すときは、伸びないように(特にアクリルは伸びやすい)平置きし、直射日光を避け、陰干し(室内干し)するのがお勧めです。

型崩れを防ぐには、平置きで整えて干す※画像提供:芳洗舎

――温かく柔らかな風合いのカシミアなどの高級素材も、ファストファッションブランドで販売され、消費者の手に取りやすくなりました。特に気をつけなければいけないポイントは?

光沢があり、とてもや柔らかいカシミアといった高級素材も、ウールと同じ扱いで洗濯してください。ただし、カシミアの滑らかさは、もともと素材が持っている油分が、柔らかな風合いとなっており、その成分を取りすぎてしまうと、繊維にパサつきが出てしまいます。その場合には、柔軟剤の代わりに、髪用のトリートメント剤をぬるま湯にしっかり溶かし、少しの時間つけておくことで、油分を補うことができます。

洗濯とは、アイテムが代わっても、基本的な工程は変わりません。汚れがひどい場合には、下洗いをして、汚れがなくなるまでしっかりとすすぐ。すすぎのあとの「加工」(柔軟剤、洗濯のり)というひと手間が、仕上がりを左右します。ぜひご家庭で洗濯する際は、試してみてください。

<参考>ウェアメーカーにも教えてもらいました
「ZOY」、「WAAC」(今春展開予定)を取り扱う株式会社タキヒヨーMD 蒲生亮介さん

「自宅でケアするなら、中性洗剤でおしゃれ着洗いを使用し、手洗い平干しを推奨しています。カシミア、ウール100%は衣服用のブラシで軽くブラッシングしてあげると、毛玉ができにくくなります。また、ウォッシャブル加工を糸にかけているものは、洗濯ネットに入れ、洗濯機での脱水を極力弱くして日陰、釣り干し可能なものもあります。」

■ 洗濯家・中村祐一 プロフィール

長野県のクリーニング会社「芳洗舎」3代目。「洗濯王子」の愛称で、テレビ・雑誌など各種メディアに出演多数。「洗濯からセカイを変える」を合言葉に、洗濯から考える暮らし方の提案を行い、一般家庭をはじめ、住宅関連メーカー、家電メーカー、アパレルメーカーなどへもアドバイス。衣服と関わる様々な分野の改革に取り組む、日本を代表する洗濯家。洗濯家・中村祐一公式サイト