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洗濯王子が解説!翌シーズンまでダウンの“ふんわり感”キープ【冬物衣替え・後編】

2020/03/18 11:30
襟やフード周りは全体を洗う前に、部分洗いする※画像提供:芳洗舎

本格的なベストシーズンである春到来の前に、衣替えは済ませておきたいもの。前編では自宅でできるニットのケア方法をお届けしましたが、後編はダウンや中綿ジャケット、ウィンドブレーカーなど、アウターのケア方法についてご紹介します。メディアや雑誌で人気の“洗濯王子”こと、洗濯家の中村祐一さんにお話を伺いました。

――ダウンジャケットや、中綿入りジャケットも冬ゴルフには欠かせないアイテムとして人気があります。肌に直接触れるものではありませんが、来シーズンに気持ちよく着用するためにはどんなケアをしたら良いですか?

貯めた水に洗剤液を入れてかき混ぜておき、押し洗いする※画像提供:芳洗舎

ダウンは洗い方よりも、“乾燥の仕方”が重要なポイントとなります。ふんわりとした形をキープするため、仕上げにもっとも良いのは、乾燥機を使用することです。ダウンや中綿ジャケットは空気を多く含むために浮力が強く、縦型の洗濯機ですとどうしても浮いてきてしまうので、おしゃれ着洗剤で手洗いするのが良いでしょう。

特に袖口や襟など、汚れの付きやすいところは、全体を洗う前に部分洗いが必要です。洗濯ブラシや、研磨剤の入っていない食器用のスポンジなどを使用し、やさしくこすってあげると良いでしょう。脱水は洗濯機で3分程度。途中で止めて、ダウンをほぐすと片寄りやシワを防げます。

――前回のニットと同様、押し洗いでやさしく汚れを取り除いたあと、脱水をかける手順までは理解しました。ポイントとなる乾燥の仕方を具体的に教えてください。

仕上げに乾燥機に入れれば、ふんわりとした風合いが取り戻せる※画像提供:芳洗舎

風合いを保つために、“乾燥の仕方”が重要なポイントであることは先に述べました。乾燥機の用途は、衣類を乾かすためと思われがちですが、実は「仕上げ機」としての役割、使い道もあるんです。乾燥機の温風と叩き効果が、空気を含ませることにもっとも適していると言えます。ダウンジャケットや中綿ジャケットにも有効ですね。

脱水後、形を整えながら陰干しする方法だけですと、膨らみが戻りにくいので、干したあと、仕上げに乾燥機で10~20分まわすとふんわり感が戻ります。ご自宅に乾燥機がない場合は、ドライヤーを当てながら、手でポンポン叩くことも、ある程度ですが効果があります。

収納時は、ボリュームをキープした状態で保管できればベストですが、収納中につぶれてしまった場合は、翌シーズン着用の前に乾燥機に入れてあげると、ふんわりとした風合いを取り戻せます。

陰干ししただけの状態(写真左)と比べるとその差は歴然!※画像提供:芳洗舎

ニットも、濡れている状態から乾燥機に入れると縮みますが、いったん完全に乾かしてから乾燥機に入れると縮まずふっくら、ふんわりした風合いになります。

――ウィンドブレーカーなどのポリエステル、ナイロン素材の洗濯方法を教えてください。

ポリエステル、ナイロンといった素材は強度があるため、デリケートな製品ほど気にせず洗濯することができます。特に、袖口、襟の汚れや、化粧品の付着、染みなどは下洗いをしておくこと。洗濯タブの表示を確認しながら行ってください。

撥水機能がある場合は、レインウエア同様、機能を低下させてしまわないように注意が必要です。ドライヤーや低温アイロンで熱を与えると、撥水機能が戻ることがありますので、試してみてください。

洗濯機に入れる前に必ず洗濯タブの表示を確認すること※画像提供:芳洗舎

前回は「加工」のひと手間が仕上がりを左右することをお伝えさせて頂きましたが、今回のポイントは「仕上げ」です。シャツにアイロンをかけるように、ダウンジャケットには乾燥機のひと手間をかけてあげると良いでしょう。

<参考>ウェアメーカーにも教えてもらいました
「JUN&ROPE(ジュン&ロペ)」を取り扱う株式会社ジュン プレス 高木香代子さん

ダウンジャケットはクリーニングを推奨しておりますが、ご自宅で洗濯する場合には、ネットに入れて、おしゃれ着用洗剤で押し洗いしてください。汚れや染みのある箇所は部分洗いし、脱水も洗濯機は使用せず、タオルで水分をふき取ったあと、形が崩れないように陰干しします。

ウィンドブレーカーは、着用後に布用消臭スプレーをかけて陰干しし、汚れが付着した場合は部分洗いします。このとき生地はなるべくこすらず、汚れを叩いて浮かしたあと、水で濯ぎます。袖の黒ずみ汚れは洗濯ブラシ、染みには市販の染み抜き液などを使用するのも良いでしょう。