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ゴルフ女子が急増中!? コロナ禍での施策がもたらす影響とは

2020/10/20 09:00

前年比140%増! 20~30代女性が増えた理由は?

近頃、ゴルフ場で若い女性を多く見かけるようになったと思わないか――。実は2020年3~9月の累計で、20~30代の女性来場者数は前年比約140%増加した(PGM調べ)というのだ。コロナ禍の影響で遠出はNG、しかも若者のゴルフ離れが囁かれていた最中…。なぜ、いまゴルフ女子が急増したのか!? その背景を探ってみた。

今夏のゴルフ場来場者数に異変が…(提供:Fast&Slow / PIXTA)

国内最大手で全国141コースを保有・運営するPGMによると、全体的に4~5月の来場者数は落ち込んだものの、徐々に回復を見せ、夏場には前年比を超える巻き返しを実現。特にこれまであまり伸ばすことができなかった女性層や20~30代の若年層の来場者数を大幅に増やし、新たな顧客として、予想以上の売り上げを伸ばせたという。

施策1.【スループレー】で 一日を有効に活用

上記データを提供してくれたPGM広報グループ担当者は「若年層や女性のお客様が増えた要因として、弊社が進めてきた3つの施策が影響していると考えられます」と、3つのポイントを挙げる。

「1つ目は、スループレー枠を積極的に増やしたこと。一日を有効に活用できるメリットが、女性を含めた若年層のゴルフに対する価値観を変えたように思います」

早朝スタートで昼前に終了という時間枠も人気の理由

スループレーがもたらしたゴルフに対するイメージの変化は大きい。ゴルフと言えば早朝から動き出し、帰宅は早くても夕刻。同伴者の送り迎えを含めると、必ず夜まで掛かるというのが相場であった。一日丸ごとゴルフでつぶれる。この懸念点の解消の流れがコロナ禍の影響で加速し、若年層を取り込むキッカケとなったようだ。

施策2.【NOドレスコード】で 堅苦しいイメージを払拭

「2つ目は、ロッカーでの滞在時間短縮のため、プレー時の服装での入場を推奨したこと。堅いドレスコードを止めたことで、女性を含めた若年層のお客様が気楽にゴルフ場へ足を運んでくれたと考えます」

ウェア以外に私服のコーディネートなどを考える手間が減少

ゴルフ場の服装のルールは、若年層の呼び込みとしてはボトルネックとなっていた。プレー中だけでなく、行き帰りのシーンでも気を遣う配慮が、逆に女性客としては煩わしさにつながっていた部分は否めない。コロナ禍の影響により、ドレスコード撤廃がもたらした影響は大きいと考えられる。

施策3.【ピンクティ】で 気軽に楽しめる設定が浸透

「3つ目は、コロナ禍以前より進めてきた施策ですが、“ピンクティ”と呼ばれるレディスティより距離の短い、初心者や小学生、飛距離に自信のない方向けのティが浸透したこと。ゴルフを始めたばかりの女性でも、気軽に楽しめるスポーツのひとつになったのではないでしょうか」

2018年にPGM全コースで運営を開始したピンクティ(提供:PGM/霞ヶ浦カントリー倶楽部18H)

3つ目の施策は、PGMがコロナ禍より前に進めていた、多くのゴルファーを受け入れるための対策。先の2つとは異なり、コロナ禍の影響で直接設けた施策ではないものの、18年にPGMの全コースに設置され、ここ1~2年の間で徐々に浸透してきた。若年層取り込みのために蒔(ま)いてきた種が、ここに来て開花した形と言えるだろう。

withコロナ時代の新スタイルになるか!?

担当者は最後に「新型コロナ感染防止対策をしっかり対応していることは言うまでもありませんが…」と締めた。PGMが仕掛ける3つの施策が、どこまで数値に反映されたかは測れないものの、来場者数を増やすキッカケをつくったことは事実だ。特に20~30代の女性ゴルファーが来場しやすいカジュアルな環境づくりが、withコロナ時代の幕開けとともに整いつつあると言えるだろう。