topics

“おひとりさま”に需要も コロナ禍で変化したゴルフ女子の動向

2020/10/27 11:45
来場者の増加が思わぬサービスの盛り上がりに影響(提供:ペイレスイメージズ1モデル/PIXTA)

全国でゴルフコースを保有・運営するPGMに調査によると3~9月のゴルフ場来場者数で20~30代の女性客が増えた。この動向に関連して予想外の変化が生まれている。“おひとりさま”、1人予約を利用する女性ゴルファーが増加したというのだ。ゴルファー自体の裾野が広がったと見るべきではあるが、それにしても「1人予約」は女性としてはハードルが高い。人気の理由と利用者の声を探ると、増加傾向の背景にはコロナ禍の時期も関係があるようだ。

女性向け1人予約 人気のポイントは?

1人予約のセッティングサービス「「golco(ゴルコ)」は今年5月中旬、ちょうど緊急事態宣言が解除された直後からサービスを開始し、9月末までの約4カ月間で、2017年10月から1年間で応募した会員492人を上回る、535人が新たに入会したという。

会員登録も利用料も現在なら無料の「golco」

「golco」を運営する株式会社CURUCURU(キュルキュル)の関香織さんは、「以前より確実に1人予約への興味・関心が高まっていると言えます」と、女性ゴルファーの趣向の変化について言及する。

「サービス会員様の登録理由で多かったのが、『コロナの影響で友人と行けなくなったから』『自由な時間が増えて好きな時にゴルフに行きたい』など、コロナ禍の影響が少なからず大きいと言えます。『3密』を避ける動きが、一人になる時間を増やし、ゴルフを好きなタイミングでプレーしたいという声に反映されたように思います」

ゴルフはそもそも個人競技、しかも野外スポーツ。「3密」を避ける動きによって再評価されたことは、男性だけでなく、女性ゴルファーの視点からも良い方向に反映された形で表れたと言えそうだ。

利用者の傾向 どんなタイプが多い?

「登録者の【ゴルフ歴】を見ると、5年以下という人が計56%と過半数を超えていて、【平均スコア】で一番多い『101~110』という結果を見ても、意外と始めたばかりの人が多いことが分かります」

女性登録者の割合(CURUCURU調べ)。意外と初心者が多いのが分かる

「これまで1人予約を利用していた女性は、定期的にラウンドする中上級者が多かったと思うのですが、弊社サービスに登録してくれた人は多くて月1回。気候の良いシーズンだけゴルフに行くレジャー感覚のライトユーザーが増えたものと思います」

「また登録者の未婚と既婚の割合は、5:5になります。若い層と聞くと、未婚者のイメージが強いと思いますが、意外と既婚者の数も多いです。考えられる理由は、ゴルフはしたい、だけど夫以外の知らない男性と回るのは嫌、というもの。女性同士で安心して仲間を集め、ラウンドするという形式は、“おひとりさま”既婚者にとって好都合なのかもしれません」

女性向け1人予約サービスの登録者の傾向から、“おひとりさま”需要のキーとなっていたのは「ライトユーザー」と「既婚者」ということが分かった。それぞれの理由から新たなゴルフ観が生まれ、利便性を求める人たちの需要が1人予約に注がれたものと思われる。

コロナ禍が変えたゴルフ女子を取り巻く環境

一過性の流行か、それとも継続的な流れか

5月に緊急事態宣言が解除されてから、約5カ月が経過した。現在もソーシャルディスタンスが推奨され、大勢で行動することが制限される中、ゴルフを取り巻く環境も大きく変化した。スループレーや脱コンペの流れが加速する一方で、女性が一人で気軽にプレーできる環境になった側面も見えてきた。若年層や女性客自体の増加を足掛かりに、“おひとりさま”ゴルフ女子が増えていく流れは、今後も継続していくのかもしれない。