「ナイッショ!」のベストなタイミングはいつ!?
同伴者のティショットで「ナイッショ!」と声をかけたのに、「ナイッショではないよ!」と言い返された…なんて失敗が誰にでもあるのでは。打ち出し直後に爽快感を湧かせる感じが良いのか? フェアウェイキープを見届けた後がベストなのか!?
知っているようで意外と知らない「ナイッショ!」のタイミングや、理想的な振る舞い方について、ゴルフマナーの向上推進を目指すというゴルフマナージャパン研究所代表・山本眞理子氏に見解を聞いた。
理想はタイミングを使い分ける人
山本氏はまず、タイミングについて「結果が明確に判断できる状態、ボールが着地した時点が的確だと思います」と述べる。
「良いショットを放った相手に対する言葉として、自分本位にならないことが重要です。相手をリスペクトした声のかけ方として、何に対する称賛かを明確にしましょう。良い当たりをしたことに対してなのか、次打でグリーンを狙える位置に打てたことに対してなのか。スマートなゴルファーほど、プレーヤーのレベルに応じてタイミングを使い分けていますよ」
ボールを見失っても無言はNG
ボールの行方を見失って落ちどころが分からない場合は、「ナイッショ!」は言わなくて良いものなのか――。
「ボールを見失った場合、自信を持って真っ先に言う必要はありませんが、他の同伴者が『ナイッショ!』と言っているのであれば、同じように続けることが望ましいです。“褒め上手はラウンド上手”。何も言葉を発しないよりも、反応を示すゴルファーのほうが印象は良いです。ただし、2サムや同伴者が反応しなかった場合は、曖昧な発言を避けることも正しい選択。着地点に行って良い結果であることを確認してから、『今のすごいショットでしたね』と改めて褒めてみましょう」
ミスショットは沈黙がベスト
「ナイッショ!」とは逆に、OBを見てしまったときはどう声をかけるべきか――。
「『あー残念』『いい当たりだったのにー』といった言葉は禁句です。ティショットを放ったプレーヤーの気持ちを、逆なでしてしまう場合が考えられます。沈黙は気まずいといった余計な心配は不要です。ここは黙って悲しい表情をしておきましょう。スマートな人ほど出るときは出る、引くときは引く。状況や雰囲気を把握しているゴルファーこそ、愛されるゴルファーだと思います」
実は「ナイッショ!」より「グッショ!」が◎
最後に山本氏は、「実は日本で定着している『ナイスショット(Nice Shot!)』よりも『グッドショット(Good Shot!)』がおすすめです」と付け加えた。
「『ナイッショ!』はそもそも和製英語であり、英語圏では“Nice”はモノや人柄に対して使うことが多く、スポーツの結果としては“Good”が適しています。マナーを理解した上で、『グッショ!』をプレーヤーに応じて使い分けてみましょう」
■ 山本眞理子(やまもと・まりこ) プロフィール
ゴルフマナージャパン研究所代表。慶應義塾大学文学部卒業後、航空会社(JAL)国際線客室乗務員を経て、客室訓練部(邦人・外国人客室乗務員)教官、文部科学省後援マナー・プロトコール検定の検定試験審査委員を務める。大学非常勤講師として、マナーや接遇、コミュニケーションを指南。日本ゴルフジャーナリスト協会にも所属。