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驚異の身体能力!松坂・内川・福留 プロ野球界のスイングをチェック

2022/12/21 12:00
年末特番「お宝争奪!頂きゴルフ」(BSテレ東)より

ゴルフ好きが多いプロ野球界、圧倒的な身体能力と抜群の運動神経を持ち合わせているだけに凄腕のゴルファーも少なくない。今回は「お宝争奪!頂きゴルフ」(BSテレ東/27日 19時54分~)に出演するプロ野球OBの3人、松坂大輔、福留孝介、内川聖一のスイングをプロコーチの堀尾研仁が分析。彼らのストロングポイントとともに、野球経験者によく見られる癖を指摘する。一般のアマチュアゴルファーにとっても参考になるポイントがあるはずだ。

ピッチングフォームとの共通点 松坂大輔

平成の怪物…ゴルフの腕前は?

テークバックでは体重移動を使わずにセンターで体を回し、切り返しでは左に体重移動しながらタテにクラブを下ろしていくスイングです。インパクト以降は体の右サイドを目標方向に送り出すことで体を回転させています。体をゆすったりせず、プレート上でねじりを作り、目標に向かって踏み込んで体を回転させるという意味ではピッチングフォームと共通点の多いスイングだと思います。

トップではシャフトがクロスしているため、クラブが遅れてくるのですが、上体を起こして、リリースを助けることで、フェースをターンさせています。腕のさばき、クラブのさばきがうまい、手先の器用さを感じさせるスイングではあるのですが、毎回タイミングを合わせるのはいくらトップアスリートといえども難しいでしょう。トップを修正して、インパクトで上体を起こす必要のないスイングを身につければ、より安定性が増すと思います。

胸のねじれを使ったテークバック 内川聖一

伝説の右打者…ゴルフの腕前は?

内川さんのいい点はテークバックの初期段階で腕のねじれを抑えて、胸のねじれを使ってクラブを上げている点です。これができると自然に左腕の回内と右手の背屈がセットで発生します(フックグリップの場合は左手の掌屈と右手の背屈)。もったいないなと思うのはここからトップが高い位置に収まり、フライングエルボーの傾向があることです。野球とは違い、ゴルフではボールが地面にあるのでタテ振りのイメージが強いのではないでしょうか?

もし、私が内川さんにレッスンをする機会があったらフラットなトップを作るようにアドバイスします。練習では上体を起こして腰の高さのボールを打つことで、水平にクラブを振る感覚をつかむのが第一歩。骨盤から前傾してゴルフのアドレスを作っても、同じ感覚でスイングすれば、自然と右ヒジが浮かないフラットなトップが作れるはずです。

切り返しではスクワットする 福留孝介

元ドラフト1位野手…ゴルフの腕前は?

腰が左右にぶれず、センターで回っているのが福留さんのいいところです。切り返しではスクワットのような動きでクラブを低い位置に引っ張っているので地面反力が使えています。さすがは元プロ野球選手、どのようにしてヘッドを加速するか、力の出し方が分かっているなと感じます。

気になるのは振り遅れ気味のところから腕のローテーションを使って一気にフェースを返している点です。左へのミスが出る可能性が高いだろうなというのが想像できます。野球のバッティングではヘッドが最後に出てくるという言葉があって、ヘッドが遅れてインパクトを迎えるのですが、そのままのイメージでゴルフをするとフェースが開いてしまいます。

■ 堀尾研仁 プロフィール

1971年4月16日生まれ。デビッド・レッドベターに師事し、2002年よりツアープロの帯同コーチとして活動開始。翌03年に田島創志、04年に高橋竜彦のコーチに就き、2選手の初優勝に貢献。16年は塚田陽亮が日本ゴルフツアー選手権で優勝。現在は多数のツアープロのコーチを行う傍ら「KEN HORIO GOLF ACADEMY」を主宰。アマチュアへのレッスンを精力的に行っている。