ゲームで遊んだ人ほど、ゴルフの上達が早いってほんと?
”100切り”までの道のり ゴルフゲーム経験の有無でなんと6カ月の差
ゴルフの上達スピードは人それぞれ。1年足らずでみるみる上達する人もいれば、5年、10年経ってもなかなか上達しない人もいる。いわゆる運動神経だけの問題だろうか? ゴルフダイジェスト・オンラインがこのほど行った調査では、意外にもゴルフゲームの経験有無が上達スピードに影響を与えていそうなことが明らかになった。
調査は今年8月24~30日に、ゴルフダイジェストオンラインの会員ユーザーから約1000人を対象に「ゴルフゲームに関するアンケート」として実施した(回答率8割)。最もポピュラーだったゲームは、1作目から200万本以上の大ヒットとなった『みんなのGOLF』シリーズで、回答者の実に85.5%が一度はプレーした経験を持っていた。略称の『みんGOL』は、ゲームをやったことがない人でも一度は聞いたことのあるタイトルかもしれない。
Q.遊んだことがあるゴルフを題材としたテレビゲーム(シリーズ)は何ですか?
1位 『みんなのGOLF』 シリーズ 85.5%
2位 『ゴルフ』(ファミリーコンピュータ) 24.6%
3位 『マリオゴルフ』 シリーズ 23.8%
また、一般的にゴルファーの目標とされているスコアの「100切り」までの日数を聞いた項目では、「ゲームをやったことがない人」(10%)が約2年半かかったのに対し、「ゲームをやったことある人」(90%)が約2年と短く、ゴルフの上達度を推測できる一つの指標で「半年」もの差が出たのだ。なぜゴルフゲームをやったことがある人は上達スピードが早かったのか、アンケート結果をひも解いていく。
基本的なルールを覚えるのに役立つ
Q.ゴルフの基本的なルールを覚えるのに役立った
A.「そう思う」 81.0%
どんなスポーツをはじめるにせよ、まずはルールを覚えなければならない。ルールの本を最初から読んで覚えるのはしんどいもの。ゲームを数回プレーすれば、スコアのつけ方がわかり、コース上のハザードの役割、例えばOBなら1罰打して打ち直しをしなければならないことや、ラフやバンカーに入ったらボールを思うように飛ばせないことがわかる。
風を読むことの重要性を知る
Q.風が球筋にどう影響するかを理解できる
A.「そう思う」 78.1%
ゴルフは自然との闘いでもある。風が吹く方向や強さによって球筋が変化することを知っておけば、風を想定して狙う場所を変えることができる。無風の状態であれば届いていた番手でも、風が強ければ番手を変えないとグリーンをオーバーしたり、ショートしたりすることを理解できる。
ボールを打つ時の傾斜(ライ)によっても球筋が変わることがわかる。つま先下がりであれば球筋は右へ、つま先上がりであれば左と、実際のラウンドでも役立つ情報である。
ゲームの方がコースマネジメントを意識しやすい
Q.本番のゲームメイクや、コース戦略を立てる練習になった
A.「そう思う」 62.1%
実際にプレーするとついついスイングに意識が向いてしまい、コース戦略そっちのけでがむしゃらにボールを打っている人を見かけるが、コントローラーを操作するゲームだと不思議とそんなことにはなりにくい。少ない打数で上がるにはどういったルートを通ればいいのか。コース全体を眺め、風向きやハザードの位置などを意識しながら、冷静に作戦を立てることができる。
グリーンの起伏を意識しやすい
Q.グリーンの起伏を読む練習になった
A.「そう思う」 62.6%
実際のグリーンでは、画面のようなマス目が引かれていないが、ゲーム経験者は、グリーン上で地面の高低を意識する重要性を理解しているため、パッティングラインを読む感覚のようなものが予め磨かれていることがある。パットイズマネーとはよく言ったもので、派手さこそないが、傾斜の上り、下り、スライス、フックを予測することはスコアアップに欠かせない要素なのだ。
やはりスイングで大事なのはリズムとテンポ
最後に、こんな少数意見があったので紹介。
「ゲームはタイミング! 実際ならリズムとテンポ!」
ついスイングの形ばかりにこだわりがちとなるが、良いショットを打つにはリズムとテンポが大事。ゴルフゲームは、まさにボタンを押すリズムとテンポが“命”なので、一定のリズムを意識するという意味でゴルフのトレーニングにも使えるツールだったのだ。チョロやシャンクに悩んでいるゴルファーは、ぜひゴルフゲームを思い出し、“ドクロショット”を出さないようなリズムを意識してプレーしてみてほしい。
ちなみに、今回の調査以外の各種アンケートなどで、ゴルフ経験者とゴルフ未経験者を比べると、ゴルフ経験者の方があきらかに年収が高いという結果が出ることがよく知られている。実際にゴルフをやらなくても、上司や取引先とのゴルフの話題についていくことができるゴルフゲーム経験者は、ひょっとしたら“出世街道の入り口に立っている”と言えるのかもしれない。