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一打につき何秒? アマチュア100人のスロープレー対策

2018/04/18 11:45

女子ツアー新ルールをアマで検証

LPGAの計測法を参考に、ティショット & セカンドショットを測定

日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は、今季から各ストロークに許容される時間を50秒から40秒以内に短縮(最初にストロークする選手のみ50秒以内)。この10秒の短縮がスイングに与える影響は大きいとのことだったが、次に気になるのは我々アマチュアゴルファーは何秒かかっているか?だ。そこで実態を探るべく張り込み調査を行った。

半数以上が10秒台!

セカンドのほうがやや速い

【ティショット】

9秒以内 15人
10秒台 54人
20秒台 21人
30秒台 7人
40秒オーバー 3人

【セカンドショット】

9秒以内 21人
10秒台 63人
20秒台 10人
30秒台 5人
40秒オーバー 1人(※50秒台)

プレーヤー100人を調査したところ、ティショットの平均タイムは16.97秒、セカンドショットは平均14.81秒。秒数別でいうと、どちらも10秒台が半数以上という結果に。40秒オーバーはティショットで3人、セカンドでたったの1人だった。

10秒台の短いタイムが続出

この結果に「思っていたよりかなり速いタイムでした。アマチュアの皆さんのなかで、スロープレーに対する考え方や対策がしっかり根づいている証拠ですね」と、驚いた顔を見せたのは、学生時代にゴルフ学をイチから学んだというゴルフテックの小栁宏明コーチだ。

一打にかける“重み”がタイムに影響

プロはキャディと念入りに相談する時間も含まれる

「プロとアマで一打にかける重みが違うことも要因のひとつといえます。一打一打の差で賞金が変わるプロの一打と、アマのエンジョイしながらの一打では、意味合いが大きく異なるからです。分かりやすい例としては、スコアに真剣に取り組む“競技ゴルフ”ではアマでもスロープレーがしばしば問題になります。最近携わった競技でハーフ3時間という大会もありました(笑)。当たり前のことですが、真剣度が高ければ高いほど一打あたりの時間も長くなるわけです」

アマは無意識に短くなっている

スロープレーへの意識が高い証拠

「もうひとつの要因として、総打数が多いことも挙げられます。プロのスコアは70台をベースに展開するのに対し、アマは平均スコア100前後。その打数の差は20~30打ほど変わってきますから、同じ2時間をプレーする設定のなかで、自然と一打にかけるタイムを短くしていると考えられます」

一打40秒は意外に長い! ルーティンは崩す必要なし

あなたは何秒? 一度計測してみては

「今回の結果を見ると、アマチュアの皆さんの平均タイムは10秒台。女子ツアーの新ルール『40秒以内』を意識するほど時間はかかっていないことが分かりました。このことを踏まえますと、小走りでルーティンを行ったり、焦ってスイングスピードを速めたりする必要はまったくありません。いつもと同じテンポでいつも通りスイングすることが重要です。打つ前に風やライの状況をしっかり判断し、コースマネジメントを十分行ったうえでアドレスに入りましょう。ミスを軽減して打数を減らすことで、一打にかける時間が確保できる。時間をかけられることで、ナイスプレーにつながる。スロープレーの改善には、このローテーションが最適の方法と言えますね」と、ルーティンの重要性を説いて小柳コーチは締めくくった。

結論としては、一打40秒は意外に長い!ということ。これまで通りのルーティンを崩してまで、スロープレー対策を意識する必要はなさそうだ。

【プレーのペース(規則6-7注2)】 ※一部抜粋
各ストロークに許容される時間は40秒以内とするが、最初にストロークする選手に対しては50秒以内とする。この時間を超えたときにバッドタイムとなる。初回の違反は警告、2回目は1罰打、3回目は2罰打、4回目で競技失格となる。

取材協力/アジア取手カントリー倶楽部

解説/小栁宏明(HIROAKI KOYANAGI)
ゴルフテック銀座認定コーチ。9歳からゴルフを始め、ツアープロを目指して高校ゴルフ部で猛練習。その後、東京ゴルフ専門学校でゴルフのいろはを学び、卒業と同時にゴルフテックに就職。