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アイドルイベントinゴルフ場の熱量がすごい 「SKE48 山内鈴蘭と対決!」に行ってみた

2018/05/21 18:41
対決はピンまで140yd、谷越えのアゲインストというタフなセッティングで行われた

最寄駅からバスで25分の場所で行われるアイドルイベントのチケットが即日完売に次ぐ即日完売――と聞いて、すんなりその状況を頭に思い描ける人は多くないにちがいない。5月16日(水)に静岡県のレンブラントゴルフ倶楽部御殿場で行われた「SKE48 山内鈴蘭と対決 スペシャルワンデーイベント」は、今回で4回目の開催で、毎回のように即日完売を続けているイベントだ。いったい何が行われるというのか?

イベントではそのタイトル通り、かつてはプロを目指した時期もあったという現在アイドルの山内と、ゴルフで対決することができる。開催ごとに対決の内容は異なり、今回はニアピン対決。イベント参加費は、対決ホールを含む18ホールプレー(うち前半9ホールは新ぺリア方式コンペ)で1万1000円/人に設定された。事前決済4バッグの場合は8500円/人で、自分のカメラで山内と記念撮影ができる特典がつく。

当初の募集人数は80人だったが、即日完売した。会場の都合などを調整しながら参加可能なプレーヤー数を拡大し、追加募集を重ねた結果、最終的には164人参加にまでふくれ上がる異例の拡大開催となった。肝心の対決では、勝つとチェキ(インスタントカメラ)で山内とツーショット撮影ができるため、ゴルフの腕に覚えのあるアイドルファンにとってはたまらないイベントなのだろう。ほかに「参加賞」として山内鈴蘭の似顔絵入りボール1球と、コンペ結果による協賛企業からの賞品もある。

イベント当日、晴天に恵まれた富士山麓のゴルフ場に集まった参加者は、毎回イベント最高齢を記録している81歳の常連さんや、ゴルフ場のメンバー、大学ゴルフ部所属のアスリートなど様々。中には、このイベントに参加したい一心でゴルフを始めたという自称“アイドルオタク”もいた。不慣れなゴルフ場で少しソワソワしているようにも見える自称“オタク”の人たちを中心に、このイベントの魅力を聞いてみた。

この日47回のティショットを打った山内鈴蘭

彼らがこのイベントに参加した理由として口をそろえたのが、山内との「距離の近さ」だ。通常の握手会などではアイドルとファンの間に机が置かれていて自然と距離ができる工夫があるらしく、「それがないだけでもかなり近さを感じる」という。山内のファンになって5年の佐藤さんは、「“剥がしさん”がいないのもいい」と話し、握手会で制限時間を過ぎた際にアイドルとの会話をさえぎる係の不在を歓迎した。

大学生の田中さんは、「話せても10秒」という握手会と比較した際の、圧倒的な会話時間の長さを「コスパがいい」と、イベント参加の理由に挙げた。今回のイベントでは、対決ホールの5番(パー3)で山内が参加者を待ち構え、1組到着するたびにショットを放ち、参加者がそれよりも内側につければ勝利というルールだった。ティグラウンドに到着して全員がショットを放ちそこから立ち去るまで最短でも約5~6分はかかり、その間は比較的自由にコミュニケーションがとれていた。

このイベントのスタートとほぼ時を同じくしてゴルフを始め、プレー歴2年、平均スコア130の榊原さんは5度目の対決にして初めて山内に勝利し、サッカーW杯でゴールを決めたストライカーのごとく喜びを表現した。「10回に1回出るか出ないかのラッキーパンチが出た。ウェブサイトで対決ホールの距離はわかっていたので、7番アイアンだけひたすら練習してきた」。念願の2ショットチェキを眺めながら「宝物になった」と相好を崩した。

榊原さんをはじめ同組でプレーした4人は、8年前にAKB48の握手会がきっかけで知り合ったのだという。過去15回参加していまだ未勝利の畠山さんは「久々にほかのオタクがうらやましいと思った」と、榊原さんの喜びように悔しさを隠さなかった。美容師の海老澤さんは「(榊原さんの)顔のウザさがヤバかった」と嫉妬まじりに振り返った。一方、昨年のドラコン対決で勝利を挙げたという鶴巻さんは「仲間内で盛り上がれるのは楽しい。ゴルフは難しいけど、たまにいいショットがでるのが気持ちいい」と、アイドル起点で4人が熱をあげつつあるゴルフの魅力も口にした。そして、 4人組は次回の勝利を誓い合っていた。

見事山内鈴蘭に勝利し2ショット撮影をする榊原さん

イベント参加者164人(全47組)との対決で、この日47発のティショットを放った山内のこの日の戦績は134勝30敗。2ショットチェキを手に入れた参加者はわずか30人という本気の勝負でファンの思いに応じた山内は、自分の思い入れもあるイベントについてこう語った。「対決で負けるのは悔しい。勝った負けたではなく、このイベントはゴルフが間にあることで、初対面でも気軽に話せるし、自然なふれあいができることが特色。私はゴルフが大好きなので、私がキッカケでゴルフを始めてくれるなんて本当にうれしいです」。このイベントはシーズンを通して全国各地のゴルフ場で行われる予定だ。