ひざの高さからドロップ<新ルール>を生かしてちょっぴり有利に
落とし所がポイント! プレーを優位にするコツは?
「WGCメキシコ選手権」でのリッキー・ファウラーの一件 でも話題になったが、2019年から施行されたルール変更により、ドロップの際にボールを落とす位置がひざの高さに変わった。これまでの肩の高さに比べ、よりプレーヤーが思う所に落とせるようになる。そこでゴルフコンシェルジュ・今野一哉プロに、新ドロップを優位に利用する方法を聞いてみた。
ワンクラブレングス以内で落とし所を考える
―新しいドロップ方法の感想は?
「まずはその前にご存知だと思いますが、基本的な救済エリアの知識をご説明します。ペナルティエリアとアンプレアブルの救済を受ける時や、カート道路やスプリンクラーなどの人工物からの救済の時に行います。障害が完全になくなる場所にニアレストポイント(ボールから一番近い位置)を決め、そこからワンクラブレングス以内でホールに近づかない範囲でドロップします」(今野、以下同)
1. 芝のある場所にボールを止める
―ドロップの仕方で有利になる?
「ある程度は有利になるケースが多くなるドロップのコツがあります。まずニアレストポイントからワンクラブレングスの範囲を確認します。ポイントは3つ。まずは芝の有無をチェックします。人工物の周辺は芝が剥げている所も多く、傾斜でそこに転がってしまうこともありますので注意が必要です」
2. 順目の場所にボールを止める
―2つ目のポイントは?
「ボールの落ちる芝目の方向も重要になってきます。逆目になっていればそれだけラフの抵抗が強く、次打の距離感に影響してきます。できるだけ芝が順目の場所に落とすことが求められます。冬の枯れた芝でも微妙に影響するので、芝目の向きを事前にチェックしておくことが重要です」
3. 救済エリア周辺の傾斜をチェックする
―3つ目のポイントは?
「最後に重要な項目は傾斜です。ドロップの位置で一番影響が大きいと思われるのは、傾斜です。ですから、エリアだけでなくエリア周辺の傾斜を確認し、できるだけ平らで芝つきの良い場所を探し、そこにボールが止まるようなドロップを行ってください」
4. 傾斜の下ではなく上に立つ
―ほかに注意点は?
「肩の高さから落とすのに比べて、ひざの高さから落とすとボールとの距離がかなり近くなります。そのため転がったボールが足に当たってしまう可能性が高くなりました。故意ではなくボールが足に当たった場合は無罰ですが、思った所に転がらず足の位置で止まってしまうので気をつけてください」
1打のミスがきっかけに…
―ドロップはスコアに影響する?
「影響すると思います。救済を受けるのはたった1打かもしれませんが、難しい状況から打った後ミスが続いて大たたき…というケースが多いからです。難しいライより打ちやすいライから打つことで、微小でもアドバンテージを得られるドロップを行ってみてください」
撮影協力/千葉セントラルゴルフクラブ
■ 今野一哉(こんの・かずや) プロフィール
1982年生まれ、千葉県出身。300ydを超えるビッグドライブと自在に球筋を打ち分ける技術を併せもつプロゴルファー。レッスンだけでなくギアやルールにも精通する“ゴルフコンシェルジュ”として多方面で活躍中。エイティーン代表。