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ゴルフ場ができるまで(3)

2019/04/04 15:00

タイのバンコクで、新たなゴルフ場を造るプロジェクトが進行している。小規模な改修とは異なり、1年半をかけて大規模な工事を実施する。2019年9月のソフトオープンに向け、プロジェクトの責任者が舞台裏をリポートする。

雨季が及ぼした影響

池のように見えるのは、雨が降った後の水たまりだ

5月から10月まで続いた昨年のバンコクの雨季は、例年より降水日数は少なめだったものの、一度に降る雨量はかなり多かった。我々はこの時期を、半分の9ホールの地形や起伏を造成する作業期間に充てていた。

一日中だらだらと雨が降り続くことはまずなく、朝降れば午後にはたいてい止むのだが、水たまりだらけで掘削作業は進まない。雨であっても工事に携わるスタッフは再開できるタイミングに備えているが、あまりに予定から遅れた場合は休日を返上しての作業も発生した。

想定外のさまざまな問題

雨で緩くなった土に、掘削用の重機が飲み込まれるハプニングも

一度雨が降ると3~4日作業が止まることはざらで、仕方なく土が乾くのを待つわけだが、ようやく乾くとまた大量の雨が降る。そもそもバンコクは土壌が緩いため、外から土を持ってきて混ぜ合わせることで、土壌に硬さを出す作業も加え、どうにか造成工事を進めて行った。

9ホールと練習場の造成を終え、次はもう半分の9ホールの工程に進んだ。11月に乾季に入ってからは雨の影響がない分、進行がスムーズになったと思いきや、土が乾きすぎて硬くなり、掘削作業が進まなくなる事態に陥った。今度は散水をしたいわけだが、旧コースでの電力使用量を上回り、その変更申請に時間がかかるなど想定外の問題も発生した。

ホールごとの造成へ

12番グリーンのシェイピングを終え、掘削作業に入る

各ホールの造成はまずグリーン周りから始めていく。グリーンをいったん土でシェイピングして形や傾斜を作り、設計者の確認と許可を得る。そのうえで地面を掘り返し必要な設備を入れ、最終的に許可を得た形に作り戻すという流れだ。

池やバンカーも同様で、シェイパーが傾斜や形を作り、設計者と細かな確認をしながら作業を進めて行く。