ウォーターハザードの改名<新ルール>で何がどう変わる?
新生「ペナルティエリア」の概念を知っておく
2019年新ルールからウォーターハザードは廃止され、ペナルティエリアという名称に変更となった。池やクリークといった水域に限らず、ブッシュや崖などの区域、すべてをペナルティエリアとして一括りに設定。ゴルフコンシェルジュ・今野一哉プロに、何がどのように変わったかを解説してもらった。
対処法はシンプルに♪
―まずは何がどう変わった?
「以前はウォーターハザードの対処法で、ウォーターハザードとラテラル・ウォーターハザードの2つの違いでやや複雑になっていました。ウォーターハザードは、主に黄色の杭か線で限界が示されていて、ラテラル・ウォーターハザードは赤い杭か線で示されていました。対処法の違いは以下をご参照ください」(今野、以下同)
【ウォーターハザードの救済方法】 ※主に黄色の杭・線
1.そのまま打つことができればスルーして打てる(無罰)。
2.元の位置に戻る。元の位置から1クラブレングス以内でホールに近づかない所にドロップする(1罰打)。
3.ボールが最後に横切った地点とホールを結ぶ線上、その後方に基点を決め、そこから1クラブレングス以内でホールに近づかない所にドロップする(1罰打)。
【ラテラル・ウォーターハザードの救済方法】 ※主に赤色の杭・線
※上記ウォーターハザードの対処法に加え、以下2項目。
4.ボールが最後に横切った地点から、2クラブレングス以内でホールに近づかない所にドロップする(1罰打)。
5.ハザードを最後に横切った地点の対岸地点から、2クラブレングス以内でホールに近づかない位置にドロップする(1罰打)。
【ペナルティエリアの救済方法】
上記1~4の対処法を採用。4はレッドペナルティエリア(赤杭、赤線)の場合のみ。
エリア内でソールしてもOKに
―そのほか変わったことは?
「エリア内のボールを打つ際、ソールが許されるようになりました。これまでのウォーターハザード内では、池の淵でもソールをすると2罰打が科せられましたが、ソールが許されることでライを見極め、打てそうなら無罰でエリア内の球を打つ選択を増やす後押しになるかと思われます」
ゴルフ場でペナルティエリアが増加する?
―今後コースの対応はどう変わる?
「ゴルフ場では、池以外にもペナルティエリアを設定できるようになりました。クリーク、小川などの水域以外でも設定できるようになったことで、これまでOBだった区域をレッドペナルティエリアに変更するところもあるようです。スコアに大きく影響してくることなので、次に回るコースを事前に調べておくと良いでしょう」
求められる瞬時の判断力
―ペナルティエリアの概念で攻め方も変わる?
「基本的には変わらないと思います。しかし、エリア内から打つのか、救済を受けるのか、受けるならどの位置からが良いのか、瞬時の選択がより重要になります。より有利となる位置でのプレーを瞬時に判断することが求められますね」
撮影協力/千葉セントラルゴルフクラブ
■ 今野一哉(こんの・かずや) プロフィール
1982年生まれ、千葉県出身。300ydを超えるビッグドライブと自在に球筋を打ち分ける技術を併せもつプロゴルファー。レッスンだけでなくギアやルールにも精通する“ゴルフコンシェルジュ”として多方面で活躍中。エイティーン代表。