ゴルフクラブABC

今さら聞けない「キャビティ卒業のタイミングは?ターフが目安」アイアンの形状を教えて

2023/06/28 20:00

【アマチュアSさんの“今さら聞けない”】
「キャビティアイアン・中空アイアン・マッスルバックアイアン」それぞれの形状と特性を教えてください。キャビティが初心者からアベレージゴルファー向けというのは聞いたことがありますが、どういうタイミングでヘッド変更を検討すべきでしょうか。

キャビティは低重心で球が上がりやすい

みなさんが使っているアイアンはどのタイプ?

【たけちゃん'sアンサー】
「キャビティアイアン」は、バックフェースがくり抜かれた形状をしており、その分の重量をソール部分に配置しているため、低重心になっているアイアンです。キャビティの中でも「ポケットキャビティ」というモデルはさらに低重心になります。

低重心ということは球が上がりやすく、フェース面から遠い位置に重量を配置することで芯が広く設計されており、左右のミスヒットにも強いモデルなので、初心者向けともいわれています。

細かく分類するとその他にもソール部分だけを厚くした、中上級者向けの「キャビティバック」というモデルも存在しますが、この辺りの通称はメーカーによっても異なります。

中空は上下のミスに強く、マッスルバックは操作性が高い

左からポケットキャビティ、キャビティ、中空、キャビティバック、マッスルバック

「中空アイアン」は見た目がすっきりしていてマッスルバックのように見えますが、キャビティにフタをしたような感じで、内部が空洞になっています。キャビティよりも重心がやや高くなるため、キャビティほど球の高さは出ませんが、フェースの上下のミスに強く、マッスルバックほど難しくないため、キャビティとマッスルバックの中間に位置するアイアンです。

「マッスルバックアイアン」はまさに“アイアンの王様”です。比較的、芯は狭いですが操作性が高く、球を意図して曲げやすいため、プロや上級者に好まれています。打感が良く、風に強い球が打てるので、コースコンディションが厳しくなる程、力を発揮するアイアンといえるでしょう。

キャビティ卒業の目安は「ターフ」

厚みに注目!モデルによって全然違うのが分かりますか?(順は上の画像と同じ)

アイアンは横から見たときに厚い部分が強く作られています。キャビティは下側が厚くて、マッスルバックはスコアライン(クラブフェースに刻まれた溝)の下から2~3本目辺りが厚くなっています。

キャビティからの中空やマッスルバックなどへのヘッド変更のタイミングは、打点が安定するのは当然ですが、特にインパクト時の入射角を参考にしたいです。

初心者はなかなかアイアンをダウンブローに打ち込むことができません。ですので、重心が高くなるマッスルバックは、芯でヒットすることが難しくなります。

つまり適正な入射角のダウンブロー(例えば身長175センチで、ドライバーのヘッドスピードが45m/sの男性なら3~4度)で打ち込めないとマッスルバックは使いこなせないというわけです。目視で数値を確認する事はできませんが、目安としてはコースでターフが取れ出してきたらヘッドの変更を検討してもよいでしょう。

たけちゃんの1分動画解説

■ゴルフクラブABCとは
巷には様々なゴルフクラブがあふれ、自分にぴったりの一本を見つけるのは至難の業。そもそもクラブを選ぶにも難しい用語が多く、深く知ることを敬遠している人も多いのではないか。そこでクラブ選びに役立つ「基礎中の基礎=“ゴルフクラブのABC”」を、全国から“患者”が訪れるというすご腕クラブフィッターたけちゃんに分かりやすく教えてもらう。

■ たけちゃん プロフィール

香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。37歳・独身。フィッター界の第一人者、浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる。出演する「ズバババGOLF」のYouTubeでは軽快なトークで人気を集める。