今さら聞けない「スピン…自分は多い?少ない?」スピン量について教えて
【アマチュアSさんの“今さら聞けない”】
スピンは弾道にどのような影響を与えますか?番手ごとの適正スピン量を教えてください。スピンが多いと(少ないと)どうなりますか。
適正なスピン量を知ることが重要
【たけちゃん'sアンサー】
「スピン量」とは主に「バックスピン(逆回転)量」のことで、初速、打ち出し角に並ぶ「飛びの3要素」の一つといわれる大事な要素です。スピンが多すぎるとボールが吹け上がり、少なすぎるとドロップ(野球で言うフォークボールのような球)になってしまいます。どちらも飛距離や安定性を失ってしまうので、やはり自分にとって適正なスピン量を知ることは重要です。
主にスピン量は1分間の回転数「rpm(アールピーエム)」という単位で表します。どのくらいの数値が適正かというと、例えばドライバーのヘッドスピード(以下HS)が40m/s前後であれば、「2500rpm前後」がベストといえます。それを基準に、HSがそれよりも遅ければ少し多く、逆に速ければ少なめが適正となります。
スピン量は当たる場所で変化する
フィッティングをしていて気付くのが、大多数のゴルファーが適正値よりスピン量が多くなってしまっているということです。それには様々な原因が考えられますが、最も影響している要素が「打点位置」でしょう。
基本的にスピン量は、フェース下部とヒール側でヒットすると増え、フェース上部とトウ側でヒットすると減ります。多くの方がドライバーのヒール側で球をとらえる傾向があり、そのせいでスピン量が増えてしまっている事が多いです。
もしボールの吹け上がりで悩んでいる方は、ドライバーのフェースに市販の打点シールを貼るなどして打点位置を調べてみると良いでしょう。
アイアンの適正なスピン量は?
ちなみにアイアンですが、様々なモデルが流通しているので一概にはいえませんが、あくまでも平均的な目安として、以前は「番手×1000rpm(7番アイアンで7000rpm)」が適正といわれていました。
しかし、比較的ロフトが立っている近年のアイアンにおいては、「番手×800前後(7番アイアンで5600rpm)」がベストといわれています。これはボールが進化したことも影響しているでしょう。
自分がどれくらいのスピン量なのか、一度測定器などで測ってみると面白いと思います。
たけちゃんの1分動画解説
■ゴルフクラブABCとは
巷には様々なゴルフクラブがあふれ、自分にぴったりの一本を見つけるのは至難の業。そもそもクラブを選ぶにも難しい用語が多く、深く知ることを敬遠している人も多いのではないか。そこでクラブ選びに役立つ「基礎中の基礎=“ゴルフクラブのABC”」を、全国から“患者”が訪れるというすご腕クラブフィッターたけちゃんに分かりやすく教えてもらう。
■ たけちゃん プロフィール
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者、浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる。出演する「ズバババGOLF」のYouTubeでは軽快なトークで人気を集める。