今さら聞けない「大きいとナゼやさしいの?」ドライバーのヘッド体積について教えて
【アマチュアSさんの“今さら聞けない”】
ドライバーのヘッドは大きいほうが簡単なのでしょうか?標準的な大きさや、小さいヘッドのメリット、初心者が選ぶべきヘッドの大きさ(体積)など教えてください。
ヘッド体積の上限はルールで定められている
【たけちゃん'sアンサー】
ドライバーヘッドの体積ですが、かつて使われていたパーシモンという木製ヘッドは200~230cc程でした。それから製品の進化とともに少しずつ大きくなっていき、現在は上限を460ccまでとルールで規制されています。倍以上の大きさになったにもかかわらず、軽量素材(カーボンやチタン)を使うことで、ヘッド重量は300g以上あった当時から200g程に軽量化されています。
体積の上限が決められているという事実は、やはりヘッドは大きい方がメリットがデカいと考えて間違いありません。市販されているドライバーヘッドのほとんどが上限ギリギリの460ccであること、多くのプロゴルファー(特に女子プロ)も使用していることがそれを裏付けています。
大型ヘッドの最大のメリットは「寛容性が高くなり簡単になる」ということにつきます。「慣性モーメント」の増加によってヘッドが安定し、直進性が向上するのがひとつ。また、重心深度が深くなり、重心距離も長くなるので、芯が広くなって打点ブレに強くなります。これらのメリットを考えるとルール上限の体積(460cc)にしない手はないと思います。
“小ぶりヘッド”のメリットは?
では、今でも“小ぶりヘッド”と言われる420cc前後のヘッドが存在するのはなぜかというと、それは厳しいコースセッティングで戦う一部のプロや上級者にとってはメリットがあるからです。
いちばんのメリットは重心距離が短くなることで、フェースターンしやすくなることでしょう。意図してフェースを開いたり閉じたりしやすい。つまり操作性が高くなって、フェードやドロー、出球の高さなどを打ち分けやすくなるのです。
ですので、確実に芯でとらえることができて、自分で打球をコントロールしたい上級者が“小ぶりヘッド”を試すのはありです。また、大型ヘッドよりスピン量が減る傾向にありますので、元々スピン量が多いゴルファーは、恩恵を受けられる可能性はあります。
ただし、初心者はもちろん一般的なアマチュアの方は、ドライバーで球を打ち分けるシチュエーションはほとんどないと思いますので、それならできるだけ大きい、ルール上限(460㏄)のヘッドを選ぶことをおすすめします。
たけちゃんの1分動画解説
■ゴルフクラブABCとは
巷には様々なゴルフクラブがあふれ、自分にぴったりの一本を見つけるのは至難の業。そもそもクラブを選ぶにも難しい用語が多く、深く知ることを敬遠している人も多いのではないか。そこでクラブ選びに役立つ「基礎中の基礎=“ゴルフクラブのABC”」を、全国から“患者”が訪れるというすご腕クラブフィッターたけちゃんに分かりやすく教えてもらう。
■ たけちゃん プロフィール
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者、浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる。出演する「ズバババGOLF」のYouTubeでは軽快なトークで人気を集める。