今さら聞けない「ラバー、エラストマー…どれがいい?」グリップの素材について教えて
【アマチュアSさんの“今さら聞けない”】
グリップの素材やそれぞれの特徴を教えてください。また、バックラインがある場合のメリットを教えてください。
素材は大きく分けて2つ
【たけちゃん'sアンサー】
グリップの素材は大きく分けて2つ存在します。最もポピュラーなのがゴム素材の「ラバー」です。そして、もう一つが樹脂系素材の「エラストマー」です。
さらに、グリップの表面にコードが織り込まれた「コード」というものが存在します。
握り心地、感じ方は人それぞれかもしれませんが、一般的に柔らかい順は、ラバー、エラストマー、コードと言われており、近年は柔らかめのグリップを好むゴルファーが増えたことから、コードグリップは市場から減少傾向にあります。
ただ雨や汗でグリップが濡れた際の滑りにくさは、コード、エラストマー、ラバーと全く逆の順番になりますので、一部のアスリート志向の上級者などに熱烈なファンがいるのは事実。これらのファンがいる限りコードグリップが市場から消える事はないでしょう。一方で、近年のグリップ開発の速度はすさまじく、ラバーやエラストマーでも雨や汗に強いモデルが続々と登場しています。
また、グリップは素材を問わず「硬さ」「太さ」「重さ」が存在し、多くのプロや上級者はこだわって細かく選定しています。
始めのうちは実際に握ってみて、自分がしっくりくるものを選ぶのが一番です。ゴルフショップで握ってみるなど、色々と試してみるとよいでしょう。
バックラインありが減ってきた理由は?
また、グリップには「バックライン」があるものとないものが存在します。バックラインはクラブに装着した際に裏側にある線状の突起のことで、握ったときに指が引っかかりやすくなり、手の感触で常に同じ向きで握る事が出来る優れものです。
ですが、近年はバックラインなしを選択するゴルファーが非常に多くなりました。これは「可変式スリーブ」いわゆるカチャカチャドライバーが主流になったのが大きな理由です。
一部のメーカーを除き、基本的にカチャカチャを回すとシャフトが回転しグリップの向きも変わります。つまりカチャカチャドライバーにおいては、バックラインは邪魔な存在なのです。
その流れで、以前は一般的なクラブの純正グリップにはバックラインありが装着されていることが多かったですが、近年はアイアンでさえ純正グリップにバックラインなしが装着されることが増えてきました。
バックラインのありなしどちらが優れているということはなく、こちらも好みの範疇となりますが、バックラインありを一度も試したことがないゴルファーはぜひ一度その感触を確かめてみて欲しいです。
また、以前はグリップの色といえば黒が主流でしたが、近年はカラー展開も豊富になり、選択肢が広がりました。自分の好みの色で揃えればきっと気分も上がることでしょう。
たけちゃんの1分動画解説
■ゴルフクラブABCとは
巷には様々なゴルフクラブがあふれ、自分にぴったりの一本を見つけるのは至難の業。そもそもクラブを選ぶにも難しい用語が多く、深く知ることを敬遠している人も多いのではないか。そこでクラブ選びに役立つ「基礎中の基礎=“ゴルフクラブのABC”」を、全国から“患者”が訪れるというすご腕クラブフィッターたけちゃんに分かりやすく教えてもらう。
■ たけちゃん プロフィール
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者、浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる。出演する「ズバババGOLF」のYouTubeでは軽快なトークで人気を集める。