ゴルフクラブABC

今さら聞けない「『100』を切ったら俺もスピン系使っていい?」ボールについて教えて

2023/12/06 20:00
今回はゴルフボールの種類について解説するよ!

【アマチュアSさんの“今さら聞けない”】
ゴルフボールの種類について教えてください。スピン系やディスタンス系という種類を耳にしますが、それぞれどういう特性がありますか?

ゴルフボールは大きく分けて2種類

【たけちゃん'sアンサー】
市販されているゴルフボールの種類は大まかに「スピン系」と「ディスタンス系」に分類されます。スピン系はスピン性能に特化していて、ディスタンス系は飛距離性能に特化していると思われがちですが、スピン系にも飛距離性能は十分に備わっています。

ゴルフボールは層になってる

ゴルフボールは基本的に2層(2ピース)以上の複数の層から出来ていて、層が増えるごとに製造コストが上がり価格も高価になる傾向があります。

スピン系はほとんどが3ピース以上で、中には5ピースの製品も存在します。中心部のコアが硬く、表面のカバーに柔らかいウレタン素材を使用していることが多いです。

各層に役割があり、例えばコア部分はヘッドスピードが40m/s以上のドライバーショット、中間層が35~40m/sのアイアンショット、外側の層が35m/s以下のアプローチで性能を発揮する構造になっている場合が多いです。

つまり層を重ねることで、ロングゲームでは最大飛距離を、アイアンやウェッジではしっかりとしたスピンが入るというハイブリッド設計となっているのです。

プロが愛用するボールは多くがスピン系(※2023年「ZOZOチャンピオンシップ」練習場に用意されたボール)

一方、ディスタンス系の大半は2ピースで出来ていて、コアが柔らかく、カバーにアイオノマーという硬い素材が使用されていることが多いです。シンプルな構造で価格帯も低めに設定されています。

コアが柔らかいということはインパクト時の反発力が高く、ボールがつぶれて余計なスピンを抑え飛距離がアップしやすくなります。

ちなみに、ディスタンス系の中には3ピースや4ピースの製品もありますが、それらの多くはシニアや女性ゴルファー向けの製品で、ヘッドスピードが遅くても飛距離を最大限に引き出せるボールといえるでしょう。

結局、スピン系ボールもディスタンス系ボールも飛距離性能は担保されていることが前提で、スピンが入りやすいか(スピン系)、入りにくいか(ディスタンス系)が大きな違いとなります。

その分類分けの名前から、スピン性能と飛距離性能に特化していると誤解している方も多くいますので、個人的にはそもそも「スピン系」と「ディスタンス系」というカテゴリー自体を変えるべきだと感じます。

初心者は安価なディスタンス系がおすすめ

レベルを問わず上達を目指すのであれば、スピン系を使うに越したことはないです。ただし、OBや池ポチャなどボールをロストすることが多い初心者の段階では、比較的安価なディスタンス系を使っておくのが無難だと思います。

安定して「100」を切れるようになり、いざ「90」切りを目指すころには、グリーンをキャリーで狙える技術もついてきているでしょうから、スピン性能の恩恵を感じることができるようになります。その時はむしろスピン系の性能に頼ったほうがスコアアップを望めるでしょう。

カラーはお好みで

最近は白以外にも黄色やピンクなどカラフルなボールが登場しています。以前は塗料による性能差があったようですが、現在は塗料も進化して差がほとんどなくなったといわれております。自分がプレーしていてワクワクする色を選べば、もしかするとスコアも良くなるかもしれないですね。

たけちゃんの1分動画解説

■ゴルフクラブABCとは
巷には様々なゴルフクラブがあふれ、自分にぴったりの一本を見つけるのは至難の業。そもそもクラブを選ぶにも難しい用語が多く、深く知ることを敬遠している人も多いのではないか。そこでクラブ選びに役立つ「基礎中の基礎=“ゴルフクラブのABC”」を、全国から“患者”が訪れるというすご腕クラブフィッターたけちゃんに分かりやすく教えてもらう。

■ たけちゃん プロフィール

香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者、浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる。出演する「ズバババGOLF」のYouTubeでは軽快なトークで人気を集める。