今さら聞けない「ギア効果って何?」ドライバーの打点について教えて
【アマチュアSさんの“今さら聞けない”】
ドライバーを「芯」で打てていないと指摘されましたが、実際の芯とはどこを指しますか。ヒール側、トウ側など芯を外すとボールはどうなるのでしょうか。
芯の位置はフェースの真ん中とは限らない
【たけちゃん'sアンサー】
一般的にドライバーの「芯」はヘッドの重心からフェース面に向かって垂直な線を引いた時にフェースと交わる点を指します。ですので、芯の位置は必ずしもフェースの真ん中にあるわけではありません。とはいえ、どんなドライバーでもフェースの真ん中、もしくは真ん中近くに芯があるのは間違いないので、基本的には真ん中で打つ練習をすればいいと思います。ちなみに「スイートスポット」も同義で「真芯」の事を指します。
ギア効果って何?
ドライバーなどウッドのフェース面は緩やかにカーブしており、水平方向のカーブを「バルジ」、垂直方向のカーブを「ロール」と言います。バルジとロールのおかげで、ヒールやトウ、芯の上下に当たると「ギア効果」というものが働き、飛球方向のばらつきを減少させてくれるのです。
ただし、飛んでいくボールの行方はフェースの向きやスイング軌道の方が大きく影響しますので、あくまでも、ある程度真っすぐ飛ばせる人のための“お助け機能”程度の働きだと認識しておいてください。
基本的にヒールに当たるとフェースは左を向き、ボールは左方向へ打ち出されますが、スライス回転がかかりターゲット方向へと戻ります。逆にトウに当たるとフェースは右を向き、ボールは右方向へ打ち出されますが、フック回転がかかりターゲット方向へと戻ります。また、ヒールに当たるとスピン量は増え、トウに当たるとスピン量は減ります。
芯の上と下に当たった場合はバックスピン量に大きな影響を与えます。基本的には芯の上に当たるとヘッドは上を向き、打ち出しが高くなりますがスピン量は減り弾道を下げる効果が生まれます。芯の下に当たるとヘッドは下を向き、打ち出しが低くなりますがスピン量は増え弾道を上げる効果が生まれます。
ちなみに、最近のヘッドは芯より少し上で打った方が、打ち出しが高くなりスピン量が減るため、飛距離が出る傾向にありますが、芯を外れすぎると逆効果になります。
例えばドライバーのヘッドスピードが40m/s前後であれば、バックスピン量は2500rpm前後がベストといえますが、芯の上部に当たるとスピン量は2000rpmを下回り、ボールがドロップする事もありますし、フェース下部に当たればスピン量は4000rpm以上にもなって、ボールが吹け上がることもあります。いずれも飛距離を大きくロスしてしまうことでしょう。
テンプラの原因はダウンブロー軌道
ボールが高く上がってしまう「テンプラ」はフェースのかなり上部、クラウン近くで打った時に起こる現象です。テンプラを多発する人はドライバーをアッパー軌道で打てていない場合が多いです。大半は上体がツッコんでボールの下をくぐってしまうことが原因ですので、まずドライバーをアッパー軌道でインパクトする練習をしましょう。
打点を安定させることは重要ですが、肉眼で打点位置を確認するのは困難ですので、市販されている「ショットマーカー」(打点シート)を使うのがお勧めです。フェースに貼って打つとボールの跡がつくのでどこに当たったかが一目瞭然です。数百円で売っていますので、ぜひフェースの真ん中でとらえる練習をしてみてください。
たけちゃんの1分動画解説
■ゴルフクラブABCとは
巷には様々なゴルフクラブがあふれ、自分にぴったりの一本を見つけるのは至難の業。そもそもクラブを選ぶにも難しい用語が多く、深く知ることを敬遠している人も多いのではないか。そこでクラブ選びに役立つ「基礎中の基礎=“ゴルフクラブのABC”」を、全国から“患者”が訪れるというすご腕クラブフィッターたけちゃんに分かりやすく教えてもらう。
■ たけちゃん プロフィール
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者、浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる。出演する「ズバババGOLF」のYouTubeでは軽快なトークで人気を集める。