ゴルフクラブABC

今さら聞けない「グースorストレート 合うのはどっち?」アイアンのネック形状について教えて

2024/02/28 20:00
グースネック(左)とストレートネック(右)の違いを説明します!

【アマチュアSさんの“今さら聞けない”】
アイアンのネック形状はどんな種類がありますか?それぞれの特性や向いている人を教えてください。

アイアンのネック形状は大きく分けて2つ

【たけちゃん'sアンサー】
アイアンのネック形状は大きく分けて2つ、ストレートネック(以下ストレート)とグースネック(以下グース)があります。明確な定義はないのですが、リーディングエッジがシャフト中心線上かそれよりも前方にあるのがストレート、リーディングエッジがシャフト中心線よりも後方にあるのがグースとなります。どこからがグースかという詳しい線引きもないのですが、その中間をセミグース(ネック)とも呼びます。

ストレートは重心が浅いのでヘッドの操作性が高いといわれています。またグースに比べると刃がボールに先に当たるため、フェースが真っすぐもしくは開き気味でインパクトしやすく、球がつかまりにくい傾向があります。ですので、引っ掛けに悩むゴルファーはストレートの方が向いていると思います。

逆にグースネックは重心が深く、重心角も大きいので打点のブレに強いです。刃が遅れてボールに当たるため、フェースが閉じ気味でインパクトしやすく、つかまりやすい傾向があります。またシャフト線上よりヘッドが後方にあるので振り遅れにも対応します。以上のことから、スライスに悩むゴルファーはグースの方が打ちやすいと思います。

ネック形状は入射角にも影響を与える

ダンロップ「スリクソン Z-FORGEDII」(左)と同「ゼクシオ 13」

ネック形状で比較しやすいのは「ダンロップ」のアイアンでしょう。ストレートの「スリクソン」グースの「ゼクシオ」、同じメーカーでもブランドで分かりやすくネック形状を変えています。この2つのブランドからも想像できますが、一般的には上級者はストレートを好み、アベレージゴルファーはグースの方がマッチしやすいと言えるでしょう。

ただ、実はネック形状はこれらの機能的な違いだけでなく入射角にも影響を与えます。大多数のゴルファーがストレートの方がダウンブローの角度が鋭角になり、グースの方が入射角が浅くなるというデータがあります。もちろん全てのゴルファーに当てはまるわけではないですが、「ヘッドの見え方で入射角が変わる」という面白いデータだと思います。

つまり、ダウンブローの角度が浅くてインパクトロフトが立たずに本来の距離を出せていない人はストレートの方が相性が良く、逆にダウンブローが強すぎて球が上がらないという人はグースが合うとも言えます。

また、ロフトを立てるとリーディングエッジが後方にずれることも知っておいて欲しいと思います。具体的にはロフトを2度立てるとリーディングエッジは後方に1mmずれます。ストレートネックのアイアンを購入して飛ばないからと言って安易にロフトを立てると、見かけが変わってしまいますので注意が必要です。

■ゴルフクラブABCとは
巷には様々なゴルフクラブがあふれ、自分にぴったりの一本を見つけるのは至難の業。そもそもクラブを選ぶにも難しい用語が多く、深く知ることを敬遠している人も多いのではないか。そこでクラブ選びに役立つ「基礎中の基礎=“ゴルフクラブのABC”」を、全国から“患者”が訪れるというすご腕クラブフィッターたけちゃんに分かりやすく教えてもらう。

■ たけちゃん プロフィール

香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者、浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる。出演する「ズバババGOLF」のYouTubeでは軽快なトークで人気を集める。