今さら聞けない「ストロークよりも大切なこと」パットのエイミングについて教えて
【アマチュアSさんの“今さら聞けない”】
パットはエイミング(正しい方向に向けているか)が重要と聞きます。でも、自分が正しく目標に向けているかって、どうやって調べるのでしょうか?
エイミングはストローク以上に大切
【たけちゃん'sアンサー】
「エイミング(aiming)」はパッティングを語る上で外せない要素のひとつ。パッティングの際に、フェース面をターゲット(ないしスパット)に真っすぐ向けることを意味します。
例えば2メートルの完全なストレートラインがあるとします。どんなに完璧なストロークをしたとしても、そもそも構えたフェースの向きがカップから外れていたら、絶対に入るはずがありません。仮にフェースの向きが1度ずれると2m以上のパットは入らないと言われています。その意味でもストローク以上に大切なのがエイミングなのです。
エイミングを調べる方法はいくつかあります。私の工房ではフェース面に鏡を貼り、目標物(仮想カップ)からレーザーを当て、鏡に跳ね返った光が目標物の上に正しく返ってくるかを調べます。
エイミングがストローク以上に大切な理由は、「多くのゴルファーがパットを外すと自分のストロークを修正しようとするから」です。エイミングがズレているとは思わないため、良かったストロークまで悪くなるという悪循環に陥るのです。これはプロでもよくあること。パットが不調の時はエイミングを疑うクセもつけた方が良いでしょう。
人間の視覚はいい加減
ちなみにパターのヘッド形状やクラウンのサイトラインもエイミングに大きな影響を及ぼします。基本的に人間の視覚は、フェースに注目すると左を向きやすく、フェースから遠い部分(後方)に注目すると右を向きやすい。つまり、ヘッド形状で言えばピン型は左を向きやすく、マレット型やネオマレット型は右を向きやすい傾向にあります。サイトラインも同様で、フェースに近い部分にラインがあると左を向きやすく、後方にあれば右を向きやすいのです。
一度エイミングを調べて、もし“自分の真っすぐ”がずれていたときは、無理して直すのではなくパターを変えてみるのも選択肢に入れてほしいですね。
■ゴルフクラブABCとは
巷には様々なゴルフクラブがあふれ、自分にぴったりの一本を見つけるのは至難の業。そもそもクラブを選ぶにも難しい用語が多く、深く知ることを敬遠している人も多いのではないか。そこでクラブ選びに役立つ「基礎中の基礎=“ゴルフクラブのABC”」を、全国から“患者”が訪れるというすご腕クラブフィッターたけちゃんに分かりやすく教えてもらう。
■ たけちゃん プロフィール
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者、浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる。出演する「ズバババGOLF」のYouTubeでは軽快なトークで人気を集める。