新製品レポート

これが「AI」のチカラか 中空なのにスピンが入る キャロウェイ「APEX Ai200/Ai300」アイアン

2024/08/14 15:00
9月6日発売のキャロウェイ「APEX Ai200(写真右)/Ai300(写真左)」アイアン

初代「APEX」から10周年を迎えることし、キャロウェイから新「APEXシリーズ」が登場。同シリーズは米国市場でアイアン部門No.1セールスを記録したこともあり、ロングセラーとなっている。新モデルでは進化したAIフェースと鍛造製法を融合。その打感、弾道、特徴をアスリートゴルファーのコウタロウ(ドライバーでHS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(同HS40m/s)がチェック。詳しい性能はギア知識が豊富なミタさんが解説する。

フェースもボディも鍛造!2モデルのAIフェースは異なる設計

「APEX Ai200」7番アイアン(30度)。APEXらしいやや丸みを帯びたフォルム

【ミタさん】
新作ではモデル名に「Ai」が入った新「APEXシリーズ」です。「Ai200」と「Ai300」の2機種がラインアップしています。

【コウタロウ】
キャロウェイとしては、どんどんAIのテクノロジーを活用していこうってことですかね。

【シオさん】
でも、「APEXシリーズ」は伝統的にフォージド(鍛造製法)であることが魅力でしたよね。

【ミタさん】
もちろん、それは継承しています。「Ai200」「Ai300」ともにフェースもボディも鍛造製法です。

「APEX Ai300」7番アイアン(29度)。飛び系だがロフトは立っておらず安心感のある顔

【コウタロウ】
えっ、ボディも鍛造!? 最近はフェースが鍛造、ボディは鋳造というアイアンが多いけど。

【ミタさん】
「APEX」はツアーレベルの打感を追求しているので、インパクトを受け止める側のボディも鍛造なのがこだわりです。

【シオさん】
もう一つ、気になったのはフェース。両モデルともAI設計フェースだと思うんですが、「Ai200」と「Ai300」のフェースは一緒ですか?

【ミタさん】
実は違います。パラダイム Ai スモークドライバーのように各モデルでフェースの設計が異なります。「Ai200」は平均スコア80台のゴルファーデータをインプットしていて、「Ai300」は90~100前後のゴルファーを想定したフェース設計です。

「Ai200(左)」よりも「Ai300(右)」の方がヘッドサイズとソール幅が大きい

【コウタロウ】
ちなみにロフト設定は?

【ミタさん】
7番アイアンで「Ai200」が30度、「Ai300」が29度です。

【コウタロウ】
今年のキャロウェイのアイアンで言えば「Xフォージドスター」が品切れになるくらい大ヒットしているじゃないですか。同じフォージド系でロフトもほぼ同じなので、そこと比較してどうなのかも気になりますね。

【ミタさん】
そのあたりも打って確認しましょう!

操作性より直進性を重視! 打点ブレに強いチョイ飛び系

「中空っぽくない打感に驚き」(コウタロウ)

【コウタロウ】
まず「Ai200」。カッコイイ系のバックフェースの割に、構えたときの印象は丸みがある。トップラインがボールを包みこむイメージです。サイズ感は大きくもなく、小さい感じもしないので、本当にスタンダードな鍛造アイアンです。

【ミタさん】
打感はどうですか?

【コウタロウ】
「Xフォージドスター」のような”1枚もの”アイアンのフィーリングに近づいていて、中空アイアン独特の弾く感じがかなり抑えられてますね。それでいてスピードが出て、飛びそうな打感です。実際に飛距離性能は高かった。操作性があるというよりも、オートマチックにストレートボールが打ちやすい。ドローやフェードで色んな球筋を打ちたいタイプ向けではないかも。

「ロフトは立っていないが飛距離性能は申し分なし」(シオさん)

【ミタさん】
シオさんはどうでしたか?

【シオさん】
見た目の印象より、飛距離が出ますね。ロフトは同じなのに「Xフォージドスター」よりキャリーで5~10ヤード以上は伸びていました。それと上下の打点ブレに強くて、ミスヒットしたときの方向性や飛距離が安定していました。

【ミタさん】
「Ai300」はどうでしたか?

【コウタロウ】
グースがしっかりあって、昔のキャロウェイっぽい感じですね。「Ai200」に比べると2段階くらいやさしい。つかまりが良くて、ミスヒットにも強いので、アベレージゴルファーにとって安心感のあるアイアンです。

「初速+スピンで弾道の高さが生まれる感覚ははじめて」(コウタロウ)

【シオさん】
払い打ちでも楽に打球が上がるので、これは100前後のゴルファーでも十分に使えそう。私のヘッドスピード(40m/s)でも自然とドローボールになりました。

【コウタロウ】
打ち込んでいくタイプは「Ai300」より「Ai200」の方がイイ。「Ai200」はダウンブローに打てるとしっかりスピンが入る。中空アイアンでここまで安定してスピンが入るアイアンは初めてかも知れない。

【ミタさん】
AIが設計した「Ai200」のフェースに加え、重心自体もそこまで低くしていません。きっとダウンブローに打ち込んでフェースのやや上側でボールを打つゴルファーを想定しているのでしょう。

【コウタロウ】
だから、スピンが入るんだ。これならキャリーでグリーンを狙える。

「APEX Ai200」7番アイアンの平均データ。コウタロウは打ち出し角「20度」でとても高いボールフライト

【ミタさん】
逆に「Ai300」はフェース下部の打点を想定し、左右の打点ブレのミスも意識したフェース設計になっています。

【シオさん】
この許容範囲はすごいですね。ハーフトップしても普通に飛んでくれるので、同伴競技者にはほとんどバレない感じがします(笑)。

「APEX Ai300」7番アイアンの平均データ。「Ai200」と比べて打ち出し角はあまり変わらず、スピン量が下がる傾向に

【ミタさん】
「Ai200」は中級者でオートマチックにアイアンを打ちたいゴルファーにピッタリ。打感、直進性、飛距離性能のバランスがとてもいい。「Ai300」はグースネックのセミラージサイズ。振り遅れやダフリのミスにも強いので90台ゴルファーから、100切りを目指している人まで幅広いゴルファーが使えるアイアンです。

【シオさん】
ことしのドライバー(パラダイム Ai スモークシリーズ)も打点ブレに強かったけど、アイアンも同じ印象です。曲がらないだけではなくて、飛距離が大きく変わらないのが魅力的です。

まとめ

「APEX Ai200」は全体的に評価が高い
「APEX Ai300」のやさしさは両者とも◎

■ 試打したクラブのスペック

キャロウェイ APEX Ai200
●番手 7I:30度(写真は6I)●シャフト:N.S.プロ950GH neo●硬さ:S

キャロウェイ APEX Ai300
●番手 7I:29度(写真は6I)●シャフト:N.S.プロ950GH neo●硬さ:S

■ マイクラブ情報

コウタロウ:ピン ブループリント アイアン
●番手(ロフト角):7I(34度) ●シャフト:KBS Cテーパー 125 ●硬さ:S+

シオさん:タイトリスト T300 アイアン<2021年>
●番手(ロフト角):7I(29度) ●シャフト:NSプロ モーダス3 ツアー 105 ●硬さ:S

■ ミタさん プロフィール

1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

■ コウタロウ プロフィール

1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

■ シオさん プロフィール

1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。

キャロウェイ
APEX10周年のAiフォージドアイアン
発売日:2024/09/06 参考価格: 211,200円
キャロウェイ
飛びと打感をアップグレードした やさしいAiフォージドアイアン
発売日:2024/09/06 参考価格: 211,200円