新製品レポート

上がりやすさを加えて帰ってきた ヤマハ「インプレスドライブスター TYPE-S/TYPE-D」アイアン

2024/08/27 10:00
9月20日(金)発売の「インプレス ドライブスター(INPRES DRIVESTAR)TYPE-S/TYPE-D」アイアン

飛び系アイアンブームを巻き起こしたヤマハの「インプレスシリーズ」。新作は「TYPE-S」「TYPE-D」の2モデル展開となった。その性能はどのように進化したのか?気になる打感、弾道、特徴をアスリートゴルファーのコウタロウ(ドライバーでHS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(同HS40m/s)がチェック。詳しい性能はギア知識が豊富なミタさんが解説する。

前作より短くしたけど、タングステンは大増量!

ロフト(7Iで25度)は前作と同じだが低・深重心化で打ち出しがさらに高くなったようだ

【ミタさん】
今回紹介するのは飛び系アイアンの本命「インプレスドライブスター」アイアンです。

【コウタロウ】
ザ・飛び系アイアンですね。ロフトも立っているし、クラブも長いから、飛距離はまたすごそうですね。

【ミタさん】
たしかにロフトは立っています。「TYPE-S」「TYPE-D」も7番アイアンで25度です。ただし、振りやすさを重視するためにクラブ長は0.25インチ短くしています。

【シオさん】
短くなったのは芯を外しがちなゴルファーにはありがたいですね。

「TYPE-S」(写真左)よりも「TYPE-D」(写真右)のほうがワイドソールで重心が深い

【コウタロウ】
でも、ロフト25度で本当に高さは出せるんですか?

【ミタさん】
今回のコンセプトは「高弾道&高初速」。弾道を高くするために大容量のタングステンを搭載しています。「TYPE-S」には前作から30グラム以上も多い70グラム、「TYPE-D」にも40グラム以上のタングステンを入れることで低重心設計にして、球を上げやすくしています。

【コウタロウ】
高初速はどうやって?

【ミタさん】
ヤマハ独自のリブ構造によって重心と打点を同じポジションに近づけることで、ボールスピードを最大化しています。

前作の23'モデルに似たスッキリ形状の「TYPE-S」(写真左)と安心感のある「TYPE-D」(写真右)

【シオさん】
「TYPE-S」と「TYPE-D」はどういう違いですか?

【ミタさん】
ドライバー同様にイチバンの違いは形状です。「TYPE-S」はアスリートゴルファーにも好まれるシャープな形状でトップラインが薄め。「TYPE-D」はグースが入っていて、トップラインも厚い。オートマチックに打てる安心感があってダフりに強い形状です。

【コウタロウ】
ストロングロフトとバックフェースの雰囲気だけでも飛びそうな気配があるので、どのくらい飛ぶのか楽しみですね

7番アイアンで220ヤード!ただし、スピン量は3000回転

「アイアンとは思えない弾道にビックリ!」(コウタロウ)

【コウタロウ】
まずは形状がアスリートモデルに近い「タイプS」から打ってみます。構えた印象は「インプレス」というより「RMX」に近い。ゴルフ歴が長い中・上級者が好きな顔です。

【ミタさん】
飛距離はどうですか?

【コウタロウ】
いきなり7番アイアンでトータル200ヤードを超えましたよ。たしかに飛びますし、打球も低くない。ただし、スピン量は3000回転台だったので、アイアンの弾道というよりはユーティリティに近い弾道でしたね。

「前作よりも最高到達点が高いですね」(シオさん)

【シオさん】
打感は弾き系ですが、たしかに初速も出るし、弾道も高い。私の場合は下側で打ったときでもある程度の高さが出てくれたのが良かったです。

【ミタさん】
実は今回、ソールの最薄部分を前作から拡大しているので下側ヒットにも強くなっています。

【シオさん】
私は普段から飛距離性能が高いアイアンを使っていますが、それでも7番アイアンでキャリー155ヤードくらい。それが「TYPE-S」だと180ヤード近く飛びました。でも弾道は中弾道くらいです。

「TYPE-S」7I(25度)の平均データ。スピン量は少ないが落下角度は40.5度(シオさん)と 45.1度(コウタロウ)だった

【ミタさん】
「タイプD」はどうでしたか?

【シオさん】
さらにキャリーで5ヤードくらい飛距離が伸びて185ヤードまで行きました。さらにこっちは、高さも出ましたね。

【ミタさん】
落下角度が40度を超えていたので、一般的なグリーンであれば止められる弾道です。ただ、これより長い番手だとキャリーで止めるのは厳しいかもしれません。

【コウタロウ】
私は220ヤード近くまで飛んじゃいました。(笑)

【ミタさん】
ちょっと飛びすぎる感じでしたか?

【コウタロウ】
たしかに飛びすぎるし、グリーンを狙うイメージは出しにくい。ただ、距離は4番アイアンと同じくらい。そもそも4番アイアンでグリーンで止めるのは難しいので、それなら「TYPE-D」の7番アイアンを入れる方が使いやすそう。

「TYPE-D」7I(25度)の平均データ。両者とも「TYPE-S」よりも初速が出ている

【シオさん】
私も残り180ヤード前後なら、グリーンの近くまで運べればOKなので、そういう使い方をすれば問題ありません。ロフトが立っているので、フェースの見え方は5番アイアンくらいですが、前作より0.25インチ短くなったことで振りやすい感じがしました。

【ミタさん】
カーボンシャフトはどうでしたか?

【シオさん】
数字上の重さはスチールより軽くなっていますが、振り感はそれほど変わらずにヘッドとのバランスが良かったです。

【ミタさん】
アイアンも軽量化による振りやすさを追求したモデルになっています。

装着シャフトはN.S.PRO 850GH neo(S/88g)とSPEEDER NX for Yamaha M-425i(SR/50g)

【ミタさん】
「インプレス」の新アイアンは飛び系というコンセプトは変えずに、振りやすさと上がりやすさを追求したモデルになっています。以前は2番手アップというコンセプト(UD +2)でしたが、新モデルは2.5番手から3番手くらい飛距離が伸びています。「タイプS」は23年モデルの「インプレス ドライブスター」を継承したシャープな形状。「タイプD」は21年モデルの「インプレス UD+2」を彷彿させる大型ヘッドのアイアンです。

【コウタロウ】
バックフェースのデザインはすごく上品ですが、飛距離はイケイケ。そのギャップに驚きました。

まとめ

シャープなトップラインは両者とも好印象
「TYPE-D」の初速性能はとても高い

■ 試打したクラブのスペック

ヤマハ インプレス ドライブスター TYPE-S
●番手(7I):25度●シャフト:N.S.プロ850GH neo●硬さ:S

ヤマハ インプレス ドライブスター TYPE-D
●番手(7I):25度●シャフト:SPEEDER NX for Yamaha M-425i●硬さ:SR

■ マイクラブ情報

コウタロウ:ピン ブループリント アイアン
●番手(ロフト角):7I(34度) ●シャフト:KBS Cテーパー 125 ●硬さ:S+

シオさん:タイトリスト T300 アイアン<2021年>
●番手(ロフト角):7I(29度) ●シャフト:NSプロ モーダス3 ツアー 105 ●硬さ:S

■ ミタさん プロフィール

1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

■ コウタロウ プロフィール

1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

■ シオさん プロフィール

1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。

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