本間の「10K」は顔も打感もホンマもん「TW767ドライバー」試打 ガラっと路線変更
今回のTWは、いつものTWじゃない。29日に発売される「TW767ドライバー」は10K(10000g・cm2)の慣性モーメントを実現しつつ、斬新なヘッド構造を採用。アスリート路線からアベレージ向けにシフトしてきた。高弾道で直進性の高いスタンダードモデル「TW767」、ドローバイアス設計「TW767 MAX(以下、MAX)」、ロースピンタイプ「TW767 LS(以下、LS)」の3機種がラインアップ。それぞれの特徴をギアの知識が豊富なミタさんが解説、飛距離性能、弾道、打感はアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、分析した。
チタン・カーボン・チタンのサンドイッチ構造でスピードもやさしさもMAXに
【ミタさん】
今回紹介するのは「TW767ドライバー」です。今回のホンマは変化してきました。
【シオさん】
何が変わったのですか?
【ミタさん】
ご存じ、モデル名にもある「TW」とは「ツアーワールド」の略、アスリートゴルファーやツアープレーヤーをターゲットにしたブランドでした。それが今回はアベレージゴルファー向けのシリーズに大転換しています。
【コウタロウ】
ツアーモデルから一気にアベレージモデルですか。
【ミタさん】
はい。ミスヒットの許容性を高めており、上下左右の慣性モーメント合計値が「TW767」「MAX」どちらも10000(10K)を超えています。
【シオさん】
すごく、やさしくなったんですね。でも、何となく慣性モーメントを大きくすると飛距離が出ない印象が…。
【ミタさん】
それを解決するために、今回のドライバーには5年前から開発していたカーボンロールテクノロジーを初採用しています。
【コウタロウ】
それはどういう構造ですか?
【ミタさん】
簡単に説明するとフェース側がチタン、ボディ中央はカーボン、ヘッド後方をチタンにしています。カーボンボディをサンドイッチのようにチタンで挟むことによって、インパクトの瞬間にヘッド後方のチタンがカーボンボディを押してボールスピードを上げてくれる構造になっています。
【コウタロウ】
後方のバックウエートはどのくらいの重量ですか?
【ミタさん】
「TW767」と「MAX」は20.5グラムで、「LS」は15グラム。かなりのウエートを最後部に配置しています。
【シオさん】
10Kで飛ばせる構造は魅力的ですね。打つのが楽しみです。
「MAX」は顔のいいドローバイアス設計。一番飛ぶのは「LS」!?
【コウタロウ】
最初に「MAX」を打ちましたが、想像していた「MAX」じゃない。オートマチックに動くというよりは、自分の感覚でヘッドを動かせました。
【ミタさん】
「MAX」はドローバイアス設計になっているのでフェースターンしやすい。ある程度の操作性を出せるのも特徴です。
【シオさん】
たしかにアスリートモデルではなくて、アベレージゴルファーやシニアゴルファーが使えるドライバーになっています。打ち出しも高くて、ドロー回転が入りやすい。これはスライスに悩んでいる人にもオススメできます。
【コウタロウ】
それと顔が良くて、構えやすいのには驚きました。「MAX」なのにかなりハンサムですよ。
【ミタさん】
本間のこだわりとして、今でもドライバーのヘッドは木を削ってモックアップを作るところからはじめています。ヘッド形状は往年の“本間顔”を継承している部分があります。
【コウタロウ】
10Kになってもモックアップから作るのはすごいですね。
【シオさん】
打感も弾き系ではなくて、ちょっとソフトな感じでした。
【コウタロウ】
本間らしい打感で、海外メーカーとはちょっと違います。
【ミタさん】
スタンダードの「TW767」はどうでしたか?
【シオさん】
「MAX」みたいなシャローヘッドではなくなって、よりオーソドックスな形状で、ヘッドのすわりもとても良かったです。打ち出し方向も「MAX」ほど左に出なくなり、私は安心してつかまえにいけました。
【コウタロウ】
飛距離というより方向性がすごくイイ。真っすぐ飛んでくれるので、大きく曲がってしまう恐怖感がない。そんなところもアベレージゴルファーに向いていると思います。
【ミタさん】
最後にセレクトストア限定モデルの「LS」はどうでしたか?
【コウタロウ】
「LS」は他の2モデルと同じシリーズとは思えないほど、全くの別物。カラーリングからも伺えますが、しっかりとターゲットが区分けされています。これは操作性に優れた、飛ばせるドライバーです。ボールスピードも72m/sを超えるのもあり、300ヤード以上飛びました。スピン量も2000回転強になっていたので「飛ぶ数字」が揃っていた。打感も弾き系です。
【シオさん】
たしかにボールスピードは上がりそうですが、ヘッドスピード40m/sの私が打つとちょっとハードです。「LS」はアベレージモデルというよりも、セミアスリートとかアスリートゴルファー向きの印象でした。
【ミタさん】
「LS」のヘッド体積は450ccで、慣性モーメントも約8600g・cm2に抑えています。ですから海外のアスリートモデルを使っているゴルファーにとっても違和感のないヘッドだと思います。
【ミタさん】
シリーズ全体として寛容性が高くなり、やさしくなりました。「TW767」と「MAX」はヘッドスピード40m/s前後のアベレージゴルファーが打ちやすいドライバーです。特徴としては10Kなのに顔がオーソドックスで打感がソフトなこと。スライサーが選ぶなら「MAX」がオススメで、より直進性を求めるならスタンダードの「TW767」がいいでしょう。「LS」は打感も弾道も別タイプ。スピン量を抑えてボールスピードを追求しているので、飛距離のポテンシャルは一番高い。弾き系の打感で中弾道。ヘッドスピード45m/s以上のパワーヒッターがいちばん飛ばせるヘッドになっています。
【コウタロウ】
「LS」のボールスピードは海外の大手メーカーにも負けていません。
まとめ
■ 試打したクラブのスペック
HONMA TW767ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:VIZARD EZ-C●硬さ:S
HONMA TW767 MAXドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:VIZARD EZ-C●硬さ:S
HONMA TW767LSドライバー
●ロフト角:9度 ●シャフト:VIZARD EZ-C●硬さ:S
■ ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。
■ コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。
■ シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。