新製品レポート

「マスターズを制したガルシアの優勝パター」テーラーメイド スパイダー ツアー レッド

2017/05/11 08:00

ブラックよりも打感がマイルドでしっとり

【ミーやん】前回試打した『スパイダー ツアー ブラック』に続いて、今回は赤いほうの『スパイダー ツアー レッド』を試打します。こちらは、もともとジェイソン・デイのために開発されたモデルです。今年のマスターズではセルヒオ・ガルシアが使用して、オーガスタナショナルのガラスのグリーンを攻略しました。すでに大人気で、限定発売モデルということもあり、取扱店では品薄状態だそうです。

【ツルさん】マスターズの決勝ラウンドではガルシアが勝負どころのパットを決めきれなくて、視聴者はもどかしい思いをしましたよね(笑)。でも4日間のトータルで考えると、ガルシアのパッティングはかなり良かったんですよ。マスターズ優勝のすべてがこのパターのおかげではないでしょうけれど、ゴルファーに注目されるのは当然ですよね。

【ミーやん】素朴な疑問ですが、赤がジェイソン・デイのモデル、黒がダスティン・ジョンソンのモデルということなんですよね? どうしてこちらのモデルはヘッドが赤なんでしょうか?

【ツルさん】当初は、ジェイソン・デイも黒いヘッドのプロトタイプを使っていました。あるときに彼が「僕は赤が好きだから、赤いのを作って!」とテーラーメイドに言ったら、作ってくれて気に入った。ただ、それだけのことなんです(笑)。

【ミーやん】あ、それだけの違いなんですね。でも、赤と黒では装着されているグリップも違いますよね。

【ツルさん】レッドには58グラムのグリップ、ブラックには76グラムのグリップが装着されています。それよりも大きな違いが、フェースインサートの素材です。ブラックは「80-20アルミニウム」。こちらのレッドは「アイオノマー(サーリン)」素材のインサートになっています。

【ミーやん】打ってみると、レッドは比較的マイルドな打感です。ブラックのほうは、もっとカッチリした打感でしたね。

【ツルさん】ダスティン・ジョンソンがブラックを使っているのは、以前にステンレスの削り出しパターを使っていて、しっかりした打感に慣れているからという理由もあるようです。僕は単純に赤いヘッドがカッコ悪いと思ったので、ブラックを買いました(笑)。

【ミーやん】前回もレポートしましたが、やはりこのパターは構えたときにフェースが右を向いているように感じてしまって、僕には構えづらいです。ヘッドの慣性モーメントの大きさは分かるのですが、肝心のやさしさが感じられません。

【ツルさん】ソールのテール側に厚めの鉛を貼ると、ヘッドの座りが変わって自分好みのフェース向きになりますよ。僕はとにかくスラントネックと高慣性モーメントのヘッド挙動が気に入っているので、テールに装着されている2つのウエイトを替えたり、グリップを替えたり、これはあくまでも自己責任ですが、ネックも無理やり自分仕様に曲げてカスタマイズして使っています。僕のようにハマる人には、手放せないパターになりえるモデルです。

■ 試打クラブのスペック

テーラーメイド スパイダー ツアー レッド
ロフト角:3.5度、ライ角:70度、長さ:34インチ
発売日:2017年3月、価格:税抜45,000円(税込48,600円)

■ マイクラブ情報

ミーやん:ピン スコッツデール アンサー2(ロフト角:3度、ライ角:70度、長さ:34インチ)
ツルさん:テーラーメイド スパイダー ツアー ブラック(ロフト角:3.5度、ライ角:70度、長さ:34インチ)

■ ミーやん プロフィール

1978年生まれ、自分に合うクラブを求めて、片っ端から新製品の試打を行うエンジョイ志向のGDO編集部員。ヘッドスピード42m/s、持ち玉は低・中弾道のドローというか、むしろチーピン。チーピニストからの卒業を目指し、現在はスイングを改造中。

■ ツルさん プロフィール

1974年生まれ、シングルの腕前を持つ。とにかくボールを打っていたいギア好きのゴルフライター。メーカーの新製品発表会には出向くのはもちろん、毎年アメリカのゴルフ見本市「PGA SHOW」に行って最新クラブをチェックしている。ヘッドスピード46m/s、持ち玉は中・高弾道のドロー。

テーラーメイド
ジェイソン・デイ愛用のパター
発売日:2017/04