パターフィッティング最前線 「トウ寄りヒット」が原因の距離のバラつきを直すには?/オグさんのPUTTER偏愛日記#14
今回は、オデッセイのパターフィッティングを受けてきた模様をレポートします。フィッティングは自分に最適な一本を見つけるだけでなく、ストロークの癖やミスの傾向、その根本的な原因を追究する絶好の機会です。スコアの約4割を占めると言われるパッティングの質を磨く、非常に良いきっかけになります。
独自のメソッドでパッティングを詳細解析
訪れたのは、2025年8月にオープンした東京・渋谷の「キャロウェイパフォーマンスセンター」。最新鋭の機材が揃い、質の高い分析を受けられる施設です。今回担当していただいたのは、フィッティングスペシャリストの國廣(くにひろ)さん。まずはカウンセリングからスタートです。「オフセットのあるモデルが苦手で、左へのミスが出やすい」「オフセットのないセンターシャフトが好み」「重心が深すぎるモデルは距離感が合いにくい」といった好みを伝えた上で、愛用のパターを預けてスペックを計測。特に「左へのひっかけ」を嫌っている点を強調して伝えました。
オデッセイのフィッティングの核となるのは、計測器「SAM PuttLab(サムパットラボ)」です。多角的なデータ計測により、パッティングのすべてを可視化してくれます。自身のパターに計測用機材を装着し、4~5m先のカップに向けて7球打ちます。最初の1~2球こそ機材の重さを感じましたが、すぐに慣れ、いつもとほぼ同じ状態でストロークできました。
軌道やフェース向きを細かく分析する
7球中6球がカップインしたのですが、数字を見ると私のストロークは「アーク型」でした。 ちなみに、方向性は79%、再現性は76%で、評価は良好です。
続いて、インパクト時のフェース向きや軌道を確認する「Direction」を分析。フェース向きは平均1.2度オープンと、かなり開いてインパクトしていることが判明しました。一方で、軌道は前述の通り1.7度のカット。開いたフェースをカット軌道で相殺しているのか、カット軌道をフェースを開くことで真っすぐ当てようとしているのか。いずれにせよ、クセが強いことは確かです。
打点の位置がそろわない…
次に示されたのは、7球の打点位置。画面を見ると、センターに対してトウ寄りに打点が集中し、バラつきも目立ちます。平均5mmトウ寄りの、やや高い位置でヒット。インパクト時にはトウ側が5.8度も浮いていました。打点位置のスコアは65%で、警告を意味するイエロー。再現性に至っては48%のレッド表示です。「ここが小倉さんのウィークポイントだと思います」と國廣さん。自分では気付けなかったポイントを客観的に指摘いただき、身が引き締まる思いです。
ストロークの“クセ”が浮き彫りに…
今度は、ストローク中のフェース開閉(ローテーション)と「フェース・トゥ・パス(軌道に対するフェースの向き)」をチェック。ヘッド軌道と混同しがちですが、それとは別です。私はアドレス時に1.9度オープンに構え、テークバックでは0.8度とわずかに閉じながらインパクトし、そのまま1.1度閉じながらフォローへ向かうスタイル。開閉自体は少なめで再現性が高いものの、「開いて構え、始動からフォローまで閉じ続けながら打つ」というクセが浮き彫りになりました。我ながら、こんな器用なことをしているのかと感心すらしてしまいました…。
弱点の「トウ寄り打点」に強いモデルは?
分析により、自分のパッティングの長所と短所が可視化され、修正ポイントが明白になりました。「真っ先に改善すべきは、距離のバラつきに直結するトウ寄りの打点です」と國廣さんは言います。 私個人としては、すでに一定の再現性があるのなら、パターを替えることで解決するのが得策だと考えています。國廣さんに相談すると、次のような提案をいただきました。
「ブレードの長いモデルは、トウ寄りのミスで挙動が不安定になりやすいです。本来は、慣性モーメントの高いマレット型がおすすめですが……重心距離が深いモデルを避けるなら、小ぶりなマレットの『Ai-ONE JAILBIRD NANO CS』が最適です。これなら打点がズレても転がりの差が少なく、安定感が向上します。パッティングスタイルが未確定の方にはデータに基づいた正解を提案しますが、小倉さんのように固まっている方には好みと結果が両立するモデルを導き出します」
最後に、「Ai-ONE JAILBIRD NANO CS」を自分に合ったライ角に調整してもらって試打。ライ角まですぐに合わせてもらえるのは非常にありがたいです。実際に打ってみると、確かにトウ寄りでヒットしても転がりの差が抑えられていました。また、買ってしまう予感がします…。
今回のまとめ
まとめると、私のウィークポイントはトウ寄りでヒットしてしまう点。転がりの再現性を下げる大きな要因です。これをクラブで補うには慣性モーメントの大きい大型マレットが最適です。しかし私には扱いにくいと伝えていたことで、ミスヒットをできるだけカバーしてくれる小型のマレットを提案いただきました。
スコアアップを願うなら、腕前を問わずこのフィッティングを受けて損はありません。自分に合うモデルが判明するだけでなく、自身のパッティングに対する最高の“処方箋”が手に入ります。ぜひ、お試しあれ!
■ 小倉勇人(おぐら・はやと) プロフィール
ゴルフショップ「ゴルフフィールズ ユニオン」店長。クラフトマン、クラブフィッター、さらに雑誌やウェブ記事の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。