アディダス“名作”シューズをゴルフ場で試し履き
GDO社員3人(シューズマニア室井、バイヤー塩田、編集部員柴田)が新作ゴルフシューズを試し履きする企画。番外編の今回は、アディダスの名作スニーカーをモチーフに開発され、いずれも5月に発売されたばかりの「スタンスミス ゴルフ」と「オリジナルスSS ゴルフ」を柴田がコースで履き、実際に9ホールずつをラウンドした履き心地をレポートする。
「スタンスミス ゴルフ」を履いてみた
お馴染みのアディダスのテニスシューズ「スタンスミス」をゴルフ用に開発したのが、「スタンスミス ゴルフ」です。広報によると、4月7日に数量と店舗限定で発売されたグリーンを基調としたモデルは、発売後54分で完売。今回紹介する定番カラーモデルも、GDOゴルフショップでは発売後12時間ほどで完売したとあって、スタンスミスの人気の高さがうかがえます。
ぱっと見で通常モデルのスタンスミスと最も違うのが脱着可能のキルティ。とても印象的で“映え”ますが、何となく汚すのが嫌なことと、もしかして足首に引っ掛かってプレーの邪魔になりそう?ということで、外してプレーしました。キルティを外すと形状はほぼ普通のスタンスミスですが、よく見ると、こだわりを感じさせるギミックが散りばめられています。遠目にはわかりませんが、アッパー表面にはゴルフボールのディンプルのようなボコボコした細やかな加工がされています。
シュータンの淵はギザギザ状にカットされており、ウィングチップの革靴のような高級感のある模様が入っています。プリントされたスタン・スミス氏の肖像画は、ゴルフハンチングを被った特別仕様で遊び心を感じます。
インソールは、ティアップされたゴルフボールと、ピンフラッグが描かれたデザイン。記されている「PRIMEGREEN」(プライムグリーン)とは高機能リサイクル素材のことで、アッパーやアウトソールに使われており、このシューズの“ウリ”のひとつとなっています。
サイズは普段より0.5cm小さめの27㎝を選択しました。余談ですが、自宅でのリモートワークが続き、むくみが解消されたせいか足が小さくなった気がしています。私だけじゃないと思うのですが、どうなのでしょうか…。
一般的なゴルフシューズと比べるとアッパー素材は軟らかく、屈曲性に優れています。重さは385g(片足/25.5cm)と、同ブランドの新作ゴルフシューズ「ZG21ボア」(390g=同)とほぼ同じ。土踏まずの盛り上がりは低めなので、少し隙間ができ、浮いている感じがありましたが許容範囲。甲とかかとのフィット感は抜群で、横の動きへの対応能力はさすがテニスシューズをベースに開発されたという印象です。スイングでフィニッシュの際に、靴の中で足がターゲット方向にずれる感じもありません。ただ、通気性は良くないので、ハーフで一度ひもを緩め、ランチ中に換気することをおすすめします。
スパイクレスのアウトソールは全面グリーンで、“レゴブロック感”たっぷりな独創的な形状をしています。不安に感じていたグリップ力ですが、これが意外にもGood!バンカーや傾斜のあるラフでもまったく不安を感じませんでした。ただし天気が悪い日には、突起の隙間に土がぎっしり…なんてことになりそうなのでお気をつけください。
「オリジナルスSS ゴルフ」を履いてみた
原型のアディダス「SUPERSTAR(スーパースター)」は1970年代から半世紀に渡って人気の名作スニーカーです。個人的にも学生時代からこれまでに計4足履きつぶした思い入れの強い一品です。「オリジナルスSS ゴルフ」はスーパースターにインスピレーションを受けてデザインされたゴルフシューズなのですが、見た目はスーパースターそのもの。いろいろと権利の事情があり、今作のネーミングになったようです。いわゆる大人の事情はさておき、そんな“なつかしの青春シューズ”がゴルフ仕様になったことを知り、即買いしました。
シュータンにプリントされた、ゴールドとブラックのラベルプリントや、スーパースターの特徴でもある貝殻のような放射状の模様が入ったラバーの“シェルトゥ”も健在。スタンスミスのような遊び心は感じませんが、このオールドスクールなデザインがクールで、グリーンの芝の上で映えます。
アウトソールの波型模様もそのまま。スタンスミス同様にレゴブロックのような突起がトウ側とヒール側に散りばめられています。カジュアルなゴルフシューズはスパイクレスが多いですが、これはソールに6つのソフトスパイクが配されています。
やや細めの作りになっており、サイズは普段通りの27.5㎝を選択。細身の私の足でも甲とかかとのホールド感は抜群です。スタンスミス同様に土踏まずに隙間を感じますが、スイングには何も問題なし。鋲がしっかりと地面をつかみ、グリップ力は一般的なゴルフシューズと比べて全く遜色ありません。鋲の突き上げも感じず、厚めのソールが足元に安定感をもたらし、フィニッシュまでぶれないどころか、右足つま先の“シェルトゥ”が上体のバランスを保ってくれます。重さは425g(片足/25.5cm)とゴルフシューズにしてはやや重めですが、とても軽快で重く感じることはありませんでした。アッパーの屈曲性はスタンスミスよりはやや張りがある感じですが、それでも一般的なゴルフシューズよりも軟らかいです。
正直まったく期待していなかったが…
正直ゴルフシューズとしての機能性はまったく期待していなかったこの2足ですが、滅相もございませんでした。カジュアルに楽しみたいエンジョイゴルファーはもちろん、しっかりとゴルフをやりたい上級者にも、ぜひおすすめしたいモデルです。
昨今はアディダスのほかにも、ナイキの「エア ジョーダン」や「エア マックス」、コンバースの「オールスター」など、人気スニーカーのゴルフシューズが登場しました。こうやって各ブランドが、ストリートのファッションアイコンをゴルフに取り込んでくれるのは、ゴルファーにとってうれしいことですよね。
アディダスには他にも「キャンパス」「サンバ」「カントリー」…と名作スニーカーが数多く存在します。“アディダス党”の私は、これらを次々とゴルフシューズにされては、プチ破産しそうなのでやめてほしい…と願う一方で、こちらも名作のひとつ「ZX500」のゴルフシューズ化を期待しちゃったりしています。(編集部・柴田)
アディダス「スタンスミス ゴルフ」スペック
●鋲タイプ=スパイクレス
●重さ=385g(片足/25.5cm)
●カラー=ホワイト/グリーン/ホワイト
アディダス「オリジナルスSS ゴルフ」スペック
●鋲タイプ=ソフトスパイク
●重さ:425g(片足/25.5cm)
●カラー:ホワイト/コアブラック/ゴールドメタリック
■ GDO柴田 プロフィール
紆余曲折を経てGDO編集部へ。188㎝と長身で主に選ぶシューズは27.5㎝だが、リモートワークが続き、むくみが解消されたせいか足が小さくなった気がしている。公私含め年間約30ラウンドをこなし、ゴルフシューズは年に一度は履き替えるアベレージゴルファー。
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