クラブ試打 三者三様

アーティザン ウェッジを西川みさとが試打「食いつき感がある」

2020/06/30 05:00

アーティザンゴルフ「アーティザン ウェッジ」の評価は!?

ナイキでタイガー・ウッズのクラブ作りを担当していたマイク・テーラー氏が、2017年に立ち上げた「アーティザン ゴルフ」。パトリック・リードの18年「マスターズ」制覇に貢献するなど、すでに米ツアーでは大きな存在感を見せている。そんなアーティザンのウェッジを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「色々できそうなウェッジだと思う」

※目標80ydを狙った平均弾道/ロフト角52度

―率直な印象は?
「今回は黒染め仕上げのモデルを打たせてもらったのですが、全体的に締まって見えるので、すごく操作しやすいイメージがもてました。実際のサイズも小ぶりですが、それ以上に黒ヘッドが構えやすかったです」

ロフト角52・56度 S(スタンダードソール)で試打

―構えやすさの要因は色だけ?
「いいえ、構えた時に上から見た印象ですが、リーディングエッジもスッキリしていて、フワッとボールを拾うような高い弾道から、低めに転がしていく弾道まで、どのような球筋も打ち分けられる印象がもてました。形状的にもやはりプロ仕様というか、本格派というか、色々できそうなウェッジであることが伝わり、それが構えやすさにつながったと思います」

今回は黒塗りメッキ仕上げで試打。ノーメッキもあり

―打感は?
「打感は非常にやわらかく、フェースにボールが食いついている感じが伝わりました。食いつき感がとても強いので、スピン性能も高いと思います。イメージした通りにスピンも掛かって、ボールが止まってほしい所で止まってくれました

ネックに入った「ARTISAN」の刻印とホーゼルのデザインが素敵

―アーティザンゴルフは、そもそもどういうイメージ?
「実はブランド名を聞いたことがなかったのですが、タイガー・ウッズを支えた開発者が作ったブランドと聞いて、納得という部分が大きいです。性能的には特殊というか、それほど大きな特徴はないのですが、それでも職人が丁寧に作った部分が伝わるウェッジ。格好良さもプラスされ、使いたい人は多いだろうなという印象を受けました」

ハイバウンスながらフェースを開いても浮きにくい設計

―バンカーでの性能はどう?
「今回は人工芝だったので、思いきりフェースを開いて打つということはできなかったのですが、それでもバンカーをイメージしてバウンスを滑らせると、しっかりバウンスが効いて、ボールが高く上がってくれました。フェースを開いても扱いやすい設計に作られていることが、練習場でも伝わりましたので、実際のコースならより操作しやすいと思います」

スピン性能を実感している様子の西川

―どのような人向き?
競技に出ているような上級者向けだと思います。初級者の方でも扱えなくはないのですが、フェースを開いたり、色々な弾道を駆使してグリーンを攻めたり、ある程度ゴルフを知っている人が使って恩恵を受けられるのかなと思います」

すべて4点台の高評価 【総合評価4.1点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:52度、56度(どちらもスタンダードソール)
・使用シャフト:NSプロ モーダス3 105/硬さS
・使用ボール:千代田ゴルフセンター専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、千代田ゴルフセンター

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。