クラブ試打 三者三様

シグマ2 パターを西川みさとが試打「しっかり打ち過ぎちゃう」

2020/08/18 05:00

ピン「シグマ2 パター」の評価は!?

全英前哨戦となる「ASIスコットランド女子オープン」で、渋野日向子が戻したエースパターと言えば、ピンの「シグマ2」だ。1年前の全英で渋野のウィニングパットを生んだモデルとして、発売から1年半が過ぎたいまなお、売り上げの上位をキープしている。そんな歴史を刻んだ名作パターを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「打感が少し物足りない…」

※スキッド:打ち出し直後の横滑り状態の距離

―率直な印象は?
「打感はかなりやわらかいです。もう少し大きな打音のするモデルのほうが個人的には好みなので、打感は少し物足りなく感じてしまいました…

『トゥん』という打音に注目を集めた形のキャッチコピー

―打感が物足りない…?
「はい。しっかり振り幅を大きく取って振るタイプの人に合うモデルと言えます。私の長年のパットの感覚では、打ち過ぎてしまう傾向があります。ただこれは、ボールの硬さとの相性もあるので、あくまでも好みの問題で、この感覚だから良いという人もいるはずです」

黒い部分のソフトPEBAXとブルーのハードPEBAXの二重構造

渋野日向子プロのエースパター「アンサー」はどう?
「『シグマ2 アンサー パター』は、見た目がスッキリしていて、ターゲットに合わせやすいモデルです。見た目の構えやすさが、とにかく印象的でした。ピン型が元々好きなので、ピンの伝統的モデル『アンサー』は、私にとってもドンピシャな見た目のモデルだと思いました」

並行モデルとして対比されることが多い両者

―「ヘプラー」シリーズと比べてどう?
「『ヘプラー』のほうが、明らかに打感が硬かったです。これは好き好きですが、私が選ぶとしたら『ヘプラー』シリーズだと思います。転がりはきっと『シグマ2』もそれほど変わらないのですが、やはり耳から入ってくる距離感の差。打音で距離感を覚えるタイプなので、その感覚にマッチしていたのは『ヘプラー』のほうでした。『シグマ2』もショートパットでは問題ないと思うのですが、ロングパットになるとその差が大きく影響してオーバーしてしまいそうで、怖いです」

「シグマ2 アンサー」と「ヘプラー アンサー2」。シグマ2のほうが縦長

―違いは音だけ?
「そうですね。あとは配色が与える見た目のイメージの違いですかね。『ヘプラー』は、ブラックとゴールドで全体のサイズ感が締まって見えます。コンパクトで操作性のあるほうが好きなので、同じ『アンサー』でも『ヘプラー アンサー2 パター』のほうが合っている感じがしました」

「ヘプラー」よりスキッドが長く、回転率が下がった(平均87%:ヘプラー88%)

―どのような人向け?
「『シグマ2』ほど打感がやわらかいモデルは珍しいと思います。ストロークでインパクトが緩みがちで悩んでいる人には、これぐらい打感がやわらかいほうが思いきり振れるぶん、合うのかもしれません。しっかり大きな振り幅で、ストロークすることを心がければ、距離感も合わせやすいと言えそうです」

3点台が並ぶ厳しい評価…【総合評価3.4点】

【転がり】3.0
【打 感】3.0
【寛容性】3.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・アンサー /ロフト角:3度 ライ角:70度 シャフト:34インチ
・タイン4 /ロフト角:3度 ライ角:70度 シャフト:34インチ
・使用ボール:タイトリスト プロV1

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、石岡ゴルフ倶楽部

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

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発売日:2018/12/14 参考価格: 30,240円
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