クラブ試打 三者三様

シグマ2 パターを万振りマンが試打「唯一無二の打感」

2020/08/22 05:00

ピン「シグマ2 パター」の評価は!?

「AIG女子オープン」では、惜しくも予選通過とはならなかったが、重要な局面で渋野日向子を救ったエースパターと言えば、ピンの「シグマ2」だ。一年前、渋野のウィニングパットを生んだモデルとして、発売から1年半を過ぎたいまなお、売り上げの上位をキープしている。そんな歴史を刻んだ名作パターを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンは、どのような評価をくだすのか!?

「インサートが特殊で思いきり打てる」

※スキッド:打ち出し直後の横滑り状態の距離

―率直な印象は?
「フェースのインサートに入っている『PEBAX』と呼ばれる素材が、とても特殊な打感を生んでいるように感じられました。フワッとしたやわらかさで、かなり強めにヒットしても、距離が出ないので、安心して思いきり打っていけるモデルではないかと思います」

万振りマンが試打したのは左右対称のセンターシャフトモデル「クッシンC」

―フワッとしたやわらかさとは?
「これほどやわらかいヘッドは、他メーカーでもなかなかないと言えます。弾きが弱いという表現ではなく、最初の当たった瞬間からボールが離れるまでの時間が長いという感じ。まさに、ピン特有の技術と言いますか、唯一無二のやわらかい打感を提供してくれるモデルと言えます。アプローチで例えるなら、キャリー9:ラン1くらいの感覚です(笑)」

周辺から中心部にいくほど深くなっているTR溝も健在

―キャリー9:ラン1…?
「ランはグリーンによって、どのように転がるか読めないところはありますが、キャリーだけなら、自分の思い通りに届かせることができます。その感覚と同じように、『シグマ2』はしっかり自分で距離感を出すイメージだと結果につながる。ほぼキャリーのみでカップに届かせるイメージで打てれば、最高の武器になるモデルだと思います」

センターシャフトの代表モデルである「シグマ2 クッシンC」と「ヘプラー パイパーC」

―「ヘプラー」と比べてどう?
「やわらかさの『シグマ2』と、硬さの『ヘプラー』。打感だけで言えば、真逆のモデルと言えそうです。形状は同じですが、打感は丸っきり異なるので、ユーザーは選びやすいと思います」

ジャストタッチよりややオーバー気味に狙うべきか…

―そうなると、打ち方も変わる?
「そうですね。打ち方と言うか、距離感の出し方が変わると思います。『シグマ2』は同じ振り幅でも、ボールを押し込んであげる打ち方でないとカップには届きません。逆に『ヘプラー』は、フェースの弾きだけでイメージしたほうが合わせやすい。距離のイメージが出しやすいほうを選べば間違いないでしょう」

「ヘプラー」より平均距離が0.6フィート長くなった

―どのような人向き?
「弾きの良いパターを、これまで使っていて、なかなかタッチが合わない人。そういう方は、一度この『シグマ2』を試してほしいと思います。そして、やわらかい打感に慣れた後、また弾きの良いパターに戻す。そうすると、距離感の出し方の幅が広がり、パッティングの感覚が研ぎ澄まされる。そういう風に色々試してみる中の一つとして、選ぶべきモデルではないかと思います」

「ヘプラー(総合3.8点)」より高い点数【総合評価4.0点】

【転がり】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】3.5

・クッシンC /ロフト角:3度 ライ角:70度 シャフト:34インチ
・使用ボール:タイトリスト プロV1

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、石岡ゴルフ倶楽部

■ 万振りマン プロフィール

登録者2万人超えのフルスイング系YouTuber。2017年よりYouTubeにて「-Mr.FULLSWING MEN-万振りマン」チャンネルを開設し、数多くの試打動画をアップ。豪快なフルスイングが話題を呼び、人気に火がつく。日本プロドラコン協会(JPDA)B級プロライセンスを取得。