クラブ試打 三者三様

トゥーロン パターを西川みさとが試打「もう少し打音があったら…」

2020/08/25 05:00

オデッセイ「トゥーロン パター」の評価は!?

削り出し高級パターとして、オデッセイの中でも一線を画すハイエンドシリーズ「トゥーロン パター」。2018年に登場した初代モデルから、19年には上田桃子をはじめ、多くのツアープロが採用したカーボン&スチールの一体型「ストローク ラボ シャフト」を採用。さらに完成度を高めた本格派を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「どこか懐かしい心地よさ」

※スキッド:打ち出し直後の横滑り状態の距離

―率直な印象は?
「削り出しパターということもあり、打感がどこか懐かしく、心地よい印象を受けました。やわらかい感触ですが、それほどやわらかすぎない、適度な感触。あとは個人的な好みで言うと、もう少し打音が大きく、耳に明確に伝われば良いのに…といった感想をもちました」

キャッチコピー『性能から発想した、 卓越したデザイン』 価格は5万円前後

―打音が小さい?
「そうですね。やや抑えめの音でした。最近試打したピン『シグマ2 パター』ほど、音が小さい感じではなかったです。私がインサート付きフェースの大きな音に慣れてしまったせいかも知れません。この抑えめの打音が好きな人は大勢いると思います。ただ、もう少し音の響きを確かめながら打てれば、より距離感を合わせやすいモデルではないかと思いました」

303ステンレススチールなど高品質素材を複合させたボディ

―あまり削り出しは使わない?
「削り出しを長い期間で使ったことはないです。基本的に、打感が分かりやすいタイプを選んできたので、インサート付きフェースを自然と選んでしまっていたと思います。ただ、見た目はやはり削り出しモデルは格好良いです。高級感があって。使っているだけで、パット巧者になれた気分にさせてくれます」

「ストローク ラボ シャフト」を採用し、より性能面を充実

―パット巧者になれた気分…?
「はい。使用しているだけで、距離感やタッチの繊細さが身につくように感じます。研ぎ澄まされた感覚に応えてくれる感じ。逆に言えば、小さなミスは許してくれない感じです…(笑)」

全モデル米国の都市名が付けられている。画像はAUSTIN(オースティン)

―他社の削り出しモデルと比べてどう?
「削り出しと言うと、『スコッティキャメロン』が頭に思い浮かびますが、そことはなかなか比べられません。使用経験が少ない私にとっては、どちらがどうこうと言うのは難しいので…。そもそも削り出しモデルは、自分でインパクトを作れる人(※自分は違う)が使うべき。ある程度しっかりインパクトができて、狙った方向に打ち出せる技術をもっている人に向いていると言えます」

打感を意識しながら転がりの良し悪しを確かめる西川

―どのような人向き?
「上級者向きだと思います。特にピン型(『オースティン』『サンディエゴ』)はすごいクラシックな形状と言うか懐かしいモデルに見えるので、自分でラインを作れる人向きです。パッティングでも、スライスorフックを計算して打っていけるようなタイプの人が好むパターだと思います」

打感3.5点のややシブい評価…【総合評価3.9点】

【転がり】4.0
【打 感】3.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・オースティン /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・アトランタ /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・使用ボール:タイトリスト プロV1

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、石岡ゴルフ倶楽部

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。