トラス パターを筒康博が試打「センターシャフト感強め」
テーラーメイド「トラス パター」の評価は!?
建築物全体の強度や安定性を高める三角形を基本とした「トラス構造」からヒントを得てデザインされたテーラーメイド「トラス(TRUSS) パター」。ネックホーゼル部分に施された斬新な形状により、ストローク中の安定感やミスヒット時のブレを抑えるという構造だ。そんな個性派モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?
「手に伝わる情報量が多い」
―率直な印象は?
「ネックのトラス部分のおかげで、当たった時のヘッド挙動がとても分かりやすかったです。手に伝わる情報量が非常に多い。ただ、逆を言うと、感じなくてもよいヘッド挙動まで伝わってしまうので、それほどやさしい印象はもちませんでした」
―それほどやさしくない…?
「はい。特にお助け機能を感じることはなかったです。やさしいモデルというより、操作性の良いカテゴリーに分類されると思います。デザインから感じたイメージより、構えた時に違和感はないですし、4タイプ(TB1・TB2・TM1・TM2)ともオフセットの度合いに大差がなく、どれも同じように扱えるメリットを感じました」
―総合点(3.7点)がややシビアですが…?
「やはり異形ヘッドであることは間違いないので、正直この一種類だけでは判断しにくいところがあります。新しいものに慣れていないという違和感です。これが5年、10年と、シリーズを継続化していければ、また印象は大きく異なってくると思います」
―デザイン以外に違和感のある部分は?
「デザイン以外だと総重量の部分です。やや軽めに感じてしまいました。シャフトとグリップの一体感があるおかげか、ヘッドの重さを感じることができなかったです。ヘッドを流し込みながらインパクトするような打ち方にマッチしているのでしょうか。振り子感覚でヘッドをしっかり出していくストロークには、少し難しいように感じます」
―アベレージゴルファーの腕前には難しい?
「ヘッド挙動が俊敏に手に伝わり、意外とオートマチックな機能はないため、パット巧者でないと扱えるモデルではないのかもしれません。私の技術では、この『トラス』の性能を十分に引き出すことはできませんでした…(涙)。ひと言で表現するなら、センターシャフト感強め。センターシャフトはスイートエリアの狭さから、やさしいという人とミスが出やすいという人がいます。そんなセンターシャフトが得意な人には、マッチする要素が多分にあるように感じました」
―どのような人向き?
「ずばり、現在センターシャフトを使っている人向きです。既存のセンターシャフトを使っている人なら、高い寛容性を感じられると思います。また、ストロークでパンチが入り、常にオーバー気味の人にも向いていると言えます。振動が手に伝わりやすい分、自分で操作しながら調整できるので、インパクトの強さを軽減できるかもしれません」
3~5点と大きなバラつき【総合評価3.7点】
【転がり】3.0
【打 感】3.0
【寛容性】4.0
【操作性】5.0
【構えやすさ】3.5
・TB2 トラスセンター /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・TM2 トラスセンター /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・使用ボール:タイトリスト プロV1
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、石岡ゴルフ倶楽部
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。