クラブ試打 三者三様

スパイダー S パターを西川みさとが試打「10年前よりつかまる」

2020/09/22 05:00

テーラーメイド「スパイダー S パター」の評価は!?

世界中のツアーで活躍してきた「スパイダー」シリーズの新モデルであるテーラーメイド「スパイダー S」。削り出しアルミボディが美しい形状を実現し、自然とフェースセンターにセットできるという。同シリーズ「スパイダーX」と比較しながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「味わったことのない打感」

※スキッド:打ち出し直後の横滑り状態の距離

―率直な印象は?
「ヘッド素材(6061アルミニウム/タングステンウエイトを各部分に配置)が、これまで味わったことのない素材でできているの?と疑ってしまうほど、不思議な印象をもちました。見た目のイメージでは重く見えるのですが、実際はものすごく軽く感じられました」

昨年10周年を迎えたスパイダー。さらなる進化を遂げたのか!?

―打感が軽い?
「そうですね。少し物足りないような気はしましたが、嫌なやわらかさではなく、本当にヘッドが軽く動いてくれるという印象が強かったです。打感はやわらかいですが、やわらかすぎて打感がボヤけるという感じではありませんでした」

ヘッド中央が大きく空いた「スパイダーS」。色はネイビーとチョーク(白)がある

―同シリーズの「スパイダーX」と比べてどう?
「『スパイダーS』はマレット部分に大きな穴が空いていて、前側のフェース部分のみに集中できる印象ですが、『スパイダーX』は逆に真ん中が詰まっている感じで、小ぶりに見えました。真ん中の重さを意識できるというか。全体的な重さ、小ぶりなヘッド自体をブツけていくイメージで、集中できるように感じました」

下向き45度の溝を配した「ピュアロール」インサートを採用

―スパイダーシリーズは使ったことある?
「約10年前に、それこそ初代『ロッサ モンザ スパイダー』ですかね? 少しの間だけ使いました(笑)。当時のモデルと比べて、かなり進化している印象です。以前は直進性が強すぎて、あまりボールがつかまらない印象がありました。スライスラインをよく右に外していた記憶があります」

ヘッド後方にタングステンを搭載して寛容性を高めた

―つかまりが増した?
「以前の直進性一本という感じは一切ありませんでした。素材もそうですが、打感やフィーリングを反映している面が感じられます。私が使っていた初代スパイダーより、ボールをつかまえて動かせる時間が長くなっている感覚。ボールを逃がすというより、つかまりが良くなった気がして、とても打ちやすかったです」

Xも含めて試打ではすべてカップイン「パーフェクト」の西川

―どのような人向き?
「大型ヘッドのパターの特徴ではありますが、インパクトを強く入れるという人より、両肩のストロークで打ちたい人向きと言えます。上級者の中にもストロークで打ちたい人は多いので、ターゲットのレベルは絞れないです。初級者から上級者まで幅広く使えるモデル。この形(スパイダーシリーズ)が好きな人には、誰にでも合うと思います」

進化した点を評価してオール4【総合評価4.0点】

【転がり】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・スパイダー S ネイビー シングルベンド /ロフト角:2.5度 ライ角:70度 シャフト:33インチ
・スパイダー X チョークホワイト/ホワイト シングルベンド /ロフト角:3度 ライ角:70度 シャフト:33インチ
・使用ボール:タイトリスト プロV1

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、石岡ゴルフ倶楽部