クラブ試打 三者三様

スコッティキャメロン SPECIAL SELECT パターを筒康博が試打「普遍的な良さが集約」

2020/10/01 05:00

スコッティキャメロン「SPECIAL SELECT パター」の評価は!?

タイガー・ウッズ松山英樹らトッププロが使用する「スコッティキャメロン」。中でも精密加工で施した削り出しシリーズ「SELECT」は人気が高い。その最新モデル「SPECIAL SELECT(スペシャルセレクト)」を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?

「考え尽くされたモデル」

※スキッド:打ち出し直後の横滑り状態の距離

―率直な印象は?
「やっぱり『スコッティキャメロン』だなー、という部分を多分に感じさせられました。複合素材で、パーツが豊富。ウエイトも装備されていて、考え尽くされたモデルなんだと。それにより、寛容性があるのに操作性が無い、とは絶対に感じさせない、追求された性能が感じられます

ウッズが使用しているモデルと同じ形状の「ニューポート2」

―操作性の無さを感じさせない…?
「はい。打点のブレを減らしているのですが、それが単にヘッド周辺に重さを配して、慣性モーメントを高くしたからではなく、あくまでも操作性をアップさせるための複合ヘッドとなっています。フェース面を非常に感じながらストロークしやすいので、ブレも減るのだと思われます」

「303ステンレス」から削り出されたフェースはソリッドな打感を実現

―フェース面を感じるとは?
「パターを打っているのに、同社(アクシネット)製ボーケイウェッジやマッスルバックアイアンを打っているような、フィードバックがすごく高いのです。ヘッドサイズとしては大きめのマレット型『フローバック5』でも、小ぶりなブレードタイプのような敏感な感覚で打てる。うまく打てた時の打感の気持ち良さやボールの転がりで、プレーヤーにパットの喜びをダイレクトに運ぶパターだと言えます」

握りやすさを追求した「ピストリーニ・プラス グリップ」

―うまく打てないとミスは出る?
「正直、細めのラバーグリップはプロや上級者には好まれますが、アマチュアゴルファーにとっては好き嫌いが分かれる部分だと思われます。クラブ自体の特性を考えても、誰が打ってもうまく転がるというわけではありません。ただし、この見た目の美しさや性能の高さを感じると、スコアは関係なくパターを好きになると言うか、もっと練習してうまくなりたいと思わせてくれるモデルなんだと感じます」

左が「ニューポート2」右が「フローバック5」。ともに角の丸みが増した印象

―見た目はやはり美しい?
「そうですね。特に構えた時のシルエットが美しいです。ピン型の『ニューポート2』はトウ側の逃がし方や、四角い形状なのに全体的に丸みを感じられる点で、印象的には全然シビアさがない。表現として適切かは分かりませんが、形状に“やわらかみ”があります。精悍さとやわらかみが両方存在することで、普遍的なパターなんだと改めて感じられました」

「ボールにサイドスピンが全然入らない」と筒

―どのような人向き?
「キャメロンファンに限定したくないところですが、随所に見られる特色として、やはりこのブランドにしか出せない魅力が満載です。プロが使っているにはそれなりの理由があるということを教えてくれるパター。そんなプロ仕様モデルの良さをしっかり理解できる人向きと言えるでしょう」

打感5点満点を含む高評価!【総合評価4.4点】

【転がり】4.0
【打 感】5.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5

・ニューポート2 /ロフト角:3.5度 ライ角:70度 シャフト:34インチ
・フローバック5 /ロフト角:3.5度 ライ角:70度 シャフト:34インチ
・使用ボール:タイトリスト プロV1

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、石岡ゴルフ倶楽部

スコッティキャメロン
発売日:2020/04/17 参考価格: 60,500円