スコッティキャメロン PHANTOM X パターを筒康博が試打「ちゃんとキャメロン感あり」
スコッティキャメロン「PHANTOM X パター」の評価は!?
「スコッティキャメロン」の大型マレットラインとして、2017年発売の「フューチュラ」から、更に進化した「PHANTOM(ファントム)X」。精密にデザインされたボディに、最高技術を搭載した性能は、玄人好みの同ブランドの中でも評判が高い。そんな高性能マレットを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?
「印象がガラッと変わった」
―率直な印象は?
「試打する前は、食わず嫌いな人も多いシリーズというくらいの認識でいましたが、実際に打ったあと、その印象はガラッと変わりました」
―ガラリと…どう変わった?
「『スコッティキャメロン』と言えば、『SELECT』や『Golo』といった正統派モデルが主軸で、いわゆる異形マレットを選ぶ人は少数派。『PHANTOM X』も、他社の大型タイプと同じだろうと高(たか)をくくっていたのです。しかし、試打してみると全然イメージが違い、その繊細さに圧倒されました。打感が『キャメロン』そのもののイメージでした」
―打感が『キャメロン』そのもの?
「はい。フェースの高さを抑えているおかげで、インパクトの情報がボヤけず、ダイレクトに手に伝わってきます。寛容性の高い形状をしているのに、手に伝わる打音とフィーリングはブレード型の『キャメロン』パターと一緒。削り出しの素材そのものの感触。また打音もしっかり耳に出球のイメージを伝えてくれています。今回特に感じたのは、タイトリスト『プロV1』ボールとの相性が非常に良い点。『V1』を打った時の打音と転がりが絶妙で、ツアー使用率No.1ボールだからこそ分かるフィーリングの良さとやさしさを強く感じとることができました」
―打感以外で好印象の点は?
「ストロークを助けてくれる要素が、すべてのモデルで少しずつ違う点です。今回、あえて見た目の形状が似ている『6』と『8』を打ち比べたのですが、上から見るサイトラインにしろ、後方のヘッドデザインにしろ、微妙な形状の違いで、ストロークの印象も全然異なりました。フェース側にある3点ドットと2本のライン(どちらも黄色線)の見え方が各々で違い、軌道のイメージのしやすさの違いで、個性を発揮しているように感じます」
―強いてマイナス点を挙げるとするなら?
「ビジュアルで言うと、どうしても好き嫌いは分かれる気がします。ソール側のデザインは大人しい印象ですが、上から見ると少し黄色がうるさく見えてしまう気がします。自分が購入した場合、上の部分の黄色だけ色抜きするか、シルバーに変えるか、オリジナルでカラーリングしたくなるデザインかなと思いました」
―どのような人向き?
「格好良くてやさしさを求めるユーザーという点で、実はターゲット層はテーラーメイド『スパイダー』シリーズと重なるように感じます。ですが、価格が異なる点で(『PHANTOM X』は5万5000円+税、『スパイダー S』は3万6000円+税)両者がセグメントされていて、どちらも選びやすくなっていると言えます」
寛容性5点◎構えやすさ3.5点△【総合評価4.4点】
【転がり】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】5.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】3.5
・PHANTOM X 6 /ロフト角:3.5度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・PHANTOM X 8 /ロフト角:3.5度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・使用ボール:タイトリスト プロV1
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、石岡ゴルフ倶楽部
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。