クラブ試打 三者三様

スリクソン ZX7 ドライバーを西川みさとが試打「ZX5ほどの変化なし」

2020/12/22 07:47

ダンロップ「スリクソン ZX7 ドライバー」の評価は!?

松山英樹が4年ぶりに回帰して話題のダンロップ「スリクソン」シリーズ。「ZX5」と併用した「スリクソン ZX7 ドライバー」は、ヘッドの反発性能を高めた4層構造「リバウンドフレーム」に加え、より操作性を重視したモデルとなっている。この最新作を、「ZX5」や前作「Z785」との違いを踏まえ、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「フッカーには好印象の構えやすさ」

―率直な印象は?
「『ZX5』よりヘッドサイズが小ぶりで、ターゲットに合わせやすく、構えやすい印象を受けました。ヘッドがややフラットに設定されていることで、つかまり感は抑えめ。左へのミスが多い私にとって、好印象な顔をしています」

「リバウンドフレーム」による飛距離と操作性を実現したZX7

―つかまり感が抑えめな顔?
「はい。フックのミスが多い人からすると、見た目からつかまりすぎる印象は避けて通りたいところ。『ZX7』は『ZX5』より、そのような嫌なイメージをもたせず、ボールに対して自然にセットすることができます。シンプルな形状で、シルエットが美しく感じられる点も、スマートさを求める私にとってはプラスに働きました」

剛性の高いエリアと低いエリアを交互に配置した4層構造

―前作「スリクソン Z785 ドライバー」と比べてどう?
「前作『Z』シリーズからの変化(『Z785』→『ZX7』)で考えると、5シリーズ(『Z585』→『ZX5』)ほどの明確な違いを感じることができませんでした。『ZX7』のほうが少し寛容性が上がり、打感もやわらかく、やさしくなった印象はありますが、それも微小な差。総合的には前作と同じか、似たような性能のように感じられました」

たわみの支点を後方にすることでより反発性能を向上

―ハードな印象は変わらず?
「見た目の印象から、キャロウェイ製のヘッドのような丸みのある形状をしているので、低スピンモデルでシビアな印象の強い『エピック』シリーズに雰囲気は似ています。ですが、それほど性能がシビアという感じではありませんでした。5シリーズと比べれば、確かにハードな印象は受けますが…」

硬さSR~S、重さ52.5~55g、トルク5.4~5.5、中調子

―純正シャフト(ディアマナ ZX60)が影響している?
「そうですね。『ZX7』の純正は、硬さSRとSのみが標準装備なので、私がカスタムすると考えると、Rで試してみたいと思いました。今回試打したSRでは、しなり感が少し足りなく感じられ、つかまり切れないケースが多かったので…」

西川には珍しく右方向につかまり切らない弾道が多かった

―どのような人向き?
「『ZX5』の時は、HS40m/s以上とお答えしましたが、『ZX7』になると、もう少しハードかなと思います。43m/s以上は必要かもしれません。ただ、平均35~36m/sの私でもシャフトを入れ替えたり、うまく調整をすれば、使ってみたいという気がします。それほどシビアな印象は強くなく、左のミスが怖いという人には、マッチしてくれるモデルと言えそうです」

寛容性3.5△ 構えやすさ4.5〇【総合評価4.0点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】3.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・シャフト:ディアマナ ZX60(硬さSR)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、市川サンライズゴルフセンター

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。