クラブ試打 三者三様

SIM2 MAX アイアンを西川みさとが試打「厚めだけどスッキリ」

2021/05/04 05:00

テーラーメイド「SIM2 MAX アイアン」の評価は!?

革新的テクノロジーでクラブ市場をけん引するテーラーメイド。ドライバーのみならず、アイアンも飛びと寛容性を求めて進化を続けてきた。新作「SIM2 MAX アイアン」は、バックフェースに軽量ポリマー素材のバッジを搭載した「キャップバックデザイン」を採用し、さらなる反発力の向上を実現したという。そんな注目アイアンをヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「予想外にシュッとしている」

直進性の高さが弾道に表れる結果に

―率直な印象は?
「打感はカチーンと硬く、弾いて飛ばす、まさに飛び系アイアンそのものです。ただ、飛び系のボッテリと重量感がある一般的なイメージに反して、スッキリした見た目で、小ぶりなヘッドが好みの私の目にも好印象に映りました」

同社が『ディスタンスアイアンの新定義』として送り出した2モデル

―予想外にスッキリ見える?
「はい。特にネックからフェースにかけてのつながりが、シャープで美しいラインに仕上がっています。つかまりの良さを反映しているものの、ストレートネックに近い形状なので、それほどつかまり過ぎることがない。トップブレード(フェースとバックフェース上部の間)に厚みはありますが、ターゲットに向けてスクエアに構えやすい点が、スッキリとした意外性を感じさせます」

フェース下部のミスヒットでも無駄なスピンを抑える「貫通型スピードポケット」

―では操作性も高い?
「飛び系では高いほうだと思いますが、あくまでも飛び系というカテゴリーの中でのもので、性能自体が操作性を求めるモデルではありません。出球の勢いは強く、高く上がり、打ちやすい点が一番のウリ。引っかけのミスが多い私でも、ほとんど左へのミスが出ないというメリットが、このアイアンの大きな武器と言えます」

SIM2 MAX(左)のほうが―OS(右)に比べてトップブレードは薄め

―「SIM2 MAX OS アイアン」との違いは?
「『OS』はオーバーサイズ(Over Size)の略称ですが、ヘッドサイズはそれほど大きく感じませんでした。一番の違いを挙げるとすれば、『―OS』はややグースが入っている点。『SIM2 MAX』と比べて、少しフェースが奥まっている点が特徴と言えます。シンプルにイメージの差ですが、『SIM2 MAX』は前でボールを弾く一方で、『―OS』はグッとボールをもうひと押しできる印象がありました」

トップライン全体をサポートする「キャップバックデザイン」

―飛距離性能は「―OS」が上?
「そうですね。全く同じシャフトだったので差を明確に感じられたのですが、グッと力を入れていけるので、その部分で飛距離が伸びたのかなと思います。グースが効いている分、ボールのつかまり度が上がったため、『SIM2 MAX』より前に前に飛ばしていけたのではないでしょうか」

「グースの度合いは違うもののほとんど(2モデルの)差はない」と西川

―どのような人向き?
「弾道の高さと飛距離を十分に出せるモデルなので、やさしくアイアンを打ちたいエンジョイゴルファー向き。女性ゴルファーでも扱えなくはないと思いますが、やさしいと言ってもそこはやはりツアーモデル。競技に出るようなアスリート派の女性以外は、正直おすすめはできません」

打感3.5点△とやや伸び悩み…【総合評価3.9点】

【飛距離】4.0
【打 感】3.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:28.5度(7I)
・シャフト:TENSEI BLUE TM60(硬さR)
・使用ボール:ドリームゴルフガーデン専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ドリームゴルフガーデン

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

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