クラブ試打 三者三様

エピック MAX FAST アイアンを筒康博が試打「頼りなくない」

2021/08/19 05:00

キャロウェイ「エピック MAX FAST アイアン」の評価は!?

2月発売のキャロウェイ「エピック」シリーズに、新たに加わった「MAX FAST」シリーズ。軽量化を追求したボディで、振り抜きやすさと飛距離を生み出すという。そんな新たな価値観を提唱する同シリーズから、今回は中空構造「エピック MAX FAST アイアン」を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博の評価は?

「軽量グリップが気になるけれど」

やや右には出ているもののイメージ通りの高さに出ていた

―率直な印象は?
「見た目と打った印象に良いギャップがあり、とても面白いアイアンだと思いました。いわゆる軽量クラブのカテゴリーに入りますが、クラブの完成度が高く、カスタムオーダーで作ったような繊細さがあります。総重量がやや軽いので、すぐに買い替えたくなるスペックではないのですが…」

軽量ヘッドでありながら7Iで約55gのタングステンを搭載

―総重量(7I硬さRで約336g)は軽すぎる?
「確かに軽さはありますが、軽くて速く振れるだけではないことを、もっと強く言いたいです。CMを見ると“軽い”というキーワードが強く残り、軽さばかりに注目されがちですが、実はヘッド性能の高さは予想以上に秀逸。サイズ感は大きく見えず、オフセットも抑えめで、バックフェースはボテッとした構造でもないのに、打ってみると高さが出てぶっ飛ぶ。初速スピードを高める性能が、全て上方向に表現できている点は、もっと着目するべきポイントだと思います」

純正カーボンはフレックスRのみ スチールはSのみ

―硬さRのシャフトが合わないだけ?
「合わないというよりは、単純にいま使っているクラブスペックよりも総重量が軽すぎる点と、軽量グリップ(ゴルフプライド TOUR 25 ブラック:約30g)が好みではないというだけの話です。決してヘッドが効いていないわけではなく、とにかくビュンビュン動くという感じでもない。ヘッドもシャフトも存在感はあるので、“軽い=シニア向け”というイメージは全く持たなくていい気がします」

バックラインなし、シャフト装着で約30g、口径60(5720096)

―頼りなさはない?
「手元の重量感という点では頼りなさはあります。ただ、ヘッド自体が軽いとか弾道が弱々しいという頼りなさはありません。ヘッドもシャフトも存在感はあり、インパクトの強さと弾き感は十分。中空構造特有の甲高い打音や硬い打感もなく、前作の『エピック フォージド スター アイアン』と比べると、確実に完成度は上がっています」

ウレタン・マイクロスフィアを搭載して無駄な振動を吸収

―コースでは高さで攻める感じ?
「そうですね。現在のPGA選手のアイアンの弾道は、スピン量で上がってフワっと落ちるというよりも、打ち出しから最高到達点に向かってぐんぐん伸び、落下角度でグリーンに止めるショットが主流です。当然アマチュアの我々では打てない弾道ですが、それと似た弾道を生んでくれます。シャフトをカスタムして調整すれば、HSに関係なく扱えるゴルファーは多いと思います」

「ヘッドの凄さを多くの人に体感してほしい」と筒

―どのような人向き?
「これからゴルフを始める初級者でもいいですし、見た目の精悍さと+1番手の飛びを求めるゴルファーであれば、年齢を問わず対象となり得ます。いまや60代以上でも、若い世代とゴルフマインドやクラブに対する考え方は変わりません。唯一足りないのはスピードだと思うので、クラブ総重量をやや軽くして補うべき。また、クラブが長すぎない設定(7Iで37.5インチ)なので、身長160cm以上であれば、女性の方でもウィメンズではなくメンズの硬さRでチャレンジして良いと思います」

アイアンで飛距離5点満点◎【総合評価4.3点】

【飛距離】5.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:26度(7I)
・シャフト:スピーダー エボリューション for Callaway(硬さR)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール

プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。

キャロウェイ
スタイリッシュな大型・中空ヘッドに飛びとやさしさの最先端技術を満載
発売日:2021/08/12 参考価格: 176,000円