クラブ試打 三者三様

タイトリスト T300 アイアンを西川みさとが試打「スパンと振り抜きにくい」

2021/10/26 07:51

タイトリスト 「T300 アイアン」の評価は!?

タイトリスト三兄弟アイアンの最後を飾るのが、抜群の飛距離性能と安定感を誇る「T300 アイアン」。ミッドサイズで安心感のある形状と、新開発の高弾性ポリマーを使ったコア、さらに前作比40%増量の高比重タングステン内蔵により、芯を外しても飛距離が落ちず、大きな慣性モーメントで高い直進性と安定したキャリーを生むという。そんなTシリーズの“飛び担当”を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「ヘッドの一部分の重さが気になる」

つかまった理想的な弾道と思いきや西川にとってはややブレすぎ…

―率直な印象は?
「うーん…(苦笑)。理由ははっきり言い当てられないのですが、なぜか振りにくさを感じてしまいます。サイズは大きめで安心感が持てて、とても扱いやすくてイメージは良いのに…。前作とも打ち比べましたが、(新旧)どちらも同じような振り切れない印象を受けました」

キャッチコピーは『スコアアップへ導く 驚きの飛びとやさしさ』

―振りにくく感じる理由は?
「表現が難しいのですが、ヘッドが全体的に重いのではなく、どこか一部が非常に重いように感じます。前方なのか、後方なのか、または左右どちらなのかは断定できないのですが、どこかが予想以上に重いことで、いつもの感覚でスパンと振り切れない。その一部をうまく利用できれば思うように飛ばせると思うのですが、私にはどうしても使いこなせず、シビアに感じてしまいます」

左が21年 右が19年モデル。トップブレードの厚みは変化なし

―シビアに感じる…?
「もちろん『T100』『T200』よりはアベレージ向きだと言えますが、実際のコースでスコアをつくることを優先するなら『T300』のほうが難しい。イメージ通りにコントロールできず、飛びすぎたり、左右へのミスが頻出することで、上手にまとめられない印象です。見た目のやさしさは感じるのに実際は難しく感じてしまう…とてもコメントが難しいアイアンです」

ロング~ミドルアイアンまでセンターからヒールに向かって薄くなるフェース構造を採用

―飛距離性能は高い?
「そうですね、飛距離に特化しているとは思います。ただ、『飛ぶから使おう』というほどまでは至らない。重さを気にして入射角が変わりやすく、打点が上下左右にズレてしまうことが多かったからでしょうか。ヘッド軌道が安定せず、ミスヒットが多く出てしまったので、本来の飛距離性能を感じることができませんでした」

前作(右)と細部のデザインは変わったものの構造上は同じ印象

―打感やフィーリングも前作「T300」と同じ?
「『T100』『T200』はやさしく進化しているように感じたのですが、『T300』は前作のまま大きく変わらず、同じ印象を受けます。打感もフィーリングも同様です。前作の評価時でも『なぜか難しい…』と感想を語っていたので、全体的な評価も変わらず、性能はほとんど変わっていないと言えます」

「なぜだろう…」としきりに振りにくさを気にしていた西川

―どのような人向き?
「ヘッドサイズは大きめで、トップブレードも厚めにできているので、アイアンがとにかく苦手で、見た目からして安心感を持ちたい人。アイアンは苦手だけど、どうしてもタイトリストを使いたいという同社ファンに向けて、ミスをカバーできて安心して使えるモデルとして『T300』があるのではないでしょうか」

全項目T200と同じ評価点【総合評価3.9点】

【飛距離】4.0
【打 感】3.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:29度(7I)
・シャフト:NSプロ 880 AMC(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

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