ステルス フェアウェイウッドを筒康博が試打「フェースを視認しにくい」
テーラーメイド「ステルス フェアウェイウッド」の評価は!?
2月4日の発売から、例を見ないほどの売り上げを伸ばしているテーラーメイド「ステルス」シリーズ。革新的なドライバーが先行して話題をさらったが、同シリーズのフェアウェイウッド(以下FW)はどんな性能か!? 高弾道でやさしく飛ばす「ステルス FW」を、強弾道を生む「ステルス プラス FW」と比べながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は?
「“ミニドラ”に近い打感」
―率直な印象は?
「フェースが赤色のドライバーと比べると、黒系のフェース面は認識しにくく感じました。また、ソール角が前作『SIM2』のときよりも少なく、地面にソールした際に、フェースの向きが合わせにくい印象です。ただ、試打してみると方向性はすごくいいし、安定して飛ぶので、そもそもそれほど神経質に構えなくてもいいクラブだと感じました」
―フェース面が視認しにくい…?
「はい。クラウンとフェースが同じ黒系で、アドレスで上から見ると全体が締まって見えます。サイズ自体は大きめなのに、ここまで完全に黒だと難しい印象を受けてしまいます。フェース上部にクラウンとの境目をつくったデザイン(レーザーアライメント)が施されていますが、それほど明確な印ではありません。ただ、今回は夜の撮影だったので、昼のラウンドで使用する場合は、また違った感想になっていると思います(笑)」
―「ステルス プラス FW」と比べると?
「私は入射角が浅くなる傾向が強いので、低重心すぎるFWだとスピンが入りづらく、苦手な印象を受けるのですが、『プラス FW』は重心が低い割に後方の重量感があり、打ち出し角が得やすかったです。ソールの抜けも良いので、芝生の上から打つことを考えると、ヘッドが軽めの『ステルス FW』よりも、『プラス FW』のほうがいろいろなライでも対応できそうで、使い勝手は良いかもしれません」
―打感の印象は?
「どちらのモデルも打感が良かったです。テーラーメイドは、やはりメタルウッドに定評のあるメーカーなので、あえてドライバーと同じカーボンフェースにしなかったのは、打感の利点を壊したくなかったのかなと推測できます。抜けの良いVスチール構造にしてある点も、FWとして新たなものを持ってくるよりも、スチールのまま継続された結果だと思いました」
―前作「SIM2」までと違う点は?
「メタルウッドを継承しているとはいえ、『SIM2』シリーズのときよりも、打感をドライバーの『ステルス』に寄せているやわらかさがあります。素材が変わった? と疑ってしまうほど、メタルっぽくなかったです。打感は同社製のミニドライバー群に似ており、ドライバーの性能をFWのサイズに落とし込んだ感じ。『オリジナルワン ミニドライバー』と『300 ミニドライバー』は、ここにたどり着くために作られてきた気さえするほどです」
―どのような人向き?
「『ステルス』シリーズのドライバーを買った人であれば、FWもそろえたくなると思います。打感やフィーリング、構えやすさは、ドライバーと同じように作られているFWなので、そろえて購入しても何ら問題ないと思います。FWに自信がない方は、まずは5Wから。私よりも弾道が上がるという人であれば、最初から3・5Wと入れても良いでしょう」
操作性&構えやすさで3.5点△と低調に【総合評価4.0点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】3.5
【構えやすさ】3.5
・ロフト角:15度(3I)
・シャフト: TENSEI RED TM50(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。