ローグ ST MAX フェアウェイウッドを筒康博が試打「ぶっ飛び要素が拡大」
キャロウェイ「ローグ ST MAX フェアウェイウッド」の評価は！？
ボール初速と安定的な飛びで注目を集めるキャロウェイ「ローグ ST」シリーズ。ドライバーばかりに話題が集中しているが、見逃せないのがフェアウェイウッド(以下FW)だ。中でも幅広いゴルファーに応えるスタンダードモデル『ローグ ST MAX FW』はどんな性能なのか！？ ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は？
「まさに小型にしたドライバー」
―率直な印象は？
「安心感をもてる大きさでありながら、締まって見えるシャープさも感じられます。構えて上から見たときに、リーディングエッジ（下刃）がしっかり見えることもあり、これを構えにくいというゴルファーは少ないのではないでしょうか。それほど汎用性が高く、ターゲット層の広いモデルだと思います」
―構えにくいという人は少ない…？
「はい。前作『エピック』シリーズのときも同じでしたが、同社のFWは全般的にフェース面が広く、どこに当たっても初速が落ちない印象があります。にもかかわらず、上から見ると、それほどぶ厚い形状ではなく、ボテッとした感じでもない。特にスタンダードモデル『MAX』は、どんなスイングや腕前でも関係なく、プレーヤーを選ばない形状といえます」
―兄弟モデルと比べると？
「見た目と名称通り、打った弾道もイメージそのもの。ラインアップの選びやすさは、ドライバーと同様です。まさに、サイズだけ小型にしたドライバー。あえて面白い選び方を提案するなら、FWはドライバーよりも1機種シャープなモデルを選ぶのもありだと思います。5W以降は『MAX』だけど3Wは『MAX D』にするとか、3Wは『MAX』で5W以降を『MAX LS』にするなど、番手によって機種を変える手法もありなのではないでしょうか」
―同時期発売の「ステルス FW」と比べると？
「重量配分にせよ形状にせよ、『ステルス』以上に細かいところまですごく複雑な構造に仕上がっています。フェースの反発性能や、ボールの食いつきの良さが、本当にドライバーをそのまま小さくした感じ。全般的に重心は低く感じるのに、低スピン性能は落ちず、むしろ初速アップを実現している。HSが遅いゴルファーでも楽にボールを上げられるので、思い切り振る必要がない。その点で、『ステルス』よりもやさしさを感じるFWといえます」
―飛距離性能よりも安定感重視？
「いいえ。過去にも“ぶっ飛び系”のFWを作ってきたメーカーですが、今回はその性能を落とさず、寛容性だけを広げてきた印象。ぶっ飛び性能自体が拡大したFWといっても良いでしょう。またボールの拾いやすさでいうと、リーディングエッジが前に出ていてフェースプログレッション（FP＝リーディングエッジとシャフト中心線との距離）値が大きく、コースで使いたくなる要素が備わっています」
―どのような人向き？
「とにかく飛んで曲がらないFWを求めているゴルファーなら、単品買いもありだと思います。ドライバーは『エピック』にしているけれど、FWは『ローグ ST』を選ぶというパターンもおすすめ。また、アイアンもドライバーも他社メーカーという人でも、FWだけキャロウェイという選び方も全然ありと思える品質。それほど性能の高さを感じる、製作側のこだわりを感じられるFWに仕上がっています」
2項目で5点満点◎ 即買い検討レベル【総合評価4.6点】
【飛距離】4.5
【打 感】5.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】5.0
・ロフト角：18度(5W)
・シャフト： VENTUS 5 for Callaway(硬さS)
・使用ボール：川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力／トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
■ 筒 康博（つつ・やすひろ） プロフィール
スイングとギアの両面から計測＆解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。