クラブ試打 三者三様

ミズノプロ 223 アイアンを西川みさとが試打「超軟な打感ではない」

2022/04/05 05:00

ミズノ「ミズノプロ 223 アイアン」の評価は!?

秀逸な打感に定評のあるミズノ「ミズノプロ」シリーズ。ターゲットに合わせて3モデルの展開が定着しつつある中で、今回はヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が、「ミズノプロ 221 アイアン」「ミズノプロ 223 アイアン」「ミズノプロ 225 アイアン」をそれぞれ採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが、打感と飛距離を両立した「223」の試打評価を行った。

「もうひと回り大きくないと厳しい」

弾道は申し分なし あとは見た目のサイズ感だが…

―率直な印象は?
「同シリーズ3モデルの中で、中間的な位置の『223』でも、サイズ感は小さいと思ってしまいました。形状はきれいでシャープさがあり、好みの小顔ではありますが…。ただ、実際は見た目で受けるシビアな印象はそれほどなく、思ったよりもやさしく打てることに驚きました」

2022年モデルも固定ファンのハートを離さない美しさは健在

―やさしさがアップしている?
「『ミズノプロ』というツアーモデル内で考えると、やさしくマイナーチェンジされている感はあります。もう少しシャフトの重量帯が軽いもの(※試打は『NSプロ モーダス3 ツアー115』=118.5g)でテストできれば、よりやさしく感じられたと思います。ヘッドだけでいえば、見た目との意外性がもてる範囲のやさしい性能です」

左から221、223、225。トップブレードが徐々に厚くなっている

―見た目はどのようなところが好み?
「私はヒールからネックにかけてのラインをよく見るのですが、ストレート過ぎず、程よくグースが入っている感じが好きです。『ミズノプロ』は3機種とも、その加減が絶妙できれい。トップに丸みを持たせ、とがり過ぎず、ちょうどいい三角形になっているシルエットも好感がもてます。シリーズ全機種を通して、視認しやすくターゲットに合わせやすい美しさは、しっかり統一されています」

フェースに鍛流線を密集させることで打音を長く響かせる工夫が施されている

―打感の印象は?
「打感はやわらか過ぎませんし、ある程度の弾き感があります。同社の軟鉄イメージ=スーパーやわらかいアイアンというよりは、音はやや硬めな気がしますし、他社に比べて特段やわらかい打感ではありません。グシャッとボールを潰すような感触よりも、多少前に弾く感覚が残るフィーリングです」

クロムモリブデン鋼+グレインフローフォージドHDによるミズノ独自の鍛造製法

―他2モデルと比べてどう?
「『221』は、より難しく見えるのに、結果がそれほど悪くならないことに驚きました。ですが、サイズは小さく、苦手なイメージは払しょくできません。『225』はシャフトがやや軽め(『ダイナミック ゴールド 95』=95g)で、インパクトで押し出せる感覚があり、思っていたよりも距離が出せました。大きさも安心感がもてるサイズ感で、私が選ぶなら『223』か『225』になると思います。ただ正直、どちらももうひと回り大きくないと厳しいことには変わりません」

「テーラーメイド『P790』と比べて飛距離はやや落ちる」と西川

―どのような人向き?
「ミズノ特有のこだわりや、コンパクトな形状を見ると、同社ファン向きといえると思います。打感は思ったよりも硬めでしたが、それでもアイアンが好き、ミズノが好きというゴルファー。見た目にはハードさがあり、ややハードルは高いですが、それでも所有感が勝ってくれる性能を持ち合わせています」

寛容性<操作性の中上級者向けモデル【総合評価4.2点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:32度(7I)
・シャフト:NSプロ モーダス3 115(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

ミズノ
打感と飛距離を両立したアイアン
発売日:2021/10/15 参考価格: 138,600円