ミズノプロ 225 アイアンを筒康博が試打「長年のファンは戸惑うかも」
ミズノ「ミズノプロ 225 アイアン」の評価は!?
秀逸な打感に定評のあるミズノ「ミズノプロ」シリーズ。ターゲットに合わせて3モデルの展開が定着しつつある中で、今回はヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が、「ミズノプロ 221 アイアン」「ミズノプロ 223 アイアン」「ミズノプロ 225 アイアン」をそれぞれ採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博が、中空複合構造「225」の試打評価を行った。
「グローバルな流れを取り入れたMP」
―率直な印象は?
「ミズノが長年培ってきた軟鉄鍛造のシャープなアイアンというよりも、同社『JPX』ブランドのグローバルで幅広い層に向けたモデルという流れを取り入れた印象を受けます。特に見た目が、過去の代表的な顔ではなく、全般的に丸みが強く海外ブランドのイメージに寄せてきた感じがします」
―前作『ミズノプロ』と比べても変化した?
「そうですね、確実にグローバルモデルに変化したように感じます。前作は、形状でやさしさを表現している部分が強かったのですが、いまや比重や素材の進化が主流になり、そのトレンドを少し取り入れている印象。長年、同社のアイアンを好んで使ってきたゴルファーからすると、そろそろアップデートしないといけないと感じさせるシリーズに仕上がっています」
―他の兄弟モデルと比べると?
「正直にいうと、私も90年代ミズノアイアンのユーザーだったので、その流れを汲んでいる『221』『223』のほうが好きです。『221』は、シビアなマッスルバックの形状なのに、思った以上に打ちやすい。ロングアイアンまで使いこなせるかといえば厳しいとは思うので、より飛距離の出る『223』とのコンビネーションで使うと面白いと感じました」
―気になる点は?
「『221』『223』『225』3機種の顔の形とヘッド長のサイズが、違いすぎる点です。他社と比べてコンビネーションしづらい。タイトリスト『T100 アイアン』『T200 アイアン』、キャロウェイ『APEX アイアン』『APEX PRO アイアン』と比べて、同社はせっかくカスタムを重視しているのにつながりが弱く、独立した単品として考えないといけない点が気になりました」
―独立した単品として考える…?
「7I~PWまで『221』、5~6Iを『223』にした場合、形状が違いすぎてつながりを感じられず、全く別のブランドを入れたことになってしまう。上から下まで同じ顔というイメージで、セットができないということです。90年代は、タイガー・ウッズが『ミズノプロ』のアイアンを2種類コンビネーションで入れていたように、本当はそこまでやってほしかったというのが、私のわがままな要望です(笑)」
―どのような人向き?
「『ミズノプロ』は、そもそも他社モデルと比較するような方は、あまり手にしないと思います。逆に、昔から同社を信頼してミズノしか使わないという方が手にしているブランド。その点で、この『225』は少し裏切られたと感じる方はいるかもしれません。ただ、そのような方は『221』、前作までのキャビティの要素を継続したい方は『223』、新提案を求めたい方は『225』という区分けができるのが、今作の特徴かなと思います」
オールドファン筒はやや辛口【総合評価4.0点】
【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:30度(7I)
・シャフト:ダイナミックゴールド 95(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。